Re: 疑惑の中毒死 ( No.89 ) |
- 日時: 2006/12/07 13:18
- 名前: Yossy
- もう100レスまで残り少なくなって来ましたね。話を進めないと…。

第6チェックポイントは「どうやってチェーンを掛けたか?」ですが、今のところはTさんの仰るように「何らかの方法で掛けた」としておいてください。 
では、引き続きA、B両刑事のやり取りをどうぞ。 ************************
「先ず政江犯人説だが、確かに物理的には可能だけれど、心情的にはいささか問題があるな。そもそもマスターキーを持っているのは政江しかいないのだから、鍵を使えば政江が真っ先に疑われることは明白だろ。単独にしろ共犯にしろ、政江が犯行に関わっているならいつも通りに鍵を掛けずにおくだろう。そうすれば全員に疑いがかかり、政江だけが疑われることはないからな。だから、部屋にかぎが掛かっていたこと自体が政江の犯行を否定することになると思うんだ。ま、一酸化炭素の入手も政江には難しいだろうしな。」
「と言うと3人の息子のうちの誰かがマスターキーを持っている政江の犯行と思わせるように仕組んだということですか?」 「いや、犯人の目的はあくまで事故死を装うための密室工作で、覧男が自分で内側からロックしたのだと思わせたかったんだろうな。しかし、万一密室に疑問が持たれて他殺と疑われたときには、政江が疑われるように仕組んだのかもしれないが、結果的にはそれが政江への疑いを解くことにもなったというわけだ。」 「うゎ〜、そこまで考えた犯行ということですか。」 「俺はそう思っているということだよ。」
「しかし、マスターキーの存在を知っていて政江に疑いを向けさせようとしたならば、ドアに鍵をかけておくだけでもよかったんじゃないですか?」 「政江の身になって考えてみろよ。さっき言ったように、マスターキーを持っている自分が追求された場合、『マスターキーを持っている私が、自分に疑いが掛かるようなことをすると思いますか?私が犯人なら鍵など掛けません。』と弁明するだろ?犯人はあくまで覧男が自分で内側からロックしたのだと思わせるのが主目的だったんだ。」
「それでドアチェーンを使ったのか。しかし、誰が犯人だとしてもチェーンを掛けて部屋を出ることはできないのは同じなんじゃないですか?この疑問が解明できない限り『密室の事故』と考えざるを得ないのでは…?それに、政江の持っている鍵が使われたのではないとしたら、どうやって部屋に鍵をかけたんですか?」
「たしかにこの事件のポイントはそこなんだ。つまり、ドアチェーンを掛けた部屋からどうやって出たのかということだな。ドアチェーンについては以前接着剤でドアチェーンを固定するトリックを使った殺人事件を扱ったこともあるので、さっき調べてみたんだが接着剤が使われた形跡はなかったな。」
「で、犯人は誰なんです?」 「それを見つけるにはやはり犯行の手順が鍵だな。それができる奴が犯人ということになる。」
「11時半にみんなが自分の部屋に戻った後、12時頃に犯人は一酸化炭素入りの風船をもって鍵の掛かっていない覧男の寝室に忍び込んだ。……。でもどうやってチェーンと鍵を掛け、部屋を出たんだろ?やはりこの疑問に戻ってしまいますね。」 「それについてはいくつか思うことがあるんだが…。」
「どういうことですか?現に鍵は掛けられていたんだし、鍵は部屋の中にあったのだから、政江の鍵が使われたと考えるのがやっぱり一番自然でしょ?」 「でも、政江の鍵は政江が持って帰ったのだから他の者は使えなかったはずだぞ。」 「朝、政江が出勤してから持ち出したのかも…。」 「政江の朝の仕事場は台所だろ。まず、無理だな。」
「とすると、やはり内側から掛けて窓から出たのかな?」 「それだと雪の上に足跡がなければならないだろ。雪は11時過ぎにはやんでいたんだから。」 「そうですね〜。とするとどうやったのか?政江の鍵は使えず、鍵は部屋の中。不可能ですよ。」 「そうでもないだろ。ちょっとしたトリックを使えば可能だぞ。」 「トリックですって?」 「そう、さっき言ったように、どさくさにまぎれて鍵を部屋の中に戻し、鍵は最初から部屋の中にあったと思わせる方法だよ。」 「やはり、そういう手があるんですか?」 「みんなの供述を思い出して、誰にその機会があったかを見つけるんだ。」
「さっき言った、『最初に一郎がドアの隙間から手を突っ込んでチェーンを外そうとしていたときに、鍵を照明スイッチの上に掛けたというのは?』」 「鍵には一郎の指紋はなかったぞ。あの場合手袋をしていたとは聞いてないしな。」 「あとは二郎か。でも窓から部屋に入ってからの二郎の行動は一郎と政江にずっと見られていた訳だし…。やはり、三郎が遅れて部屋に上がってきたときにこっそり返したのかな?高所恐怖症にもかかわらず『窓から入れるかもしれない』と言ったのも、遅れて部屋に入るチャンスをつくるためだったのかもしれませんよ。」 「まあそれもないとは言えないが、こっそり鍵を返そうとする男がドタドタと階段を駆け上って来るとは思えんな。それに三郎が2階に戻って来る前に、鍵が証明スイッチの上に掛かっていたと政江が証言しているぞ。」 「兄弟3人が共犯というのは?」 「3人が共犯なら、こんな面倒な芝居をする必要はないだろ。チェーンを切ってドアから入っても、3人がグルなら鍵を返すチャンスはいくらでもある。」 「とすると誰もいないじゃないですか。」
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ここまで来ればもう犯人は確定でしょう。 
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