Re: 疑惑のCO ( No.109 ) |
- 日時: 2006/12/14 12:44
- 名前: Yossy
- では、いよいよ最後です。
ここに至る経緯は>>44、>>57、>>85、>>89、>>103のA刑事とB刑事のやり取りをご覧下さい。
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「え、思いついたことって何ですか?」 「一酸化炭素の化学式はCOだということは知ってるな?これからちょっと面白いことが思い浮かんだんだ。」 「COとドアチェーンにどういう関係が?」 「ドアチェーンは金属だろ。特殊な金属を使えばチェーンに細工ができるということだよ。」 「特殊な金属ですか?ますますわからん…。」 「形状記憶合金というのを聞いたことはないか?ま、分かり易く言えば、冷やせば柔らかくなって簡単に変形できるが、暖めれば元の形に戻って堅くなるという金属だ。一見頑丈に見える金属もある温度以下では手で曲げられる程柔らかくなるそうだ。」 「ああ、それなら聞いたことがあります。二郎がそれでチェーンを作ったということですか?」 「いや、ドア枠に固定されたチェーン金具にチェーンを取り付けるリングを形状記憶合金で作ったのではないかと…。」 「それとCOと密室の関係は……。うゎ〜、まださっぱりです。」 「いいか、形状記憶合金で作ったリングを窓枠に積もった雪で冷やしCの状態に開く。これをチェーンの端に通してからチェーン金具に引っ掛ける。これならドアの外からでもできるだろ。施錠後室温が上がればCが閉じてOになるという仕掛けさ。」 「CがOになる?それじゃストーブは一酸化炭素中毒の偽装だけじゃなく、室温を上げるためにも使われたということですか?う〜ん、考えたな。」 「ストーブは覧男がつけて寝たということにしたかったのだろうが、部屋には鍵をかけないとか、ストーブは必ず消して寝るというような習慣はそう簡単には変わらないものだ。わざとらしい工作をすれば必ずバレルということさ。」 「『策士策に溺れる』ってやつですか。」
その日の内に予想どおりの鑑識の結果が出て、二郎は重要参考人として取り調べを受け、犯行を自供した。 動機は覧男が先祖から受け継いだ財産を、つまらない発明に湯水のごとく使ってしまうことに不満を持っていたことだった。 ******************************** ということで、本問は「密室の意味と二つの鍵」から犯人を消去法で絞り込むのにポイントを置いた問題で、COにも二重の意味があったのでした。
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