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|  霧野幽介の事件ファイル3***解答編 ( No.43 ) |  | 日時: 2006/04/05 00:44名前: S
 
上で明後日と書きましたが、今から正解発表をさせていただきます(気まぐれな作者ですみません)***********************
 「時間切れです!」会長の声が、体育館に響く。
 みんなが少しざわついているが、わかった人はいないようだ。―幽介を除いて。
 「今から答えていいですか?」
 「よし、いいでしょう。答えてください」
 幽介が、謎解きを始める。
 「まず、トリックのほうから説明します。背中に刺さっていた刃物は、鉄製のものだったと考えられます」
 どうですか?というようにお姉ちゃんを見る幽介。
 「鉄は、磁石にくっつきます。そして、停電が起こった理由。普通の事件なら関係ないかもしれませんが、これはミステリーゲームです。必ずどこかに関係しているはずです」ここでいったん言葉を切る。
 「被害者の殺された部屋の上には、電磁石がしかけてあったのです。そして、電磁石には凶器の刃物が……」
 わたしは想像する。
 もしその状態で停電が起こったら……
 「こうして犯人は、遠隔操作で被害者を殺害しました」
 確かめるようにお姉ちゃんを見る。
 「そこまでは正解よ。で、肝心の犯人は?」
 「ここで皆さんに思い出して欲しいのは、被害者は、三月のカレンダーを握っていたのではなく、三月一日を指差していたのです」
 だからなんなの?
 「つまり、被害者の伝えたかったメッセージは、『三月一日』です。
 そして、容疑者の中で、三月一日に関係しているのは、『高田エリカ』なぜなら、三月一日の誕生花は、エリカなんです」
 わたしは、お姉ちゃんを見た。肩を震わせ―笑っている!
 「あはっ、あははははは。間違いよ、幽介くん。やっとあたしの勝ちね」
 幽介は、くるりと背を向けると帰っていった。
 
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 帰りに幽介の家によった。真実を教えるためだ。
 幽介は、クロウを膝に乗せて本を読んでいた。
 「幽介、ミステリーゲームの真相、教えようか?」なんだかとってもいい気分だ。
 「いいよ、わかってるから」
 ……へ?さっき解けてなかったじゃない。
 「あれはお芝居だよ。いいかげん疲れたし……」
 幽介のいっていることが負け惜しみじゃないか、わたしは調べることにした。
 「じゃあ、謎解きお願い」
 「仕方ないな……」謎解きを始めた。
 「トリックについてはさっきの推理通りだと思うよ。でも、さらに付け加えて、博は、自分の意志で凶器の下に寝ていたんだ。起きて動いている人、ましてや背中に刃物が刺さるなんて事はまず無理だろうから」
 ダメだ、あたってる……
 「ではどうして博さんはそんなことをしたのか?簡単なことだよ。これは自殺だったんだ」
 「じゃあ、あのダイイングメッセージはなんだったって言うの?」わたしは、食い下がる。
 「自作自演だよ。だって冷静に考えて、背中を刺されたあとにカレンダーから取ったんなら、四月のカレンダーが汚れているはずはないもんね。
 それに博さんは、容疑者みんなと仲が悪かったんじゃないかな?だから全員に疑いがかかるようなダイイングメッセージを残したんだ」説明していい?って感じで幽介がわたしの目を見る。
 「まず、エリカさんは説明した通り。
 弥生さんの場合は、三月の別名『弥生』から推理してもらおうと思ったんだろうね。
 最後に町田さん。三月は英語で『マーチ』マーチから町田を連想するのはそんなに難しくないと思うよ。
 以上、なにか質問があったらいってね」
 膝の上のクロウがニャア、と鳴いた。
 
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 いかがでしたか?
 毎度おなじみのセリフですが、感想など書き込んでいただけたら幸いです。では、
 
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