Re: 雪上の足跡 **正解発表* ( No.41 ) |
- 日時: 2005/03/22 20:26
- 名前: Yossy
- [事件の真相]
私はこの保養所の管理人です。私の保養所でこんな事件が起きてしまったことを大変残念に思っているところです。 私も元は警察にいた人間ですから、皆さんのお話を元に事件の真相を推理してみました。
先ず死んだ温泉玉子さんの行動についての推理です。 玉子さんは露天風呂に誰かが先に入っているかどうかを気にしていらっしゃいました。 だから真っ先にそれを確認しようとしただろうと思いますが、幸いなことにその夜は雪が石段に積もっていたため、階段を下りなくても誰かが先に入っているかどうかは判断できたものと思います。 なぜなら、もし玉子さんが石段の上に立ったときに、先に下りの足跡がついていたならば、男性が先に入っていることがわかったからです。 (庭野さんは誘いを断ったし、鳥見さんは露天風呂に入らないことを知っていたのですから。)
したがって玉子さんが露天風呂に下りて行ったということは、雪の上にはまだ足跡はなかったということになります。 だから一組の足跡は玉子さんが最初につけたものであることは間違いないと思いました。
では、もう一組の足跡は誰がつけたのでしょうか?もちろんこの足跡は玉子さんが石段を下りた後につけられたものです。 ここで不思議なのは足跡の傍に杖や松葉杖の跡がなかったことです。 ですから、もし足跡をつけたのが米須さん、諸山さん、鳥見さん、庭野さんのうちの誰かであったとしても、杖や松葉杖を使わずに歩いて足跡を付けたことになります。 そこで私は、杖に代わるものとして石段に取り付けられている手すりがあることに気付きました。そして松葉杖を使わなければ歩けない庭野さんは別にしても、杖を使えば歩ける米須さんや諸山さん、鳥見さんならば手すりにつかまれば石段を下りることはできるであろうことも。 しかし、石段を下りたとしても本館に戻るときはどうればよいのでしょうか?足跡を残さずに石段を上ることができるでしょうか?考えられるのは手すりをよじ登ることですが、片手、片足が使えない状態ではたしてそんなことができるでしょうか? でも、誰かが現場に行ったことは間違いないのです。
ここで私は再び玉子さんの気持ちになって考えてみました。 玉子さんが露天風呂に行く前に「他の宿泊客は男性ばかりだから、露天風呂に誰かがいるようだったら戻ってくる」と言ったということは、玉子さんは露天風呂に男性が入っている可能性があるということを承知していたということになります。とすれば、その時間帯は男女の区別無く露天風呂を利用できる混浴OKの時間帯であったということになるのです。そうです、さほど重要なこととは思わず私も供述ではそこには触れませんでしたが、あの時間帯は混浴OKの時間帯だったのです。だから玉子さんが米須さんや諸山さんに「覗きに来たりしないでよ。」と言ったのは「いくら混浴OKの時間帯だからといって入ってきたりしないでよ。」という意味だったのです。 このように男性が入ってくるのを気にしていたときに、誰かが入ってきたら玉子さんはどうしたでしょうか? その日の宿泊客は鳥見さんや庭野さん以外は男性であること、庭野さんや鳥見さんはもう寝てしまったことを玉子さんは知っていました。 だから、誰かが石段の上に現れたらそれは男性であると思って、玉子さんは慌てて更衣室に駆け込もうとしたでしょう。
こう考えると、おぼろげに事件の様相が見えてきます。 そうです、石段の上に誰かが現れたのを見て、玉子さんは慌てて湯槽から飛び出し、足を滑らせて頭を打ったのです。 ここの温泉は肌がつるつるになるアルカリ性の温泉ですから、露天風呂のたたきはぬるぬるして滑りやすいのです。 私は以前からお客様には注意するように申し上げていたのですが・・・・・。
とすれば入ってきたのは米須さんか諸山さんだったと考えられます。ここでは仮にAとしておきましょう。 (露天風呂が好きでなく、先に玉子さんが露天風呂に行ったことを知らない鳥見さんが深夜一人で露天風呂に行くとは考えにくいのでここではAから除外しておきます。) おそらくAは酔った勢いもあり、いたずら心で露天風呂に行ったのでしょう。「混浴OKの時間だから特に悪いことをしているわけではないのだ。」と自分に言い聞かせながら。。。
米須さんや諸山さんには来ないように釘を刺しておいた玉子さんは、階段の上に現れたAを見て他のグループの男性が入ってきたと思ったのかもしれません。 なにしろ、諸山さんもおっしゃっていたように、石段の照明は薄暗く遠くからは顔まではっきり判別はできませんので。
玉子さんが慌てて湯槽を飛び出し、転倒して動かなくなったのを見て、Aはさぞかし驚いたことでしょう。 すぐに助けに行こうにも足が不自由ですぐに駆けつけることができません。そこでAは咄嗟にてすりを滑り降りたのです。 そして、このとき手すりに積もっていた雪が取り除かれたのでしょう。 Aは足を引きずりながら玉子さんの元に駆けつけましたが玉子さんはすでに息絶えていました。自分のためにこんな事故を起こしてしまったAは急に恐ろしくなって逃げ帰ろうとしたのだと思います。しかし杖は石段の上に置いてきてしまいました。しかたなく、手すりを杖代わりにして一歩一歩階段を上ったのです。
ここで、米須さんと諸山さんの利き手が問題となってきます。石段の手すりは本館に向かって右側についています。したがって、右手が使える諸山さんならば手すりにつかまって前向きに石段を上る事が出来ますが、右手が使えない米須さんは左手で手すりにつかまるしかないのですから必然的に後ろ向きで石段を上らざるを得ないことになります。 これでAは米須さんであることがわかります。
米須さんは手すりにつかまるときに、指紋が残らないようにタオルを利用したため残っていた手すりの雪や指紋も取り除かれてしまったのです。 石段には雪が積もっていたのに、手すりには雪がなく朝日にピカピカ光っていたのはこのためだったのです。 (なお、Aから除外した鳥見さんも諸山さんと同様に左手を使えないので、石段を後ろ向きに上ることはできませんからAではあり得ないことがおわかりかと思います。)
以上の推理により、私は足跡の主は米須さんだと確信しました。そして警察が真相を掴む前に自分から話をするよう私から説得いたしました。
玉子さんから露天風呂に来ないように釘を刺されていたのですから道義的には問題があったとしても、米須さんは堂々と露天風呂に行ったのです。 (最近の若い女性は露天風呂に入るときには水着を着用される方も多いので、当保養所でも以前ほど混浴が敬遠されることもなくなってきているのです。) しかし、事件は予期せぬ形で米須さんが石段を下りる前に起きてしまいました。そして、あの雪上の足跡は、転倒した玉子さんを助けようとした結果として付けられた足跡だったのです。私も管理人室を離れていた責任はあるのですが、直ぐに連絡して頂ければと残念でなりません。
あ、問題の下駄ですか?米須さんの手荷物の中にありましたよ。
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