pc ( No.76 ) |
- 日時: 2014/10/04 11:40
- 名前: かえるの妻
- 【真相編・序】
「おかげで助かったよ、ナツキ。休憩しよう。 レイ、待たせて悪かったね。ナツキに用があったんだね?」 ナツキと父が、部屋から出てきた。 「すぐお茶いれるね。 レイ、待たせちゃったおわびに、スケッチブック見ていいよ。」 「どれ、お父さんも一緒に見るかな。」 「えー。お父さんは見たことあるでしょ。」
キッチンのテーブル向かって腰を落ち着けた父は 手にしたスケッチブックを、丁寧にめくり始めた。 レイは隣に陣取って、どきどきしながら覗き込んだ。
最初のページは、何本か鉛筆で線が引いてあるだけ。 なにか描こうとしたけれど、躊躇って途中でやめてしまったようだ。 次のページは、積み木のような四角いブロックが描かれていた。 その次は、積み木で作ったお家の絵。 その次は、つるつるしたお茄子の絵。 どの絵も色は塗られていない。
「上手になってきたじゃないか。」 「本当、お父さん? 新しい消しゴムのおかげかなぁ?」 飲み物を用意しながら、ナツキが嬉しそうに答えた。
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