コメント ( No.17 ) |
- 日時: 2014/08/26 19:11
- 名前: 山と胃薬
- B作は混乱していた。
もう一度、カードを確認する。 片方は8だ、これは分かる。だが、 B作はもう片方に目を移し、そこにある数字をまじまじと見つめる。 「9」 おかしい、 問題の前提にはなかったカードだ。問題文を読み間違えたか? 焦りを悟られないように、A太の方を伺う。 A太は、そっけなくカードを眺めている。 そこでアナウンスが入り、A太に問いがなされた。 「分からない。」 A太はそう答え、ふとB作を見る。 B作と目が合うと、口を横に広げ、にんまりと、笑った。 こいつ!仕掛けたな! おそらくA太が何かしらの不正をしたに違いない!
まずは落ち着こう、時間は無い。冷静に考えよう。 8の裏は1だ、これは分かる。 だが9となると・・・裏はやはり0ということになる。 そこでアナウンスが入り、B作が答える番になった。 どうしようか・・・ B作は迷いながらも、A太を睨む。 A太は、まだ不敵に微笑んでいた。 クソッ!この問題に俺の全てがかかっているんだ! 9のカードが混じっていたのは予想外だが、これも規定通りなら・・・! 「2つとも分かります。」 B作は答えた。会場がどよめく。 A太も驚いたようだ、こちらを見返してくる。もう後戻りは出来ない! 「数字は1と・・・0だ!」 会場は一瞬にして静まり返った。 ただ一人、A太だけが笑っている。楽しそうに、手を叩きながら。 なぜ・・・だ。 だって9のカードだろ! B作は机のカードをひったくり、裏を見る。そこには、 逆さの「2」。
(あっ!解答になってなかった!)
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