pc ( No.8 ) |
- 日時: 2010/10/08 19:42
- 名前: Argentum
- 埋もれそうなので解答を公開しておきます。
実はこの問題にはある事実が隠されているのですが、 逆にこの事実を知っていると解きづらいかもしれません。 では、この問題が意図するところを以下に明かしていきましょう。
【解答】 (1) オイラーの公式から、 i = e i{(π/2)+2mπ}
と表せるので、 ii = e i{(π/2)+2mπ}*i = e -{(π/2)+2mπ}
となって不定値であるが、確かに実数である。
(2) オイラーの公式から、 e π = e-i(iπ) = (eiπ)-i = (-1)-i
とできる。(値が定まっているようにみえる。) eπ = (-1)-i = (i2)-i = i-2i
となるはずである。ところが、同じくオイラーの公式から、 i-2i = e i{(π/2)+2mπ}*(-2i) = e (π+4mπ)
となって不定値である。これは矛盾する。
(3) "何かしらの概念の導入がなければ値が定まらない"不定値 であるような状況をあげればよい。例えば、 00
は通常定義されないが、1として定義することでうまくいく場合もある。
○参照 http://ja.wikipedia.org/wiki/0%E3%81%AE0%E4%B9%97
【真相】 なぜ、おかしくなるか? という真相は、 “べき乗を複素数の領域に拡張したときに指数法則が成り立たなくなる” 事実にあるのです。この指数法則は実関数のときだけに成り立つのです。
今回あげた解答方法は複素関数を実関数と見なして計算したので、 答えがおかしくなったというわけなのです。 つまり問題はそれ自体が数学的に誤りを含むところに成り立つので、 このようになにかがおかしくなるのです。 見抜けたでしょうか? 
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