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■ nothing ( No.104 )
日時: 2010/07/22 17:57
名前: そうそう

解答・人魚編

人魚にまつわる、ある言い伝えがあります。
おそらく、日本限定の言い伝えですが、有名なものです。

その言い伝えと同じことを、少年は信じていました。

彼は、少女の何が欲しかったのか?

心? 歌? 体目当て?

…彼にとっては、母親が一番大事だったのです。

そして、結果は…。 無に帰してしまいます。何もかも。


日本には、「人魚の肉を食べると不老不死になれる」という言い伝えがあります。
今回の話では、その伝説を信じた少年が、病気の母親を治すために、人魚の肉を手に入れようと
して、少女に近づこうとしました。

頑なに近づくのを拒む少女に業を煮やした少年は、少女を浅瀬におびき寄せ、水中に隠した網で
捕まえて、短剣で殺そうと画策していました。

それなのに、少女は人間の姿で現れました。
…彼女の心も、体も、歌声だってどうでもいい。ただ彼は、人魚の「肉」が欲しかったのです。

水につかれば変身が解けるのでは?と思い、網をしかけた浅瀬に沈めれば、溶けてしまうという。
人間の姿でも、元は人魚だから霊薬としての効果があるかもしれない。彼女を殺そうと短剣を取り出し…
もみ合ううちに、自分の胸を刺してしまいました。

何もかも、文字通り水の泡。水泡に帰したのです…。

ギリシャ神話の美の女神、アフロディーテの「アフロ」は海の泡(バブル)から生まれたことを指しています。
海から生まれた生命。水泡に「帰す」という言い回しは母なる海へ帰ることを意味しているのかもしれません。

最後に、少年は彼女の溶けた水泡にキスをしました。彼も、根はやさしい少年だったのでしょう…。


今回の物語は、人魚姫と日本の人魚の不老不死伝説をベースにしています。

「人魚姫」は魔女に声を奪われ、王子と結婚できなければ泡となって消える運命。
声が出せない人魚姫は王子に事情を説明できず、王子は勘違いから別の娘と結婚してしまいます。
姫が生き残る方法は、短剣で王子を殺し、その血を浴びる事。
姫は王子を殺すことなど出来ず、泡となって消えて行きました。

何も知らず人魚の肉を食べてしまい、若い姿のまま生き続け、何人もの夫に先立たれ、最後は
日本各地を巡って貧しい子供たちを助け続けた「八百比丘尼」という女性の伝説が日本にあります。

高橋留美子「人魚シリーズ」では、人魚の肉を食べ不老不死になった人間の悲哀が描かれています。
この先生、当時は「うる星やつら」「らんま1/2」等のラブコメばかり描いてたはずですが、
こういう作品も描かれていたのですね…。犬夜叉はこういうダークな部分も含まれていますね。

今回は答えの「肉」を隠し、少年とのやりとりをスムーズにするためや、「歌声」を重要なワード
として残すため、あえて声そのものではなく「歌声」を奪うという形にしました。