nothing ( No.122 ) |
- 日時: 2010/07/08 18:24
- 名前: そうそう
- エピローグ:
少女が目覚めたのは、ベッドの上だった。 「あれ…?ここは天国…?きっと私、地獄に落ちると思ったのに」 「ここは天国じゃないよ。かと言って地獄でもない。病院だよ。君は丸2日寝てたんだ」
「病院…?私、いったい…うっ」 「無理しないで。火傷と、それから…しばらくは、禁断症状に気をつけないとね」
「禁断症状…やっぱり、あの箱に入ってたのは麻薬だったんですね」 「…知らずに手伝わされてたんだね、ひどい話だ。 大丈夫、常用してなければ、ずっと症状は軽い。すぐに良くなるよ」
「私、どうして生きてるんですか?誰が助けてくれたんですか?」 「…きみの保護者を名乗っていた二人だよ。幼い君を誘拐して、麻薬取引をさせた犯罪者だが… 雪で車が進まない中、歩いて君を探してたら、街での騒ぎを聞きつけ、今度は倉庫でボヤ騒ぎ。 もしやと思って飛び込んだら君がいた、ということらしい。今は二人とも拘留されてる」
「…あの人たち、どうなるんですか?」 「まぁ、 普通に裁かれるだろうね。 …君は彼らに親しみを覚えているようだが、それは錯覚だよ。ストックホルムで起きた事件では…」
そこから先は、聞かなかった。 麻薬に溺れ、私に暴力をふるい、私を捨てた両親なんかより、ずっと優しかった二人。
本当に…利用されただけだったのだろうか? 会って、確かめたい。 退院したら、面会に行こう。…だって、私にとっては、唯一の家族なのだから…。
「ストックホルム症候群」 被害者が(特に緊迫した状況下において)犯人と時間を共有することで、犯人に奇妙な 親近感を覚えるという現象です。偽りの関係から始まった中にも愛情は生まれるのか。 あるいは偽の愛情なのか。…それは、当の本人達にもわからないのかもしれません。
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