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■ pc ( No.168 )
日時: 2010/04/23 23:06
名前:

エピローグ

「 屋根よーりーたーかーいー鯉のーぼーりー♪
おおきーいー“まいご”ーはーおとうーさーんー♪
これって真鯉だけに真恋の歌だよね。」

夏奈は恋文から“こい”繋がりの連想なのか
鯉のぼりの歌を口ずさみながら持参していた推理小説を読んでいる。

・・おいおい。それより気になるのは“大きい真鯉”のところを
“大きい迷子”って間違えて歌ってたとこだろー!
心の中で夏奈に軽い突っ込みを入れつつ暗号の玄武を考え始めた。

「 ・・佳人は漢字、武蔵国は武州・・ぶしゅ〜・・ぶしゅ、で、部首だな。
よし、とりあえず“げんぶ”と“部首”をあわせて検索かけてみるか・・。」

完治はパソコン検索を駆使しながら暗号と向き合っている。

「 あ、出てきたぞ?う〜ん、广部と言部・・。
なになに?广部の通称は“まだれ”か。ああ!?そうかなるほど。なあ夏奈?閃いたぜ?」

突然名を呼ばれた夏奈は読んでいた本を閉じて完治に近寄ってくる。

「 もうわかったの?えーと、じゃあ。
玄武の名を持つ私のお母さんの名前は三人の内誰でしょう!?」

既に夏奈の母親の名前が“希”である事を知っている完治。
玄武と希の繋がりを探すだけなのだからいつもより解読時間も短く済んだのだ。

「 广部の通称はまだれ。それをアナグラムでまれだに変換・・後は漢字変換で!」

カチッ!

“まれだ”と打ち込んだ後、完治はキーボードの変換キーを二回叩と画面に“希だ”表示された。

もう一度確認してみる。
ちゃんと“希だ”は“まれだ”とも読み“のぞみだ”とも表す事ができた。


「 よし、夏奈のお母さんの名前はずばり、希だな?」

完治は夏奈の顔を見つめつつ結論を口にした。

「 あわあ♪すごいじゃん!正解だよっ。
母さんと玄武の繋がりもバッチリだね。完治ってば暗号解読力がどんどん上がってるよねぇ。」

「 そ、そうか?ちょっとは見直したりしてくれたか?」

「 うん。前よりもずっとずっと男の価値があがってるよ。」

「 ・・じゃ、じゃあ、ご褒美とかくれたりなんかして!?」

完治は色んな期待を込めてご褒美要求。
じっと完治の顔を見つめていた夏奈は、突然ニッコリと微笑んだ。

「 しょうがないなあ。いいよ。じゃあ完治はご褒美はなにがいいの?」

夏奈は屈託のない笑顔を浮かべながら完治に聞いてくる。

「 そ、そりゃあ・・キ、キ、キ・・」

「 ・・き?きってなに?」

「 だから、キ・・キスだよ、きす!き・す・・。」

「 ???
・・あ、わかった。えっと、ひょっとしてこれ?」


夏奈は手にしていた夏奈の母親が著者の本を差し出した。

その本のタイトルはずばり“既遂の証明”

「 き、きすいのしょうめい!?そ・・そうそう!それだよそれ。
タイトル度忘れしちゃってさ。
ずっと読んで見たかったんだよな。」

「 そっか、やっぱりね♪完治も推理小説に興味あったんだね。
だったら私の家にたくさんあるから今度いっぱい貸してあげる。」


またまた屈託のない純真な笑顔。

「 あ、ありがとな・・。」

今回も夏奈の勘違いなのか上手く避けられたのかはわからないが
とにかく例によってキスがおあずけになってしまった。

だけど今回はインチキして勝ち取ったみたいなものだからな。

・・次こそは正々堂々とキスだけでなく夏奈のすべてをいただくぜ!

心の中でガッツポーズを決める完治であった。

そして次回は二人は大人の道を踏み出す・・かも。