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■ pc ( No.137 )
日時: 2010/03/07 15:41
名前:

エピローグ

暗号とキーボードと格闘する事丸一日
なんとか意味の通る言葉が完成した。

「 水曜日に気球に乗りに行って金閣寺を見る。
お土産はおかき・・と思わせといて実はこいのぼりだな。
絵本はジャックと豆の木に間違いない! 」

完治はぶつぶつ呟きながらその答えを携帯メールで夏奈に送信。

待つこと五分。

期待通りに完治の携帯が鳴る。
もちろん画面に表示された名は平 夏奈からだった。

「 もしも〜し♪完治?ねぇねぇ凄いじゃん!
全問正解だよ。お土産も“おかき”にひっかからなかったなんて、
暗号解読の腕もかなり上がったねぇ♪」

「 そりゃ〜夏奈との初めてのエッ・・あ、いや、
初めての二人っきりの旅行の為なら俺の頭もフル回転するんだよ。
行こうぜ、京都。」

「 本当♪嬉しいな。私ね、京都は何度か行ってるけどいつも彼氏が出来たら
一緒に来たいなって思ってたんだ。」

「 へぇ・・。その相手が俺だなんて光栄の極みにございます。姫!
あ、そうそう。京都なら一泊・・するよな?」

完治は早まる動機を押さえつつ夏奈に確認する。

「 うん・・。」

夏奈は小声で囁いた。

ま、まじかよ!?
ガードの固いあの夏奈がとうとう俺に身を委ねてくれる決心がついたのか!?

「 じゃあ部屋はどうする・・?」

完治はゴクリと喉を鳴らしながら聞いてみた。

「 あ、うん。別々に取るって言ってたよ。」

「 ・・・へ?別々?ん?それより言ってたって誰が?」

「 もちろん父さんよ。今回の京都旅行の準備は全部父さんがしてくれてるの。
て言うより、父さんのマネージャーさんがしてくれてるんだけどね。
父さん、この冬から大河ドラマの撮影に入ったみたいなの。
たまたま来週の水曜に撮影場所が京都だから完治も誘って
一緒に行こうかって行ってくれたの。」

「 は・・ははははは・・。なんだ、おじさんも一緒か。」

なんだこのお約束なオチは。
完治はがっくり肩を落とした。

そういえば、来年の大河ドラマの主演が決まったって
どこかのテレビ番組で言っていたのを聞いた気がするな。

「 じゃあ、父さんに完治もOKだったよって言っとくね。
楽しみだなあ〜金閣寺とか京都タワー♪」

「 ああ、楽しみだな。本当に色んな意味で・・。」

「 ・・・え?なになに?聞こえなかったよ?」

「 いや、なんでもないなんでもない。水曜日晴れるといいな。」

そして、この物語の舞台は京都へと移るのであった。

・・つづく