pc ( No.34 ) |
- 日時: 2010/02/16 12:31
- 名前: ゲーデル
- >この無駄に長い(私のせいです)問題を、ここまで見てくれていた皆様
>特にレスしてくれた皆様へ
私が大きく勘違いしていた場所がありました。大変申し訳ありません。 ただ、それにしても結果的には、よくある質問は古典論理で表す限り、 間違ってる事になります。
ボムボムさんやその他多くの皆様のご指摘通り、 確かに、>>9では、 >命題P:「門Bが天国の門か」と聞かれる >命題Q:「はい」と答える >とした時、私は、「P→Q」が真か偽か、と質問されたと判断しました。 としています。この時は、問題点をわかりやすく、簡単のためにするため 誤解の恐れがあると思いながらも、このようにしていました。 ですが、本質は捉えている、と(書いている時は)考えていました。 つまり、>>29に対するレスをするまで、古典論理の範囲で表すと、 大枠でP→Qである、という>>9の考え方が本質をついている、と考えていました。
しかし、この問題を考えるうちに、私の頭も少しスッキリしてきて、 どうやら↑の解釈の仕方が本質的に間違っているかもしれない、と思い至りました。 以下、説明です。(結構ややこしいことになってます。)
------------------------------------------------------- わたしが質問C「質問Aにたいして、Bと答えるか?」 という質問を、門番にすることを改めて考えます。 この質問Cに対して、古典論理の範囲で門番が頭に描いたと思われる論理式を、 もう少しキチンと表現しようと思います。 (結構端折ってはいますが・・・) 以下は"あくまでも"古典論理"の範疇で、質問Cを定式化してみよう!という話です。
・Aの質問とは、ある命題(つまり、自由変数を含まない論理式(以下、論理式))の 真・偽を尋ねることです。(あくまでも「はい」「いいえ」と答える質問です。) 言いかえれば、回答者がある前提からのみで、論理的に論理式A'を証明できる時、 「はい」と答えることを期待します。 ・Aの質問は、論理式A'に自明な一対一の対応をします。 区別するため、論理式は常に「'」をつける事にします。 逆に、論理式A'から、Aの質問を作る時は、「'」をはずすことにします。 ・回答者が前提(常に真)のみから論理的に論理式X'を証明できる時、P(X')とします。 つまり、P(X')とは「X'が真である」ことを意味します。 ・「正直に」答える、という定義は、P(X')の時「はい」と答え、 P(¬X')の時「いいえ」と答えることです。 ・質問者と回答者が存在するときに限り、質問者が質問でき、回答者が回答できます。 回答者がAという質問に回答した答え(「はい」or「いいえ」)を、F(A)とします。 ・回答者が正直者であれば、F(A)=「はい」とは、P(A')と同値です。また、 F(A)=「いいえ」とは、P(¬A')と同値です。 ・関係E(x,y,X)を、「質問者xが、回答者yに質問Xを質問する」という関係と定義します。 つまり、質問者xが回答者yにXを質問したなら「真」、質問しなければ「偽」です。 関係E(x,門番,X)を、E(x,X)とします。 ・門番に対して質問者になりえる人間の集合を【質問可能者】とします。
つまり、 「(∃x)(x∈【質問可能者】∧ E(x,A) ∧ F(A)=「はい」)」・・・・@ というのが、 「質問Aに対して、門番が「はい」と答えるか?」、つまり、 「質問者xの質問Aに対して、回答者である門番は「はい」と答えるか?」 に対応する論理式(っぽいもの)です。 (最終訂正に近いかも。とか言いながら少し訂正 ) →を∧に変更。(良かったのかな・・・?) Eは、質問者x,論理式X(ここではA)に依存します。 Fは、論理式X(ここではA)に依存します。
別に(∀x)としてもいいですが、 その場合、誰に対しても「はい」と答えますか? という質問になるのですが、門番は真偽の決まっている質問に対しては誰に対しても 「はい」か「いいえ」のどちらか一方のみを答えることが前提ですので、 (∃x)と変わりません。(∃x)の方が門番にとっては示しやすいでしょう。
------------------------------------------------------- 問題は、∃x のスコープ(範囲)が、最後までかかっているということです。
となると・・・質問できる人がいない場合、 正直者は常に「いいえ」と答えないといけませんね(汗 問題文だと、「はい」と答えてますので、死刑です 逆に、嘘つきだと常に「はい」と答えることになります。
【質問可能者】に問題文の「あなた」は入りますので、 【質問可能者】は空集合ではありません。 (なぜなら、前提により、1回という制限はありますが、門番に質問可能な人間だから) ただし、その回数制限のせいで、E(A)は偽とならざるを得ない、という 感じでしょうか。だから、質問文Cに対応する論理式C'は「偽」となり、 門番は「いいえ」と答えなければ死刑です。
P→Qとは本質的に違うところを論じていることになります(汗 本質は、 「〜と質問する人が存在するならば、・・・である」←わたしがずっと勘違いしてた ではなく、 「〜と質問し・・・と答える、質問をする人が存在する」←どうやらこっちが正しい ということです。(わかりにくいかも)
良くある質問を大まかにですが、キチンと定式化したことで、自分の中では 結構スッキリしました。
追記: 結局、「「右の道は天国ですか?」と聞いたら、「はい」と答えますか?」で うまくいくとする、肝の部分は、 F(F(X))=「はい」が、P(X')と同じことだ ということに尽きます。 ただ、1回しか質問できない、という条件を見て、関数Fを2回使っていることに 疑問を抱く人は、少なからずいると思います。(実際、この質問に対してなんとなく 納得のいっていない人は、いるはずです。)
その納得のいかない人を説得するには、質問文に対応する論理式を作ってみることが 一番楽なのですが、それが結構うまくいかないんですよね。 良くある解説では、F(F(X))=「はい」がP(X')と同じことを説明していますが、 Fを2回使っていることに対して納得いっていない人にとっては、効果なしです。
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