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■ nothing ( No.132 )
日時: 2010/02/03 12:53
名前:

〜 回答編 〜

夏奈から出された暗号“琥珀の手鏡”
完治は琥珀と同級生達の名前との繋がりをあれこれと考えている。

「 琥珀・・こはく・・・589・・ん?」

ブツブツと琥珀の文字を繰り返すうち、数字の語呂合わせに行き着く。
その時、なんとなく答えに光が差し込んだ予感がした。

「 なあ夏奈?ひょっとして“589”の数字は何か答えに関係するんじゃないか?」

「 あ、凄い♪うんうん。凄く関係あるよ。後は鏡を使えば・・ね?」

夏奈はニッコリと微笑んだ。

「 そうか。じゃあ“589”の数字の上に鏡をあてれば上下がひっくり返って“2Ba”になるよな。
“2Ba”はふたば・・双葉楓へのプレゼント?」

「 ええ?そ、そっか・・。確かにそういう取り方も出来るよね。
私も気がつかなかったよ、さすがは私の彼氏♪
でもね、私が用意した答えはもっとはっきり誰かの名前が
フルネームで導けるんだよ。そのまま漢字が浮かんできちゃうんだ♪」

「 “589”が漢字に・・?あ、そうか。」

完治は589から導いた漢字に気づいて思わず笑ってしまった。

「 なるほど“589”の数字のひとつひとつに鏡をあてるんだな?
しかも数字の一番左へ
・・そうすれば左右対称589の裏返しで“古田円”になるって訳か。」

「 あったりー!・・しかもだよ?
この手鏡の形もまるくて円にぴったりでしょ?
琥珀色がアンティークっぽくて古田の古いのイメージにあってるわ。
それに・・・」

夏奈が続けようとした言葉を完治がさえぎる。

「 それになにより値段が589円。
“589”に“円”だからだな。」

「 ピンポーン♪その通り〜まさに円の為の贈り物だよね。
・・じゃあ私、支払いしてくるね。
その後約束通り琥珀色の飲み物を奢らせていただきます。」

「 ・・ああ、了解。」

そう返事はしたものの、賭けに勝ったとはいえ女の子に奢って貰う気は無い
男らしい考えを持つ完治であった。
レジに向かう夏奈の後ろ姿を見つめ近くのベンチに座る。
そして、いつだっただろう・・どこかで聞いた事のある歌を口ずさむ。

「 ・・琥珀色した〜の〜みものを教えてあげました〜
・・や〜がて〜心〜うき〜うき〜とっても〜不思議〜このムード
・・たちまち男は平〜夏奈に恋をした〜〜・・。」

可笑しな替え歌を口ずさみながら
直接キスはまだ無理でも間接キスならいけるはず!
と、男らしさはどこへやら。
夏奈との間接キスをささやかにねらう完治であった。