問題文を読む(455 文字)
◎解答・解説 | 【■テクニック 予め知っておきたいテクニックについて、先ずは説明します。 《3個の重さの大小関係の序列が決まっている場合には、別の1個をこの序列に組み込むにあたり、天秤を2回使えば大丈夫。》 序列の決まっている3個のメダルをA、B、Cとします。 序列に組み込まれていない1個のメダルをDとします。 DがABCの序列に組み込まれる位置の可能性は以下の@からCまでの4通りあります。 軽⇔重の順として @AABBCC この4通りのどれになるかを効率的に調べるには、可能性を「@またはA」なのか、あるいは「BまたはC」なのかの2つに分けて、どちらなのかを調べると良いです。 具体的には DがBに比べて軽いのか(すなわち@またはA)、はたまたDがBに比べて重いのか(すなわちBまたはC)を調べることとなります。 すなわち、天秤を1回使用して、DとBとの軽重を調べます。 1回目の天秤使用で、Dが位置すべき可能性は2通りに絞られました。 @AA の2通り、もしくは BCC の2通りです。 天秤をあと1回使えば、2通りのうち、どちらになるかは決定できることでしょう。 ここまでをまとめます。 《3個の重さの大小関係の序列が決まっている場合には、別の1個をこの序列に組み込むにあたり、天秤を2回使えば大丈夫。》 であることがわかりました。 ここまでで、予め知っておきたいテクニックについての説明を終わります。 ―― ■アンチパターン 本パズルを解く上で、ご参考までに、避けるべきアンチパターンを。 このパターンが出てくると天秤使用の手数が余分にかかりがちです。すなわち。 《4個の重さの大小関係の序列が決まっている場合には、この序列との関係が一切ないような別の1個を、この序列に組み込むにあたっては、天秤の2回使用だけでは手数が足らない》 序列の決まっている4個のメダルをA、B、C、Dとします。 序列に組み込まれていない1個のメダルをEとします。 EがABCDの序列に組み込まれる位置の可能性は以下の@からDまでの5通りあります。 軽⇔重の順として @AABBCCDD この5通りのどれになるかをいくら効率的に調べても、天秤使用回数が2回では済まないことがおわかりだろうと思います。 アンチパターンについての解説は以上です。 ―― ■想定解 (別解があろうとは存じますが) ここまでで準備が出来ましたので、いよいよ本パズルの解法について説明することとなります。 木・火・土・金・水のうち、4個についてまず処理をしはじめて、途中から残る1個も処理に参加させることにします。 ※そのためには先述のアンチパターンを避けつつ、冒頭に記したテクニックを2回使うことが肝要です。 ここで各メダルの名はいったん忘れます。 5個中4個を選び、軽いもの選手権のトーナメントで優勝者を決めます。天秤で勝負をつけるのですが試合数は3です。 優勝者をAとします。 決勝で負けた者をBとします。 1回戦でBに負けた者をCとします。 1回戦でAに負けた者をDとします。 3回天秤を使ったこの時点で次の2系列の序列が判明しています。 主系列 ・A―B―C 副系列 ・A―D ※失礼ながらもここでまったくの余談を。 Aの金メダルに異論はないとしても、果たしてBが銀メダルとしても良いのでしょうか。よく考えると1回戦でAに負けたDの実力のほうが準優勝のBに勝る可能性がありますし、誰もチェックしようとしないのが不思議です。言うならば、1回戦のAとDとの対戦が、事実上の決勝戦であったかもしれないのです。トーナメントの組み合わせ抽選のおかげで、運悪く1回戦負けをしたけれども、実は実力的には2位の力がある、そうした可能性もあるのです。勿論、他の可能性もあります。Dが、BやCと対戦したらどうなるのかについては、トーナメントのここまでの3試合からだけでは、なにもわかりません。余談終わり。 もう一度主系列と副系列を記します。 主系列 ・A―B―C 副系列 ・A―D ここでは副系列については保留して、主系列の長さを伸ばすことを考えます。 残された最後のひとつのメダルをEとします。Eを主系列に参加させることを試みます。 Eが主系列に参加するとして、序列の上では、以下の@からCまでの4通りの可能性があります。 @AABBCC 冒頭に説明したテクニックを使えば、天秤を2回使うことで、Eの序列内の位置が決定できます。 (トーナメントで3回、Eの位置決めで2回、計5回の天秤をここまでで使いました。) 得られた系列は以下の二通りのうち、どちらかになります。 ケース1 主系列 ・E―A―B―C 副系列 ・A―D ケース2 主系列 ・A―x―y―z 副系列 ・A―D ※x―y―zは、Eが組み込まれる位置により変動します。 E―B―C もしくは B―E―C もしくは B―C―E のどれかです。どれであっても、以後の展開に差し障りがありませんので、適宜に名前を変えてx―y―zとしておきます。 ここまでのまとめ。 天秤を2回使って、長さ4の主系列と、長さ2の副系列をつくりました。 あとの目標は、副系列のDを主系列の序列のなかに組み込むことです。 以後は処理がケース1、ケース2で二通りに分岐します。 ケース1 主系列 ・E―A―B―C 副系列 ・A―D Dが主系列上でどこにありうるかについて、その可能性は以下の@からBまでの3通りです。 EA@BACB 天秤をあと2回使えば、Dの位置がわかります。 ケース2 主系列 ・A―x―y―z 副系列 ・A―D Dが主系列上でどこにありうるかについて、その可能性は以下の@からCまでの4通りです。 A@xAyBzC 冒頭に説明したテクニックを使えば、あと2回の天秤の使用で、序列内のDの位置がわかります。 これにて、ケース1でもケース2でも、5つのメダルの重さについて、軽→重の順に並べることができました。 トータルの天秤の使用回数は7回となります。 内訳は 4個のトーナメントで優勝を決めるまでに3回。 トーナメントに参加しなかった残り1個を主系列に組み込むために、冒頭に解説したテクニックを使う、2回。 トーナメントで優勝した者に1回戦で負けた者を、主系列に組み込むために、冒頭に解説したテクニックを使う、2回。 となります。 ――― 説明がくどくて長いのは持病です、お許しください。 ――― 大事なことをこれから書きます。 上の説明では、木火土金水の各メダルのなかに、重さが互いに等しいものがある可能性を無視しています。 しかしながら同じ重さのものがあったとしても、上にあげた処理は全く同様に機能します。 そのことを簡単に説明しましょう。 天秤で同じ重さのものが見つかったときには、紙にメモを残します。その後、木火土金水の順に従って、形式的に軽重をあえて付与して判定してしまえばよいのです。釣り合っていても一定のルールのもとで釣り合わないフリをするのです。えこひいきですね、こうして5個の序列が決まったならば、あらためてメモをみて、たとえば「あー、そういえば水と金とは同じ重さだったなあ」と思い出せばよいのです。 ―― なお、私が出題した「拾伍乃吉備団子」のパズルの想定解では、この木火土金水の解法が活躍します。】 |
スローガン:囁き欄なし(クイズの真髄!熱き合戦をもう一度)
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