クイズ大陸



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? 2006/02/01 06:09
その男は失恋していた!
大好きだった彼女に愛想つかされたのだ・・
すべてが好きだった・・そうあのスープも・・・
彼女の作るスープは格別だった。
味は勿論、匂い、野菜の大きさ、野菜の切り口まで
すべて把握していた・・
男『もうあのスープを口にすることはないのか・・』
男『そういえば少しお腹がすいたなぁ・・』
ふと前を見るとレストランが・・
男『入ってみるか』
男はスープを頼もうとウェイターを呼び止めた。
するとなんとそいつは、前の会社の同期でもあり上司でもある男2だった。
聞けば今は会社は辞めたらしく、料理の上手な彼女を手に入れ、店も順調のようだ。
どうやらシェフはこいつの彼女らしい。
彼女は男2にベタ惚れらしく男2の言うことは何でも聞くらしい。
俺と全く反対の人間だ!
そいつは仕事も出来き、あんな立派な会社も辞め
彼女までも手に入れ幸せの真っ只中だ!
俺はと言うと、会社はクビになるは、彼女にもふられるはで・・・
同じ会社だったころ、同期のこいつに散々こき使かわれて、何度殺そうと思ったことか・・!
まあいい今日は客だ!俺の方が偉いんだ・・
俺に敬語を使っているこいつを見て気分がよくなってきたぞ!!
男『このスープを頼む!』
男2『かしこまりました』
男『はは最高だ!こいつが俺に頭を下げている・・』
ところが・・
出てきたスープを見て愕然とした。
なんと彼女のものと、うりふたつ・・いやそのものではないか・・!
いや偶然だ!・・あるわけない・・
男はシェフを呼んだ!
そこに来たのは、間違いなく彼女だった!!
なんということだ・・仕事ばかりでなく彼女まで取られ
しかもこんなに嫌いな奴に・・
さらに彼女も元彼女なのに、何もなかった様な態度・・そして敬語
俺も意地で
『こ・・これは本当にこの料理なのか』と聞いた。
そしてシェフ(彼女)は『間違いなくこの料理です』とそっけない態度と敬語で答えた。
俺はいたたまれなくなり、その場から逃げ出した!
皮肉なもんだ!さっきまで快感だった敬語が
今では不快になっているとは・・
もう生きる気力もない・・いっそうのこと死んでしまいたい
・・と、その時、道路からダンプカーが・・
男は一瞬、迷いはあったものの、そのダンプカーに
吸い込まれる様に体を預けた・・・・
男は数メートル飛ばされ、体が地面に強くにたたきつけられた!
男『気持ちい!!なぜ?そうか死ぬ瞬間は気持ちいっていうからな・・俺は死ぬんだ』
彼女との思い出が、走馬燈のようによみがえる。
薄れゆく意識の中、シェフ(彼女)が走って来る姿が見えた。
男『楽しかったよ、君と過ごした時間、今でも君が好きだ!』
男は声にはならず、心の中で叫んでいた!
男『ありがとう!最後に君の声がききたい・・な・・・』
薄れゆく意識の中、男は彼女の声を聞いた・・
『お客さんお勘定!!』・・と
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