「被害者が書いたと思われる部分を式にしてみると、
『お+け=うん、うまれか÷のか=かけ、
おお×は×ん×に×ん=』
となる。この中にはひらがながちょうど10種類ある。
これらの式を満たすように各ひらがなが表す数字を求め、
[おお×は×ん×に×ん]の計算結果を再度ひらがなに変換してやると、
犯人の名前が現れる」
「本当ですか!
」
「同じ趣向の問題が先月号の『ニタリ』に載っていたよ。『魔法の覆面算』だったかな。
過去の問題に数式をひらがなで表したものもあった。
被害者にしてみれば、ごく自然な発想だったろう」
「やけに詳しいですね、警部」
「ああ。私はパズルを解くのが趣味でね。『ニタリ』は毎月買っている。
特に被害者の問題は私好みのものばかりだったな」
「そうだったんですか」
「ま、そんなことはさておき。話しを戻そうか。
被害者は途中で力尽きたと思わせ、メッセージが残されることを期待した。
その文章を見た犯人が、続きを書いてやろうと思ったとしても不思議ではない。
もちろん、自分以外の名前を書いて罪をなすりつけるためだ。
しかしこの行動すら、被害者は予想していたらしい」
「そうなんですか!?」
「そう。それがあの鑑定結果の示す事実だ。
この文章は二種類のインクで書かれている。
『ノト・ナルミ』の部分は被害者が握り締めていたボールペン、
それ以外の部分は机の上に載っていたボールペンのインクと一致した」
「それだと被害者が『ノト・ナルミ』と書いたことになるのでは?」
「いや、逆だな。仮に被害者が『ノト・ナルミ』と書いたとしよう。
すると犯人はノト・ナルミだったことになる。
犯人は自分の名前を残したまま、文章を書き足した?あり得ないね。
被害者は机の上に載っていたボールペンで最初の文章を書いた後、
ボールペンを持ち替えたのだ。
犯人が何か書き足そうとした場合、被害者が持っているボールペンを使うだろう。
インクの成分の違いが検出できれば、書き足された部分が判別できるのではないか。
こう考えたのだろう。そして、彼の努力は無駄にはならなかった」
「ひょえ〜よくそんなことを考えましたね〜(・o・‖)」
「後は覆面算を解いて犯人の名前を特定すればよい。ま、実際には解くまでもないんだが」
「どういうことですか」
「犯人の名前はこの10種類のひらがなで構成されている必要があるということさ。
そのような人物は一人しかいない」
「・・・あっ!確かに。こいつが犯人なんですね」
「まあ、犯人の名前以外が隠されている可能性もないとはいえない。確認してみよう」
「はい!
」
解決篇 2009/02/02 12:36
『お+け=うん、うまれか÷のか=かけ、
おお×は×ん×に×ん=』
となる。この中にはひらがながちょうど10種類ある。
これらの式を満たすように各ひらがなが表す数字を求め、
[おお×は×ん×に×ん]の計算結果を再度ひらがなに変換してやると、
犯人の名前が現れる」
「本当ですか! 」
「同じ趣向の問題が先月号の『ニタリ』に載っていたよ。『魔法の覆面算』だったかな。
過去の問題に数式をひらがなで表したものもあった。
被害者にしてみれば、ごく自然な発想だったろう」
「やけに詳しいですね、警部」
「ああ。私はパズルを解くのが趣味でね。『ニタリ』は毎月買っている。
特に被害者の問題は私好みのものばかりだったな」
「そうだったんですか」
「ま、そんなことはさておき。話しを戻そうか。
被害者は途中で力尽きたと思わせ、メッセージが残されることを期待した。
その文章を見た犯人が、続きを書いてやろうと思ったとしても不思議ではない。
もちろん、自分以外の名前を書いて罪をなすりつけるためだ。
しかしこの行動すら、被害者は予想していたらしい」
「そうなんですか!?」
「そう。それがあの鑑定結果の示す事実だ。
この文章は二種類のインクで書かれている。
『ノト・ナルミ』の部分は被害者が握り締めていたボールペン、
それ以外の部分は机の上に載っていたボールペンのインクと一致した」
「それだと被害者が『ノト・ナルミ』と書いたことになるのでは?」
「いや、逆だな。仮に被害者が『ノト・ナルミ』と書いたとしよう。
すると犯人はノト・ナルミだったことになる。
犯人は自分の名前を残したまま、文章を書き足した?あり得ないね。
被害者は机の上に載っていたボールペンで最初の文章を書いた後、
ボールペンを持ち替えたのだ。
犯人が何か書き足そうとした場合、被害者が持っているボールペンを使うだろう。
インクの成分の違いが検出できれば、書き足された部分が判別できるのではないか。
こう考えたのだろう。そして、彼の努力は無駄にはならなかった」
「ひょえ〜よくそんなことを考えましたね〜(・o・‖)」
「後は覆面算を解いて犯人の名前を特定すればよい。ま、実際には解くまでもないんだが」
「どういうことですか」
「犯人の名前はこの10種類のひらがなで構成されている必要があるということさ。
そのような人物は一人しかいない」
「・・・あっ!確かに。こいつが犯人なんですね」
「まあ、犯人の名前以外が隠されている可能性もないとはいえない。確認してみよう」
「はい! 」