ｸｲｽﾞ大陸

「関根がもどったら合宿所の食堂に来させてくれ。」
先輩から言われて、ポイントから戻る関根を待つ。
くそう。この俺が関根の使いっぱかよ。
来た。関根のボートだ。
関根がボートを桟橋につけておりてくる。
重そうにクーラーボックスをかかえてやがる。
今日もこいつたった２時間で釣りまくりやがった。
気が弱くあがり症で、あわててはドジばかり、
それなのになぜか運だけはいい。
いつもダントツの釣果に、先輩達もべた誉めだ。
まだだ、タイミングが大事・・・・・・今だ。
関根が桟橋の杭にボートのロープを結ぼうとする瞬間に怒鳴る。
「関根。先輩が呼んでる。食堂だ。走れ。」
関根は俺の大声にビクっとして、手が止まる。
どうにかロープでくるくると輪を作り
それを杭にひっかけただけで走っていく。
「わかった。宮崎君ありがとう。」
ひっかかりやがった。おめでたいやつ。
どうせすぐ戻ってくるつもりなんだろうけど、
桟橋に結ばれていないボートはたちまち流される。
俺が親切な男だったらボートのロープを
杭に結んでおいてやるのだが。残念だったな。
俺は何も見なかった事にして桟橋から立ち去る。
ロープを結び忘れたやつが全部悪い。
ボートを流して先輩たちに怒られるんだな。
うちの釣りサークルで目だっていいのは俺だけだ。


問題　しかし関根君は先輩たちに怒られませんでした
　　　　なぜでしょう