ｸｲｽﾞ大陸

2008年12月15日（月）P.M18：00

俺が心から愛する美奈の20回目の誕生日。
その記念すべき日に俺は美奈が一度は行ってみたいと言っていた高級ﾌﾗﾝｽ料理店を予約していた。

俺は元々ロマンチックとは無縁な男で、実はこんな洒落た大人な雰囲気の店は初めての経験だった。
・・だが、今日は美奈にとって大切な日。
今日だけは男らしく、そして無事に美奈へのプロポーズを成功させるつもりでいる。

「ねえ、トシ、大丈夫？こんな高いお店予約して・・」
「う〜〜ん・・まあな。でも今日くらい頑張らないでいつ頑張るんだよ？」
「そっか。トシ、ありがと・・あ、目にゴミが・・えへへっ」
そうつぶやいた美奈の目にうっすら涙が浮かんでいた。
嬉し涙？悲し涙だったりして・・。

今日の美奈はいつもよりも大人びたドレッシーなワンピース。いつもより力の入ったメークにアクセサリー。少し不慣れなピンクのハイヒール。
そしてつやつやなピンクのルージュに一瞬ドキリとさせられる・・。

ちなみにいつもはラフな格好ばかりの俺も今日だけは、ダークスーツにネクタイと自分ではばっちり決めたつもりでいる。
でも童顔過ぎる俺は美奈と一緒に歩くとたまに仲の良い姉弟に間違われる事があるくらいだ。
そんな俺がスーツが似合うとは自分でも思っていなかった。

「スーツのトシもすっごくかっこいいよ。惚れなおしちゃう・・あ、そうそう。来週トシも誕生日だし・・プレゼントはスーツじゃない普通のカジュアルな服にしよっかな〜〜〜？？」
「なんだそれ。さり気なく似合わないって言ってるのか？・・でもたしかに美奈が綺麗過ぎて俺とは釣り合わないかもな」
「冗談よ。冗談！！うふふ・・本当に良く似合ってる。アイドルになれるかも！？」
「相変わらず大げさなヤツだな・・」
俺は美奈をさり気なく店の入り口へとエスコートしていく。

「あ・・ねえ、トシ！ちょっと待って！！」
美奈が突然レストランの入り口の前で俺の腕をひっぱった。
「どうした？」
「・・このレストランに入るの、今日はやめとかない？」
「なんでだよ？今日は美奈の誕生日だぞ？今日だからここだろ。」
「う〜〜ん・・でも今日じゃない方がいい。いったん出直してから・・来週のｸﾘｽﾏｽｲﾌﾞの日にもう一度予約して欲しいな・・駄目？」
「・・いいよ。美奈がそうしたいなら。俺も美奈ならそこにこだわるかもしれないなとは思ったんだけどな。」
「・・ごめんね。じゃあ今日はカラオケにしよ？」
「おし。じゃあ今日も懐かしのアニメソングメドレーでせめてもいいか！？」

「うん。トシがしたいならもちろんオッケー☆いいとも〜〜〜！！！」

２人は仲良く手を繋ぎカラオケに向かう。
色気のない誕生日になりそうだ・・。まあ。この方が俺たちらしくていいかもな。

問題
予約したレストランで美奈が入店直前に「今日はやめとかない？」と言った理由はなんでしょうか？

今回も別解多数とは思いますが、こちらが用意した答えとの一致で正解となります。