ｸｲｽﾞ大陸

数年前、京都市内某所に刀鍛冶の師匠と弟子がいた。

師匠はとても頑固な上、口よりも先に手が出るという短気な性格なため、
周囲の評判は良くなかったが、その腕は確かなものだった。

弟子は、そんな優れた技術を持った師匠を尊敬していて、
やっかいな性格についても『師匠は江戸っ子』。
と、いい様に解釈していたため二人はとてもうまくやっていた。

ところがある日、師匠がＢ系ファッションで現れた。
弟子は師匠の和服姿しか見たことがなかったため、とても困惑した。

一体、どうしてしまわれたのか…

とまどう弟子を見て、師匠が何か思ったかどうかは知らないが、
おもむろに、一言。

「どう？弟子。ＹＯ！」

どうもファッションについて聞いたのと同時に、
ヒップホップにハマった事を伝えたかったらしい。
その時、弟子がどう思ったのかは今となっては分からない。

次の日。
鍛冶場に弟子の姿はなかった。