太傅の事件簿「不可能犯罪」 ≫No. 1
たいふ
2008/11/03 14:23
既出だったらごめんなさいシリーズ第…何弾でしたっけ?
11月2日 19:30 ○○市 とある一軒家
玄関から飛び出す一人の女。何かから逃げるように走り出す…人目を避けるように…
何処をどう走ったのかも記憶にないが自室に帰ることが出来た…
自分の部屋に戻ったことで緊張の糸が切れたのだろうか、全身が急に震えだす…己の
犯した恐ろしい行動が思い出される。
「ああっ…どうしよう…私…殺してしまった…宇太郎さん」
血まみれのナイフを見つめながら、そう呟いた。
11月2日 19:30 △△市 とあるマンションの一室
ナイフを右手に握りしめた女は、血の海に沈んでいる一人の男を見下ろし微笑んでいる。
「さようなら…宇太郎君…」
それから数日後、2人の女がそれぞれ別の警察署に自首してきた。
「阿蘇 宇太郎をナイフで刺し殺しました」
と…
「つまり…どういうことですか?」
私は、若刑事に聞き返す…どうやら今日は非番らしい。彼は、先輩から聞かされたという事件について語ってくれたのだが…
「同じ日付に、同じ人物が、異なる人物に、異なる場所で…殺害されたのですよ?あり得ない話でしょう!!」
興奮気味だ…
「…判断できませんね…まだ、情報が不足していますよ」
幾分落着きを取り戻した若刑事は先を続けた。
・被害者は、阿蘇 宇太郎(あそうたろう)
・死亡推定時刻は2日の午後7時30分〜8時の間。
・自主してきた容疑者は、多仲間貴子(たなかまきこ)と戸板香子(どいたかこ)
・この2人に面識はなく、共謀の可能性は無い。
・殺害された阿蘇が同姓同名の別人だということはない。
ただ、問題があって、多仲間が殺害したと証言した場所には死体がなく、戸板の証言した場所にのみ
阿蘇の死体が存在していた。
凶器のナイフについては、多仲間は被害者の血痕のついたナイフを有していたが、戸板は海に処分
したとのこと…発見は難しいだろう。
可能性としては、多仲間が刺した時にはまだ阿蘇氏は生きていた。そして、戸板に助けを求めに行き、
殺された…だが、この2つの現場は30分で行き来できないという…
「どうですっ…やっぱり、あり得ないでしょう?不可能犯罪でしょう?」
「分かりましたよ…」
何が分かったのでしょう?
11月2日 19:30 ○○市 とある一軒家
玄関から飛び出す一人の女。何かから逃げるように走り出す…人目を避けるように…
何処をどう走ったのかも記憶にないが自室に帰ることが出来た…
自分の部屋に戻ったことで緊張の糸が切れたのだろうか、全身が急に震えだす…己の
犯した恐ろしい行動が思い出される。
「ああっ…どうしよう…私…殺してしまった…宇太郎さん」
血まみれのナイフを見つめながら、そう呟いた。
11月2日 19:30 △△市 とあるマンションの一室
ナイフを右手に握りしめた女は、血の海に沈んでいる一人の男を見下ろし微笑んでいる。
「さようなら…宇太郎君…」
それから数日後、2人の女がそれぞれ別の警察署に自首してきた。
「阿蘇 宇太郎をナイフで刺し殺しました」
と…
「つまり…どういうことですか?」
私は、若刑事に聞き返す…どうやら今日は非番らしい。彼は、先輩から聞かされたという事件について語ってくれたのだが…
「同じ日付に、同じ人物が、異なる人物に、異なる場所で…殺害されたのですよ?あり得ない話でしょう!!」
興奮気味だ…
「…判断できませんね…まだ、情報が不足していますよ」
幾分落着きを取り戻した若刑事は先を続けた。
・被害者は、阿蘇 宇太郎(あそうたろう)
・死亡推定時刻は2日の午後7時30分〜8時の間。
・自主してきた容疑者は、多仲間貴子(たなかまきこ)と戸板香子(どいたかこ)
・この2人に面識はなく、共謀の可能性は無い。
・殺害された阿蘇が同姓同名の別人だということはない。
ただ、問題があって、多仲間が殺害したと証言した場所には死体がなく、戸板の証言した場所にのみ
阿蘇の死体が存在していた。
凶器のナイフについては、多仲間は被害者の血痕のついたナイフを有していたが、戸板は海に処分
したとのこと…発見は難しいだろう。
可能性としては、多仲間が刺した時にはまだ阿蘇氏は生きていた。そして、戸板に助けを求めに行き、
殺された…だが、この2つの現場は30分で行き来できないという…
「どうですっ…やっぱり、あり得ないでしょう?不可能犯罪でしょう?」
「分かりましたよ…」
何が分かったのでしょう?