懐メロです4 ≫No. 1
クリカラ
2008/10/12 18:24
「まだ、あのレインコート使ってたのね」
夕暮れ時、帰宅の途中で懐かしい後姿を見つけた。
少し特徴のある速い足取りで、今改札を通るところだった。
雨も降り、辺りは薄暗かったけど見間違えることはなかった。
もう別れてから二年になる、昔愛したあの人だ。
胸の奥がきゅうと苦しくなる。
駅に用事はないのだけれど、気がつくと彼と同じ電車に乗り込んでいた。
「久しぶりね、元気だった?」
そう声を掛ける事が出来たらどんなに良かっただろう。
「私も元気よ」
と、言いたいことはそれだけなのに…。
懐かしさの一歩手前で込み上げる苦い思い出に、言葉がとても見つからない。
隣の車両から彼の姿が見える。仕事帰りの疲れた顔で、うつむきがちにぼんやりとしていた。
貴方の帰るその先では、私の知らない女(ひと)が待っているのね。
こうして私が近くにいても、気がつきもせずその女のところへ帰るのね。
この二年で変わったことといえば、私の方は髪の長さくらいだった。
今になって初めて痛い程分かります。あの時の貴方の気持ち。
どんなに私の事を想っていてくれていたか。貴方に応えることが出来なかったのは私の方だったと。
貴方の横顔を見ながら、こぼれそうになる涙をぐっと堪えた。
ラッシュの人並みに呑まれて、貴方の姿が消えていく。
やっと今日、貴方と別れることが出来た。
最後に見た貴方の後姿は、私にとって悲しい思い出として残るのでしょう。
もうすぐ雨も止み、いつもと変わらない夜が訪れる。
問題
上の話はある歌のバックストーリーを、勝手に想像を膨らまして書いたものです。
歌のタイトルを囁くとかってに君が反応しますが、次回作の希望等ありましたら併せてお書き下さい。
採用された方には次回作の時「PCの前でニヤニヤする権利」を与えます。
夕暮れ時、帰宅の途中で懐かしい後姿を見つけた。
少し特徴のある速い足取りで、今改札を通るところだった。
雨も降り、辺りは薄暗かったけど見間違えることはなかった。
もう別れてから二年になる、昔愛したあの人だ。
胸の奥がきゅうと苦しくなる。
駅に用事はないのだけれど、気がつくと彼と同じ電車に乗り込んでいた。
「久しぶりね、元気だった?」
そう声を掛ける事が出来たらどんなに良かっただろう。
「私も元気よ」
と、言いたいことはそれだけなのに…。
懐かしさの一歩手前で込み上げる苦い思い出に、言葉がとても見つからない。
隣の車両から彼の姿が見える。仕事帰りの疲れた顔で、うつむきがちにぼんやりとしていた。
貴方の帰るその先では、私の知らない女(ひと)が待っているのね。
こうして私が近くにいても、気がつきもせずその女のところへ帰るのね。
この二年で変わったことといえば、私の方は髪の長さくらいだった。
今になって初めて痛い程分かります。あの時の貴方の気持ち。
どんなに私の事を想っていてくれていたか。貴方に応えることが出来なかったのは私の方だったと。
貴方の横顔を見ながら、こぼれそうになる涙をぐっと堪えた。
ラッシュの人並みに呑まれて、貴方の姿が消えていく。
やっと今日、貴方と別れることが出来た。
最後に見た貴方の後姿は、私にとって悲しい思い出として残るのでしょう。
もうすぐ雨も止み、いつもと変わらない夜が訪れる。
問題
上の話はある歌のバックストーリーを、勝手に想像を膨らまして書いたものです。
歌のタイトルを囁くとかってに君が反応しますが、次回作の希望等ありましたら併せてお書き下さい。
採用された方には次回作の時「PCの前でニヤニヤする権利」を与えます。