クイズ大陸



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名探偵助手リンカ5「走る鍵」 ≫No. 1
?クリカラ 2008/09/24 02:15囁き
「あれ、もう所長来てるのかな?」
所長クリカラと私の二人しかいない事務所なので、毎朝の掃除は私の仕事だ。
今日は珍しく私より先にクリカラが来ていた。男の人と話をしている。
「おはようございます、こんな早くからお客さんが来るなんて珍しいですね」
「リンカさん、おはよう。客じゃないからお茶は出さなくてもいいですよ」
「おいおい冷たいなあ、クリちゃん」
男の人は前回クリカラと手を組んで私を弄(もてあそ)んだダンディさんだった。
愛知県警の警部さんでおひげの良く似合うなかなかの男前だ。黙っていれば。
「ダンディさん、この間はどうも」
「痛、ててて…踏んでるよ足」
「わざとですからご心配なく」
にこり。渇いた笑顔を差し上げる。
「リンカちゃんの活躍をDVDに落としてみたんだけど、要る?名付けて〔DokiDokiリンカちゃん、初めての事件捜査〕」
「変なタイトル付けないでください!っていうかビデオなんて回してたんですか!全部没収です!」
いたいけな女の子を苛めて何が楽しいのか…。
「楽しいよな」
「なあ?」
…他人の心を読まないで下さい。


「さて、リンカさんで遊ぶのはこのくらいにして本題を聞こうか」
殺意の波動を必死に抑える私を後目(しりめ)に、男達は真剣な顔つきに変わった。
「そうだな、早くからこんなところに来たのは勿論お前に知恵を借りに来たんだ」


「俺はある事件絡みで一人の男を追っていた。仮に鈴木としよう。鈴木があるマンションの一室に現れたという情報が入り、部下と二人でそこに向かった」
「ふむ」
「俺がちょうどマンションに着いた時、男の悲鳴が聞こえた。急いで鈴木のいる部屋へ向かう途中、怪しい雰囲気の男とすれ違った。俺は部下にそいつをマークするように指示してから、鈴木のいる部屋へ行った」
「ふむ」
「鍵がかかっていたから、管理人に開けてもらって中に入った。中では男が死んでいた。鈴木だ」
「密室か、鍵は誰が?」
「その部屋は吉田という男の持ち物で、鍵は管理人と吉田が1つずつだけ。管理人が言うには、そのマンションの鍵は全て電子ロックになっていて、鍵がなければ開けることも閉めることも出来ない。また、スペアを作ることも出来ないそうだ」
「ふむ、続けて」
「さっきの男をつけていた部下と連絡を取り、そっちへ向かった。すぐ近くのアパートに住む男で、名前は佐藤。部下に聞いたら、アパートに帰ってからは外に出ていないようだ。佐藤が犯人なら、まだ鍵を持っているはずだ」
「ふむ」
「俺は佐藤の部屋へ行き、
『吉田から鍵を預かり鈴木を殺したな』
と問い詰めた。
『なんのことです?吉田さんの部屋の鍵なら吉田さんが持ってるんじゃないですか?先にそっちを調べるもんでしょ』
なんの証拠も無く他人の部屋を調べる訳にもいかない
『良し分かった、吉田の所になかったら調べさせてもらうぞ』」
「ふぅむ」
クリカラの声色が変わる。何かに気付いたようだ。
「部下を佐藤の所に置き、吉田の自宅へ向かった。ここもすぐ近くだ。
『いらっしゃい刑事さん、待ってましたよ。ずいぶん汗だくですね、上着預かりますよ』
『すまんな、走り回ったもんでな』
上着を預け、汗を拭き、一息ついた後
『俺が来ることは佐藤に聞いたのか?』
『ええ、知り合いなもので。あのマンションの鍵ですよね?持ってますよ』
そして鍵を預かった。間違いなくあの部屋の鍵だった」
クリカラは大きくうなずくと
「なるほど、してやられたね」
と、言った。
「もう何か分かったのか?」
「ええ、君らしくないミスです。犯人は佐藤で間違いないでしょう。勿論、今の話だけなら管理人や吉田の可能性もありますが、君がわざわざ私の所に来る位です、その線は消えたのでしょう?」
「ああ、そのとおりだ」


問題

犯人は佐藤です。
彼の使ったトリックを考えて下さい。

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