Sisters ≫No. 1
ラナー
2008/09/22 18:31
この問題には不備がありました。皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
時計を見る。
午前三時、家に着くのは早朝になる。
ほとんど上の空で運転しているが、問題はない。
新道ができてから、ここはほとんど使われないからだ。
カーブを曲がった瞬間眠気が吹き飛んだ。
目の前に炎が上がっていた。
十分後、警察が来た。
ミニバンはすでに鎮火され、黒こげになっていた。
どうやら中に人がいるらしい。
近くの若い刑事に話を聞いてみると、以下のようなことがわかった。
車の中には2人の姉妹が乗っていた。
二人はこの辺では有名な歌手であった、親戚はいない。
姉の名前は木俣 朝美、ロングヘアーで紺のTシャツにジーパンだった。
妹の名前は木俣 小夜、ショートヘアーで水色のTシャツにジーパン。
しかし、車の中で見つかった遺体はどちらもショートヘアーだった。
急いで切ったような跡もなく、きれいに切りそろえられていた。
また、姉妹とも直接の死因は火事に関係はない。
姉はうなじの下あたりに、ナイフが突き刺さった跡があった。
妹は首からおなかへかけて、ナイフで切り裂かれたような跡があった。
両方とも即死だったらしい。
姉のほうの傷は自ら刺すことは不可能な位置にある、つまり他殺だ。
さらに、車はロックされていて、カギは中にあった。
メーカーに問い合わせると、特殊なカギなので自社でしか作れないという。
調べたところ、合鍵を作った記録はなかった。
つまり、犯行現場は密室ということになる。
死亡推定時刻は、姉は22:30〜23:30。
妹は21:00〜22:00。
姉妹は20:25頃にガソリンスタンドでガソリンを入れている。
その時には、姉はロングヘアーだった。
さらに、車には2人しかいなかったことが確かめられている。
車にはカーナビが搭載されており、そのあとは1度しか停車していないとわかった。
勿論、そこがミニバンの燃えた場所だ。
他に、ミニバンの中からは50〜60cmほどの繊維が同じ所から何本も検出された。
また、殺害に使用したと思われるナイフも出てきた。
黒こげになった免許証なども、姉妹それぞれの洋服から出てきた。
話が前後するが、その免許証によって身元が特定されたのである。
ミニバンは特殊な形式で、トランクからは入ることができる。
詳しく説明すると、トランクには鍵はなく停車時なら入ることはできる。
しかし、中から開けることはできない。
誰かが侵入したとしても出ることはできないのだ。
最後に容疑者について。
嫌疑がかけられているのは、多賀比 章哲(たがひ しょうてつ)という男。
姉妹の俗にいう「追っかけ」であり、最近は言動がエスカレートしていた。
姉妹が警察に訴えたための逆恨み。
動機は十分にある。
彼は現場の近くの、さびれた民宿に泊まっていたことがわかった。
さらに犯行時間内のアリバイはなかった。
彼は容疑を否認している。
「と、そんなことがあったんだ」
私は、その時の出来事を得意げに話す。
「で、事件はどうなったんですか?」
彼女は私と同い年であるにもかかわらず丁寧語を使う、これが彼女の癖である。
「さあ、容疑者が自白したんじゃないの?」
(高松め、部外者に事件のことを漏らしたな。)
隣の席のOLどうしの話を盗み聞きした秋野は、ため息をついた。
まさか今担当しているヤマの話だとはな。
しかし、客観的に見てみると全く別の事件に見える。
そして、そのおかげで糸口がつかめた。
(高松もたまには役に立つもんだ。)
秋野は、ため息をついた。
この問題には不備がありました。皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
時計を見る。
午前三時、家に着くのは早朝になる。
ほとんど上の空で運転しているが、問題はない。
新道ができてから、ここはほとんど使われないからだ。
カーブを曲がった瞬間眠気が吹き飛んだ。
目の前に炎が上がっていた。
十分後、警察が来た。
ミニバンはすでに鎮火され、黒こげになっていた。
どうやら中に人がいるらしい。
近くの若い刑事に話を聞いてみると、以下のようなことがわかった。
車の中には2人の姉妹が乗っていた。
二人はこの辺では有名な歌手であった、親戚はいない。
姉の名前は木俣 朝美、ロングヘアーで紺のTシャツにジーパンだった。
妹の名前は木俣 小夜、ショートヘアーで水色のTシャツにジーパン。
しかし、車の中で見つかった遺体はどちらもショートヘアーだった。
急いで切ったような跡もなく、きれいに切りそろえられていた。
また、姉妹とも直接の死因は火事に関係はない。
姉はうなじの下あたりに、ナイフが突き刺さった跡があった。
妹は首からおなかへかけて、ナイフで切り裂かれたような跡があった。
両方とも即死だったらしい。
姉のほうの傷は自ら刺すことは不可能な位置にある、つまり他殺だ。
さらに、車はロックされていて、カギは中にあった。
メーカーに問い合わせると、特殊なカギなので自社でしか作れないという。
調べたところ、合鍵を作った記録はなかった。
つまり、犯行現場は密室ということになる。
死亡推定時刻は、姉は22:30〜23:30。
妹は21:00〜22:00。
姉妹は20:25頃にガソリンスタンドでガソリンを入れている。
その時には、姉はロングヘアーだった。
さらに、車には2人しかいなかったことが確かめられている。
車にはカーナビが搭載されており、そのあとは1度しか停車していないとわかった。
勿論、そこがミニバンの燃えた場所だ。
他に、ミニバンの中からは50〜60cmほどの繊維が同じ所から何本も検出された。
また、殺害に使用したと思われるナイフも出てきた。
黒こげになった免許証なども、姉妹それぞれの洋服から出てきた。
話が前後するが、その免許証によって身元が特定されたのである。
ミニバンは特殊な形式で、トランクからは入ることができる。
詳しく説明すると、トランクには鍵はなく停車時なら入ることはできる。
しかし、中から開けることはできない。
誰かが侵入したとしても出ることはできないのだ。
最後に容疑者について。
嫌疑がかけられているのは、多賀比 章哲(たがひ しょうてつ)という男。
姉妹の俗にいう「追っかけ」であり、最近は言動がエスカレートしていた。
姉妹が警察に訴えたための逆恨み。
動機は十分にある。
彼は現場の近くの、さびれた民宿に泊まっていたことがわかった。
さらに犯行時間内のアリバイはなかった。
彼は容疑を否認している。
「と、そんなことがあったんだ」
私は、その時の出来事を得意げに話す。
「で、事件はどうなったんですか?」
彼女は私と同い年であるにもかかわらず丁寧語を使う、これが彼女の癖である。
「さあ、容疑者が自白したんじゃないの?」
(高松め、部外者に事件のことを漏らしたな。)
隣の席のOLどうしの話を盗み聞きした秋野は、ため息をついた。
まさか今担当しているヤマの話だとはな。
しかし、客観的に見てみると全く別の事件に見える。
そして、そのおかげで糸口がつかめた。
(高松もたまには役に立つもんだ。)
秋野は、ため息をついた。