クイズ大陸



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コーヒーを守れ ≫No. 1
?永久駆動 囁き
超能力捜査班は新人である私牧野由美を含め7名。
現在この第四東京市には他に超能力者はいない。
捜査班7名の能力は以下がすべて。

隊長 小田信吾  千里眼 および 超能力者感知
副長 榊小冬   未来視 
    遠山緑   念動 (手を触れずに物を動かす
                 有効範囲は自分中心に半径1.5m)
    平田綾子  物体引き寄せ
            (自分の手の中への物質瞬間移動
             両手に収まる大きさ 約1kg以下が対象)
    金沢美沙  透視 (障害物の向こう側が見える)
    朝倉こずえ 加速 (常人の3倍の速度で動ける)
新人 牧野由美  接触テレパス

「私は今から屋上で犯人捜索を行う。
 牧野君。この水筒に熱いコーヒーを頼む。」
「はい隊長。わかりました。」
給湯コーナーのコーヒーメーカーを見ると
ビーカーにはコーヒーがたっぷり。香りもいい。
ちょうど淹れたてだ。ラッキー。
横を通りすぎる榊副長の手が私の手に触れる。
一瞬で榊副長の思考が私に流れ込んでくる。
『気をつけて。あなたは妬まれているわ。
 うちは小田隊長以外は全員が女性。
 新人のあなたが隊長にひいきされているとみんな怒っている。
 そのコーヒーへのいたずらに警戒して。』

水筒を厳重に調べる。中も外も中栓も蓋もすべて異常なし。
ビーカーから水筒の中へ熱くて黒いコーヒーをそそいでいく。
「由美ちゃん。ミルクを忘れてる。」
遠山先輩が水筒にミルクを入れようとする。
私はコーヒーの注入を中断し
あわてて水筒に中栓をして寸前で防御に成功する。
「隊長のコーヒーはブラックです。ミルクは結構です。」
「あらー。そうだった?」そう言って遠山先輩が立ち去る。

近くに誰もいないのを確かめ蓋と中栓を外し水筒の中を確認する。
うん。コーヒーは黒い。強くゆすったり傾けても変化はない。
ミルクは一滴も入らなかった。ミルク以外の物も入ってない。
蓋も中栓にも異常はない。
水筒の中栓と蓋を固くしめ
水筒を守るように強く抱いて隊長が待つ屋上へ急ぐ。
廊下に3人の先輩たちがいた。
紙パックのミルクをストローで飲んでる平田先輩。
コーヒーミルクのポーションを手の上で転がす金沢先輩。
なぜか水鉄砲を持っている朝倉先輩。
みんなの視線が私の抱える水筒に突き刺さる。

「はい。コーヒー持ってきました。」
「ありがとう。さっそく貰うよ。」
隊長は水筒の蓋を器にし
水筒の中栓を緩めてコーヒーを注ぐ。
「ぶっっっ・・・・・牧野君、
 私はコーヒーはブラックじゃないと飲めない。
 何度も言ったはずだ。」
「えっ?・・・・す、すみません、隊長。」

くそう。やられた。
でも犯人はどうやったんだ?
私は水筒にコーヒーを注ぎ、すぐに中栓と蓋を完全に閉めた。
唯一平田先輩の能力なら蓋を開けずに水筒の中に
ミルクを入れることが可能だ。
でも物体引き寄せを行うためには平田先輩が自分で
この水筒を手で持たなければならない。
平田先輩は自分が手に持った水筒の中にならミルク出現が可能なのだ。
私は隊長に渡すまで一瞬でも水筒を離していない。
誰にも水筒に触れさせなかった。
誰も私のそばに近づかなかった。
私は水筒から目も離さなかった。
途中で蓋が開いたりすることはなかった。


犯人はどうやったのでしょう?
推理は囁きで
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