5冊の本 ≫No. 1
永久駆動
「もしもし。治。何してる?」
「今自分の部屋。本読んでた。」
「本?マンガか雑誌だろ。
まあせいぜい水着写真集かゲーム攻略本だな。
おまえの部屋に教科書以外のまともな本があるわけない。」
「バカにすんな。俺はこう見えて読書家なんだ。」
「なら本棚にある本の題名言ってみろ。」
「じゃあいくぞ。『近代戯曲名作選』。
『真田喜久雄全集6 泣かない女』。
『ウェルマー王子とペガサス』。
『図説 世界の帆船』。
『中世における身分体系と身分帳制度』。」
「ちょっとまて。
そこ絶対おまえの部屋じゃないだろ。」
「1 ここは5年前から俺の部屋、
俺が自分一人で使ってる部屋だ。
2 今言った本は俺の目の前の本棚にある。
3 ほら聞こえるか、『近代戯曲名作選』をいま叩いてる音だ。
長澤まさみちゃんに誓う、この3点は真実だ。」
治が長澤まさみに誓う時は嘘ではない。
「あー携帯じゃよくわからん。
今からおまえの家に行くから場所を教えろ。
5分で行ってやる。」
治がふすまを開けると部屋の中は
几帳面に片付いている。
おかしい。これは絶対治の部屋じゃない。
勉強机があって辞書や受験問題集が並んでいる。
洋楽のCDや携帯ゲーム機もある。
両親の部屋ではなさそうだ。
布団を敷くスペースを見ると
確かに1人で使ってる部屋のようだ。
かなり大きい金属製ラックが本棚になっている。
小説、実用書、専門書、新書、文庫。
ものすごい蔵書だ。
たくさんの本が大きさでピタッと揃えられ
天井までぎっしりと並んでいる。
この本棚ではわずかでも動かすことはできない。
並んでる本に不審な点はない。
あわてて押し込んだような本はない。
どの本も新品ではなく読まれたあとがある。
この1年ぐらいの新刊も数冊ある。
治が題名をあげた5冊もあった。
しかし5冊の場所はひどくバラバラだ。
5冊の間にパリーポッターとか恩田海とか
大きくて目立つ本がたくさんある。
「そうか。治。おまえ兄弟がいたんだ。」
「ギクっ。」
「おまえが題名をあげた本が
なぜあの5冊だったのかわかったぞ。」
「ギクっ。」
問題 5冊の本に隠された秘密とは?
「今自分の部屋。本読んでた。」
「本?マンガか雑誌だろ。
まあせいぜい水着写真集かゲーム攻略本だな。
おまえの部屋に教科書以外のまともな本があるわけない。」
「バカにすんな。俺はこう見えて読書家なんだ。」
「なら本棚にある本の題名言ってみろ。」
「じゃあいくぞ。『近代戯曲名作選』。
『真田喜久雄全集6 泣かない女』。
『ウェルマー王子とペガサス』。
『図説 世界の帆船』。
『中世における身分体系と身分帳制度』。」
「ちょっとまて。
そこ絶対おまえの部屋じゃないだろ。」
「1 ここは5年前から俺の部屋、
俺が自分一人で使ってる部屋だ。
2 今言った本は俺の目の前の本棚にある。
3 ほら聞こえるか、『近代戯曲名作選』をいま叩いてる音だ。
長澤まさみちゃんに誓う、この3点は真実だ。」
治が長澤まさみに誓う時は嘘ではない。
「あー携帯じゃよくわからん。
今からおまえの家に行くから場所を教えろ。
5分で行ってやる。」
治がふすまを開けると部屋の中は
几帳面に片付いている。
おかしい。これは絶対治の部屋じゃない。
勉強机があって辞書や受験問題集が並んでいる。
洋楽のCDや携帯ゲーム機もある。
両親の部屋ではなさそうだ。
布団を敷くスペースを見ると
確かに1人で使ってる部屋のようだ。
かなり大きい金属製ラックが本棚になっている。
小説、実用書、専門書、新書、文庫。
ものすごい蔵書だ。
たくさんの本が大きさでピタッと揃えられ
天井までぎっしりと並んでいる。
この本棚ではわずかでも動かすことはできない。
並んでる本に不審な点はない。
あわてて押し込んだような本はない。
どの本も新品ではなく読まれたあとがある。
この1年ぐらいの新刊も数冊ある。
治が題名をあげた5冊もあった。
しかし5冊の場所はひどくバラバラだ。
5冊の間にパリーポッターとか恩田海とか
大きくて目立つ本がたくさんある。
「そうか。治。おまえ兄弟がいたんだ。」
「ギクっ。」
「おまえが題名をあげた本が
なぜあの5冊だったのかわかったぞ。」
「ギクっ。」
問題 5冊の本に隠された秘密とは?