No. 28≫ No.29 ≫No. 30
ボムボム
2008/11/10 22:59
次は命題(4)です。
そのために次の補題(4')を考えます。
補題(4') 辺上及びその延長線上にある線分のn等分やn倍
コンセプト:やっぱり平行四辺形を作る
[作図]
線分の両端を点X点Yとする。
(3')から、点XYを通る辺に平行な線を引く。
線分XYは辺あるいはその延長線上なので、線分XYに平行な線も引ける。
こうして線分XYを一辺に持つような平行四辺形は作図できる。
したがって(1)(2)から平行四辺形の一辺である線分XYをn等分したりn倍したりできる。
[終]
命題(4) 与えられた任意の線分のn等分やn倍
コンセプト:平行線によってn等分などを写す
[作図]
まず前段階として…
線分の両端を点X、点Yとする。
線分XYが辺ABや辺BCのどちらかと平行のように見える場合。
例えば辺ABと辺XYが平行のように見えるとき。
このとき(3)から点Xと点Yを通り、辺BCと平行な直線を引いてそれぞれ交点X'、Y'を作図できる。
こうして直線AB上に線分X'Y'をとる。
逆ならば直線BC上に線分X'Y'をとる。
中間でどちらとも平行そうでなければどちらでもよい。
(要は、平行線を下ろしたら幅が細くなっちゃった、なんてことのないように、選んで直線を引くということです)
例えば直線AB上に線分X'Y'をとった場合。
補題(4')より線分X'Y'をn等分、n倍できる。
そうして得られた点の集まりを、(3')を用いて平行線を引いて、再び直線XY上に写しなおす。
これらの点が線分XYのn等分あるいはn倍の点である。
[終]
以上までは平行四辺形で成り立つ、つまり平行四辺形でも作図可能。
命題(5)は残念ながら正方形でないと作図できません。
命題(5) 与えられた直線に垂直な直線を引く
まず模範解答として fyhさん の方法を採用させていただきます。
fyhさんの方法は大変わかりやすく、三角形の垂心の性質を使うものです。
[作図]
対角線を延長しておき、正方形ABCDのうち、三角形BCDの部分を使います。
BCの延長、BDの延長と、任意の直線XYで三角形を作ります。
BCは辺で、これに垂直な線、すなわち辺CDに平行な直線は引けます。
BDは対角線で、これに垂直な線、すなわち対角線ACに平行な直は引けます。
これらを利用して垂心Hを求めると、直線BHは直線XYと垂直です。
[終]
次に僕が考えていた方法です。
コンセプト:長さを写しとる
これをするために、次に二つの補題を考えます。
補題(5') 直線BC上にある線分XYと同じ長さを、直線BC上の別の任意の場所へ写す
補題(5'') 同じくBC上にある線分XYと同じ長さを直線AB上のどこかに写す
[作図]
まず(5')から。
写したい点の片方を点Pとします。
まず点Pを頂点に持つ平行四辺形ABPQが(3')から作図できる。
線分QXを引きます。
平行四辺形ABPQの辺ABと辺PQの二等分線を使うと、線分QXも二等分できます。
この中点を点Mとします。
直線YMと直線AQの交点を点Rとする。
点Mは線分YRの中点でもあり、四角形RXYQは平行四辺形で、RQ=XY。
(3')より点Rを通り、辺PQに平行な直線を引いて、交点をZとする。
すると、四角形RZPQは平行四辺形でRQ=ZP。
これで、線分を任意の場所に移動できました。
(これは実は平行四辺形で可能)
この場合、点Y→点Pとなるような感じで移動しています。
点X→点Pとしたいときは下線部のQXをQYとすればいいと思います。
次に(5'')。
(ここからは正方形のみ成り立つ)
(5')を使って点Xと点Bを一致させます。
(3')から辺BYを一辺に持つ長方形ABYZを作図する。
直線YZと正方形の対角線BDとの交点をWとする。
すると対角線は45°の傾きなので、BY=YWである。
点Wを通り、辺BYに平行な直線を引いて直線ABとの交点を点Qとする。
すると四角形QBYWは正方形でQB=BY=XY。
こうして直線BC上の線分XYを直線AB上の長さが等しい線分QBへと写せた。
[終]
以上二つの補題(5')(5'')を使って命題(5)を考えます。
[作図]
正方形ABCDと、対角線方向に一辺に持つような正方形の二種類、正方形がある。
したがって、任意の直線に対して、必ず辺とのなす角が0°より大きく45°以下になるように
適当な正方形をどちらか選べる。
(こう書いたのは、辺と垂直だった場合を考慮したためです)
どちらかを選んだとして、その正方形をABCDと命名し、直線AB、直線BCとの交点をそれぞれ点X、点Yとする。
(5')(5'')を使って、線分BXを、直線BC上の点Yを端点とする線分YX'へと写すことができる。
点X'と点Bが点Cについて逆側になるようにとる。
その端点X'からABに平行な直線を引く。
線分BYを、この直線上で点X'を端点とする線分X'Zに写す。
点Zと点Xが直線BCに対して同じ側になるようにとる。
こうすると、XYZが垂直である。
[終]
ボムボム 2008/11/10 22:59
そのために次の補題(4')を考えます。
補題(4') 辺上及びその延長線上にある線分のn等分やn倍
コンセプト:やっぱり平行四辺形を作る
[作図]
線分の両端を点X点Yとする。
(3')から、点XYを通る辺に平行な線を引く。
線分XYは辺あるいはその延長線上なので、線分XYに平行な線も引ける。
こうして線分XYを一辺に持つような平行四辺形は作図できる。
したがって(1)(2)から平行四辺形の一辺である線分XYをn等分したりn倍したりできる。
[終]
命題(4) 与えられた任意の線分のn等分やn倍
コンセプト:平行線によってn等分などを写す
[作図]
まず前段階として…
線分の両端を点X、点Yとする。
線分XYが辺ABや辺BCのどちらかと平行のように見える場合。
例えば辺ABと辺XYが平行のように見えるとき。
このとき(3)から点Xと点Yを通り、辺BCと平行な直線を引いてそれぞれ交点X'、Y'を作図できる。
こうして直線AB上に線分X'Y'をとる。
逆ならば直線BC上に線分X'Y'をとる。
中間でどちらとも平行そうでなければどちらでもよい。
(要は、平行線を下ろしたら幅が細くなっちゃった、なんてことのないように、選んで直線を引くということです)
例えば直線AB上に線分X'Y'をとった場合。
補題(4')より線分X'Y'をn等分、n倍できる。
そうして得られた点の集まりを、(3')を用いて平行線を引いて、再び直線XY上に写しなおす。
これらの点が線分XYのn等分あるいはn倍の点である。
[終]
以上までは平行四辺形で成り立つ、つまり平行四辺形でも作図可能。
命題(5)は残念ながら正方形でないと作図できません。
命題(5) 与えられた直線に垂直な直線を引く
まず模範解答として fyhさん の方法を採用させていただきます。
fyhさんの方法は大変わかりやすく、三角形の垂心の性質を使うものです。
[作図]
対角線を延長しておき、正方形ABCDのうち、三角形BCDの部分を使います。
BCの延長、BDの延長と、任意の直線XYで三角形を作ります。
BCは辺で、これに垂直な線、すなわち辺CDに平行な直線は引けます。
BDは対角線で、これに垂直な線、すなわち対角線ACに平行な直は引けます。
これらを利用して垂心Hを求めると、直線BHは直線XYと垂直です。
[終]
次に僕が考えていた方法です。
コンセプト:長さを写しとる
これをするために、次に二つの補題を考えます。
補題(5') 直線BC上にある線分XYと同じ長さを、直線BC上の別の任意の場所へ写す
補題(5'') 同じくBC上にある線分XYと同じ長さを直線AB上のどこかに写す
[作図]
まず(5')から。
写したい点の片方を点Pとします。
まず点Pを頂点に持つ平行四辺形ABPQが(3')から作図できる。
線分QXを引きます。
平行四辺形ABPQの辺ABと辺PQの二等分線を使うと、線分QXも二等分できます。
この中点を点Mとします。
直線YMと直線AQの交点を点Rとする。
点Mは線分YRの中点でもあり、四角形RXYQは平行四辺形で、RQ=XY。
(3')より点Rを通り、辺PQに平行な直線を引いて、交点をZとする。
すると、四角形RZPQは平行四辺形でRQ=ZP。
これで、線分を任意の場所に移動できました。
(これは実は平行四辺形で可能)
この場合、点Y→点Pとなるような感じで移動しています。
点X→点Pとしたいときは下線部のQXをQYとすればいいと思います。
次に(5'')。
(ここからは正方形のみ成り立つ)
(5')を使って点Xと点Bを一致させます。
(3')から辺BYを一辺に持つ長方形ABYZを作図する。
直線YZと正方形の対角線BDとの交点をWとする。
すると対角線は45°の傾きなので、BY=YWである。
点Wを通り、辺BYに平行な直線を引いて直線ABとの交点を点Qとする。
すると四角形QBYWは正方形でQB=BY=XY。
こうして直線BC上の線分XYを直線AB上の長さが等しい線分QBへと写せた。
[終]
以上二つの補題(5')(5'')を使って命題(5)を考えます。
[作図]
正方形ABCDと、対角線方向に一辺に持つような正方形の二種類、正方形がある。
したがって、任意の直線に対して、必ず辺とのなす角が0°より大きく45°以下になるように
適当な正方形をどちらか選べる。
(こう書いたのは、辺と垂直だった場合を考慮したためです)
どちらかを選んだとして、その正方形をABCDと命名し、直線AB、直線BCとの交点をそれぞれ点X、点Yとする。
(5')(5'')を使って、線分BXを、直線BC上の点Yを端点とする線分YX'へと写すことができる。
点X'と点Bが点Cについて逆側になるようにとる。
その端点X'からABに平行な直線を引く。
線分BYを、この直線上で点X'を端点とする線分X'Zに写す。
点Zと点Xが直線BCに対して同じ側になるようにとる。
こうすると、XYZが垂直である。
[終]