ニセモノ(?)、現る≫ No.1 ≫No. 2
pekoe
「どっかの黒真珠さんよりも、ずいぶん大人っぽいわねー。やっぱりこっちの方がホンモノっぽいんじゃない?」
「うっ…」
意地悪そうに椿が言うと、真珠美は言葉に詰まった。少しだけ優越感に似たものを感じながら、2枚目にうつる。
「……あの、ちょっと読みにくいんですけど…」
「ですよね。でも元々かなり小さい紙に書かれていたもので、これは拡大コピーしたものなんです」
元の紙が小さかったためなのか、それらを1枚目の便箋でくるむように折って、封筒に入れてあったのだという。
読みにくい、と椿は言うが、ワープロ打ちされているため、実際はさほどでもない。黒いプツプツとした点が多く入っているのが少し気になる程度だ。きっと、警察のコピー機が古いせいだろう。
「じゃあ、元々の大きさはどれくらいなんですか?」
じっと紙を見つめていた真珠美が口を開いた。そうですねぇ、と言いながら堂寺刑事は取り出したハガキ大のメモ用紙を半分、半分と折っていく。
「これくらいかな?」
そう言って手を止めたのは、ちょうど8等分したところだった。もう少し細長かったような気もするけれど、と付け加える。
その紙をみとめて、ちょっと貸してください、と真珠美はその手にとる。手のひらにすっぽりと収まってしまうほどの大きさだ。
「あー…だけど…うーん…」
真珠美は何やらモゴモゴと言いながら、テーブルに置いてある紙ナプキンをとり、そこにボールペンでこまごまと何かを書き始めた。彼女としては何がなんでも『ニセモノ』を懲らしめたいのに違いない。
椿も堂寺刑事が折った紙片を手に取り、次いで紙片のコピーにも目を落とす。一見して、紙片の種類は2種類。紙の色が白のものとグレーのものだ。紙片のそれぞれには左上に1〜12までの数字がうってある。
番号 色 書いてあること
1 白 出たさび
2 白 桜幕
3 白 菖蒲短冊
4 灰 桜幕
5 白 帆をあげる
6 白 松鶴
7 灰 萩猪
8 灰 菊カス
9 白 牡丹短冊
10 灰 道連れ
11 白 松短冊
12 灰 菊短冊 (5/28 一部修正)
(なるほどねぇ…)
「ちなみに何が狙われるのか、目星はついているんですか?」
椿の質問に堂寺刑事は困ったように頭を掻く。
「いや、それが…。××県内には美術館や博物館が多い上に、個人所有のものもあるので、それも含めるとなるとかなりの数の美術品があってですね…今チェックしているところではあるのですが…」
「なるほど…」
そう言うと、椿も紙ナプキンを一枚とって、暗号に向かい始めた。
pekoe
「うっ…」
意地悪そうに椿が言うと、真珠美は言葉に詰まった。少しだけ優越感に似たものを感じながら、2枚目にうつる。
「……あの、ちょっと読みにくいんですけど…」
「ですよね。でも元々かなり小さい紙に書かれていたもので、これは拡大コピーしたものなんです」
元の紙が小さかったためなのか、それらを1枚目の便箋でくるむように折って、封筒に入れてあったのだという。
読みにくい、と椿は言うが、ワープロ打ちされているため、実際はさほどでもない。黒いプツプツとした点が多く入っているのが少し気になる程度だ。きっと、警察のコピー機が古いせいだろう。
「じゃあ、元々の大きさはどれくらいなんですか?」
じっと紙を見つめていた真珠美が口を開いた。そうですねぇ、と言いながら堂寺刑事は取り出したハガキ大のメモ用紙を半分、半分と折っていく。
「これくらいかな?」
そう言って手を止めたのは、ちょうど8等分したところだった。もう少し細長かったような気もするけれど、と付け加える。
その紙をみとめて、ちょっと貸してください、と真珠美はその手にとる。手のひらにすっぽりと収まってしまうほどの大きさだ。
「あー…だけど…うーん…」
真珠美は何やらモゴモゴと言いながら、テーブルに置いてある紙ナプキンをとり、そこにボールペンでこまごまと何かを書き始めた。彼女としては何がなんでも『ニセモノ』を懲らしめたいのに違いない。
椿も堂寺刑事が折った紙片を手に取り、次いで紙片のコピーにも目を落とす。一見して、紙片の種類は2種類。紙の色が白のものとグレーのものだ。紙片のそれぞれには左上に1〜12までの数字がうってある。
番号 色 書いてあること
1 白 出たさび
2 白 桜幕
3 白 菖蒲短冊
4 灰 桜幕
5 白 帆をあげる
6 白 松鶴
7 灰 萩猪
8 灰 菊カス
9 白 牡丹短冊
10 灰 道連れ
11 白 松短冊
12 灰 菊短冊 (5/28 一部修正)
(なるほどねぇ…)
「ちなみに何が狙われるのか、目星はついているんですか?」
椿の質問に堂寺刑事は困ったように頭を掻く。
「いや、それが…。××県内には美術館や博物館が多い上に、個人所有のものもあるので、それも含めるとなるとかなりの数の美術品があってですね…今チェックしているところではあるのですが…」
「なるほど…」
そう言うと、椿も紙ナプキンを一枚とって、暗号に向かい始めた。