それはランニング中のアスリートが発見した。
林の中に、一台の車が放置されていた。
近づいてみると、マフラーから伸びたホースが運転席の窓から差し込まれており、運転席にはステアリングに突っ伏した男の姿があった。
* * *
「中から目張りしてますね」
荒方が何を言いたいのか、すぐに分かった。
「ああ、この間、火間さんに協力してもらった事件も確か、目張りして自殺、だったっけな」
「そうですね、あれはアパートの部屋でしたが、実際には他殺でしたね」
「扉の外側に目張りは無理だからな・・・」
似た事件が度重なるということもあるが、今度ばかりは違いそうだ。
車は小さなオレンジ色の、ハッチバックタイプの軽自動車で、外装にはまったく装備品の無い、平凡なごく普通の車だった。
窓は内側からみな、ガムテープで目張りがしてある。
運転席の窓だけは少しだけ開けてあり、そこからホースが差し込まれていた。
もちろん、隙間はガムテープで塞いである。
運転席のドアを引き開けると、テープがピラーとバババと擦れるような音を立て、ガラス側に残った。
「さすがにこれは自殺だろう」
「いえ、堂本先輩、これも他殺ですよ。自殺に見せかけた・・・」
「何だって?」
荒方は一体、何を根拠にこれを他殺と推測したのでしょうか?
------------------------------
ひでぽんさん、早速借用させていただきました。
林の中に、一台の車が放置されていた。
近づいてみると、マフラーから伸びたホースが運転席の窓から差し込まれており、運転席にはステアリングに突っ伏した男の姿があった。
* * *
「中から目張りしてますね」
荒方が何を言いたいのか、すぐに分かった。
「ああ、この間、火間さんに協力してもらった事件も確か、目張りして自殺、だったっけな」
「そうですね、あれはアパートの部屋でしたが、実際には他殺でしたね」
「扉の外側に目張りは無理だからな・・・」
似た事件が度重なるということもあるが、今度ばかりは違いそうだ。
車は小さなオレンジ色の、ハッチバックタイプの軽自動車で、外装にはまったく装備品の無い、平凡なごく普通の車だった。
窓は内側からみな、ガムテープで目張りがしてある。
運転席の窓だけは少しだけ開けてあり、そこからホースが差し込まれていた。
もちろん、隙間はガムテープで塞いである。
運転席のドアを引き開けると、テープがピラーとバババと擦れるような音を立て、ガラス側に残った。
「さすがにこれは自殺だろう」
「いえ、堂本先輩、これも他殺ですよ。自殺に見せかけた・・・」
「何だって?」
荒方は一体、何を根拠にこれを他殺と推測したのでしょうか?
------------------------------
ひでぽんさん、早速借用させていただきました。