クイズ大陸



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?たく
山岡「先ほど、シャーロッタさんから暗号の解読ができたとの一報を受けました。」
高木「そうか、なるほど。そういうことだったのか・・・。」


別室にて

高木「桜井さん、あなたは被害者の玉田さんと揉めていたそうですねぇ・・・。」
桜井「でも、そんなことで殺したりはしませんわ。」
高木「全部打ち明けた方が気が楽になりますよ。」
桜井「私は断じて殺ってないです。」
高木「では、犯行を否認なさるということですか・・・?」
桜井「えぇ、事実ですから。」
高木「そうですか・・・では、これに見覚えはありませんか?」
桜井「これは事務所のハサミですわ。」
高木「では、試しに此処に書いてあるイの字を切り抜いて下さい。」
桜井「意図が分かりませんが・・・」
高木「後々説明するとしましょう。まずは切って下さい。」
桜井は腑に落ちない様子で切り始めた。
高木「貴方は左利きなんですね・・・。」
桜井「えぇ、そうですが。これが何か?」
トントン
高木「どうぞ。」
山岡「高木さん、ちょっと・・・」

高木「桜井さん、あなたは大学時代に玉野さんと交際していたようですね。」
桜井「えぇ、昔のことですが・・・。」
高木「高校の頃からというと結構なものですね。」
桜井「えぇ、7年ほどお付き合いさせて頂いてましたが・・・。」
高木「婚約もしていたとか」
桜井「えぇ、事実ですが、それが何か事件と関係あるのですか?」
高木「あると考えております。」
ポケットから徐に暗号の書かれた紙を取り出した。
高木「これは玉田さんがお亡くなりになる前に、私の同僚でもあり容疑者の一人でもある日下刑事に宛てたものです。」
桜井「それが何か?」
高木「“まずは一昔前の日本にタイムスリップ、絵巻物の綱を取ったら、恋と冷め、加賀とキツツキ、手、腹、胃を取り、清水(静岡)に関係ある人を5人を取ったらアメリカに飛んでくれ。”これが玉田さんの遺したこの暗号を解くカギです。」

まずは一昔の前の日本にタイムスリップ。
昔の日本では横書きの文字を縦書きの名残で右から読んでいました。つまり、右から読めということです。
右から読むとOREHAKANSHISARETEIRU(俺は監視されている)となります。
玉田さんは監視されているのでこのような暗号でメッセージを伝えたんですよ。

では、次の四行、ここでは絵巻物の綱を取ったら、加賀キツツキを取り、清水(静岡)に関係ある人、つまり、次郎長森の石松さくらももこたまちゃん花輪(クン)を5人取れといってます。
では、消していきましょう。
まきものの
てこいさめかかるがきつつはきら
ろちょうもりのいしまつのり
らももこたまちゃんはな

桜井「いもさこつきひしかるきれろのりなにやだ?」
高木「いや、ここは一昔の前の日本ですよ。」
桜井「ひきつこさもいきるかしりころれなにやだ?」
高木「それでは意味をなしません。横書きじゃなくて縦書きなんですよ。」
桜井「・・・・・・・。」
高木「そう、縦書きとして読むと、左利きの奴に殺されるかも知れない。」
桜井「でも、最後の1行は?」
高木「アメリカに渡れ、アメリカの公用語、英語のことです。」
桜井「どういうことでしょう?」
高木「ABCDEFGH…、アルファベット順ですよ。6番目はH、5番目はE・・・、つまり、“851216、 135”は、“HELP、 ME”、Help me、玉田さんは助けを求めているんですよ。」
桜井「・・・・・。」
高木「俺は監視されている。左利きの奴に殺される。Help me。そう、玉田さんは貴女に殺害されることを示唆していたんですよ!!」
桜井「私は確かに左利きですが、左利きの人は日本にごまんといるんですよ。第一私が殺害したという証拠はあるんですか?貴方は全て憶測でお話しになっている。」
高木「往生際の悪い人だ・・・。私はしばらく席を立つ。一人でよく考えるんだな。」

本部にて
高木「桜井響子はこの事件に相当な自信を持っているようだな。」
山岡「この事件は粗がないですからね。」
この事件の手がかりは玉田が日下に宛てたメッセージだけだった。指紋など犯人の痕跡が見つからなかったのだ。
三波「この世に粗がない犯罪などない。絶対どこかに尻尾があるさ。」
高木「その言い方は何か見つかったようだな」
三波「流石、鋭いな。監視カメラの設置されていた壁に桜井響子の耳紋があった。それと、凶器に使われた縄に被疑者のものに混じって、桜井響子の毛髪が絡まっていた。」
山岡「それが決定的な証拠になるんですか?」
高木「耳紋の方は微妙なところだが、縄の毛髪はかなりの証拠になるさ。」
三波「殺害されたのは被害者の自宅だ。凶器に使われた縄は、事件当日、近くのディスカウントストアで購入した可能性が高い。つまり、そこに付着していた毛髪は、被害者のものを除けば、犯人のものという可能性が極めて高い。玉田さんは潔癖症だったともいうしな。」
高木「では、もう一度行ってきます。」

別室にて
高木「話してくれる気になりましたか?」
桜井「いつになったら帰してもらえるのかしら?」
高木「それはまだ分かりません。」
桜井「左様ですか」
高木「話を戻しましょう。付かぬことをお聞きしますが、玉田さんのマンションを訪れたことはありますか?」
桜井「勿論、ありませんわ。玉田さんのお宅にお伺いする用事などありませんから。」
高木「その事実に相違ありませんね。」
桜井「えぇ」
高木「そうですか。」
高木「玉田さんの部屋のリビングの天井の隅に小型のCCDカメラが設置されていたそうなんですよ。」
桜井「そうなんですか。」
高木「その近くの壁紙に貴女の耳紋が付着していたんですよ。」
桜井「じもん? 何のことですか? 浅学なもので」
高木「耳の紋と書いて耳紋です。指には指紋があって、それは人それぞれ異なります、耳も同じように、だれかと同じ形を持った人はこの世に存在しないんですよ。」
高木「それに、凶器にあなたの髪の毛が付着していたそうですよ。」
桜井「・・・・。」
高木「先ほど、貴女は一度も玉田さん宅を訪れたことがないと言いましたよね。」
桜井「記憶にありません。訪ねたことがあったかもしれません。」

高木はテープレコーダーの再生ボタンを押した。
桜井「勿論、ありませんわ。玉田さんのお宅にお伺いする用事などありませんから。」
高木「その事実に相違ありませんね。」
桜井「えぇ」

高木「貴方は自分の犯行を認めているんですよ。もう言い逃れはできませんよ。」
桜井「・・・・。」
高木「貴女の自宅を家宅捜索すれば何かしら見つかるはずですよ。」
桜井「・・・・。」
高木「子供さんもいるんでしょ…。」
桜井「・・・・・・・私が玉田を殺害しました。」

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