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刑事に宛てたメッセージ・・・逮捕された日下刑事……≫ No.1 ≫No. 2
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日下も含め、容疑者を別室に集めておいた。

そこでは何やら容疑者たちが話をしていた。
何か重要な情報が得られるかもしれないからといって、高木と三波は警察手帳を開いて扉の前で中での会話をメモしていた。


阿部冴子「甲斐さんはO型で何もかもが大雑把でいい加減。だから、几帳面な玉田さんといつも揉めてましたよね。」

桜井響子「あら、阿部さん恋人の玉田さんが新しく入ってきた受付の竹中にお熱をあげているから、嫉妬なさってるじゃないですか。
竹中さんは清楚でA型でいつも身だしなみを整えていて、デスクも整理整頓がなされていて玉田さんにはお似合いなんじゃないですか。」

甲斐孝明「阿部さんはB型でちょっと自己中心的なところがあって、玉田さんは別れたいと言っていたけど、別れさせてくれないともいってましたよ。」

阿部冴子「そういう桜井さんも玉田さんと揉めてましたよね。事務所の中が趣味の物で溢れているとか事務用品が右利き用で左利き用がないとか・・・。」

甲斐孝明「事務所で左利きは桜井さんしかいないから仕方ないじゃありませんか。」

竹中政美「私は玉田秀雄さんとお付き合いさせてもらっております。秀雄さんは冴子さんとはもう別れた、といってましたよ。」

ここで、阿部さんが竹中さんに殴りかかろうとしたので、傍にいた日下が止めにかかった。
このままでは収拾がつかないので高木と三波も部屋へと入って行った。

この後も話が延々と続いた。

1時間くらい経過したであろうか。
日下が徐に立ち上がって、左手の腕時計を見た。この腕時計というのは彼女から付き合ってから一番初めプレゼントされた時計である。日下は高木に耳打ちした。
高木は日下に囁いた。「そうだな。俺はお前が白だと思ってる。」
高木は「今日のところは、皆さんもお疲れのことでしょうからご自宅にお戻りください。明後日またお集まり下さい。もし来られない場合は業務執行妨害にも値しますので」と少し脅しながら容疑者を帰した。
高木の配慮で明後日に延期した。というのは、今日は日下の彼女の誕生日であったからである。昨日今日、明日と日下は有給休暇を取っていたのだが・・・。
日下の彼女とは大学時代の同級生で鈴本由香里という日下には勿体ないくらいの清楚で聡明な美人である。数年前に彼女の所属していた署と合同捜査したということもあり高木と彼女は面識があった。去年の誕生日は1週間北海道に捜査に行っていて二人で過ごすことができなかった。その時の二の舞を演じまいと心に決めていたのだが…。

高木は日下に謝罪し、暗号をもって部屋に籠ってしまった。日下も高木と共に残ろうとしたが、高木に「彼女と一緒に居てやれ」と半ば強引に帰された。
三波はその場にじっとしていられない性分で暗号を宿題として持って帰ったのであろう。次の日、現場に向かったのは言うまでもない。鑑識課長というのは三波の性に合っていないのかもしれない。

容疑者についてここで補足しておく。
甲斐孝明、52歳。東都大学法学部を卒業。27歳で司法試験に合格し堺法律事務所に入る。32歳で独立。甲斐法律事務所を立ち上げる。当時は受付と事務の3人で構成されていた。冷静沈着で弁護士として定評がある。しかし、道楽者で実質、事務所の経営は副所長を任せられている玉野が行っている。

桜井響子、43歳。高校卒業後、職を転々とした後22歳でこの事務所に就職した。所長の甲斐と共に発足当時からのメンバーである。この事務所で事務を任されている。玉野には頭が上がらなかった。

阿部冴子、32歳。玉野とほぼ同時期に入社。庶務をしている。玉野の恋人。元恋人といっても良いかもしれない。別れたかどうかはあやふや。というより別れようとする玉野を離さなかったといった方が妥当かもしれない。

竹中政美、25歳。桜井の発言にもあったとおり潔癖症とまでは云えないが几帳面である。生真面目で、誰からも好かれるような純情な女性。一部、玉野の女性関係では妬まれる存在。その発端は玉野が一目惚れしたことにはじまる。冴子と交際していた玉野と交際を開始したため、特に冴子に妬まれている。しかし、当時政美は玉野が冴子と交際していたことを知らず、その事実を知ると政美は玉野に別れを持ちかけたが、玉野はもう別れたと政美を引き留めた。実際には冴子と別れることができず二股をかけていたということになるが、本当のところは冴子と別れたがっていたが、冴子から逃げられなかったといったところだろう。
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