ｸｲｽﾞ大陸

解決編

「美琴ちゃんを送っていったので
　おまえと知弘君の予定はボロボロ
　になったのか？」
「いや、秋窪遺跡だけはあきらめて
　他は順番を変えて全部回れた。
　昼は吹宮ソバを食べる予定だったけど
　タクシーの運転手さんが教えてくれた
　ラーメン屋がむちゃくちゃ美味しかった。」
「一緒に回る女の子はよりどりみどりの
　はずの知弘君がなぜおまえと２人だけで
　回ろうとしたのかよくわかるな。
　おまえは変に自分に劣等感があるけど
　おまえの頭の回転の早さとか記憶力は
　ものすごく頼りになる。
　ところで美琴ちゃんは何にグループ行動の
　予定を書いていたんだ？
　吹宮市の略図が載ってるページがあって
　おまえが場所と道順を書き込んだ物は？」
「しおりだよ。『旅の栞』・・・・・あっ。」
「灯台への最短ルートをその場で考えたって
　ことはバスの路線図や電車のダイヤも
　大まかに把握してたんだろ。
　そんな事は他の誰にもマネできないぞ。
　美琴ちゃんのピンチを救ったのはおまえだ。
　美琴ちゃんの中で絶対おまえは
　ヒーローになったはずだ。
　タクシーの中で彼女は笑ってたんだろ。
　少し前まで『どうしよう』と泣いていたのに。
　美琴ちゃんはおまえの言葉を信じたんだ。
　『すぐに追いつける』と言ったおまえを心から
　信じたんだ。だから笑えたんだ。
　彼女の宝物っていうのが
　知弘君から貰った栞なのか
　おまえがぐちゃぐちゃに書き込んだ『旅の栞』か
　それは実際の話わからない。
　でもおまえ美琴ちゃんとよく話すと言ったな。
　奥手のおまえから話しかけるはずはないから
　むこうがおまえに話しかけてくるんだろ。
　試験の勉強だって美琴ちゃんから頼んだはずだ。
　彼女のほうは気持ちをちゃんと態度で示して
　いると思うぞ。おまえはもっと自分に自信をもて。
　とにかく美琴ちゃんをデートに誘ってみろ。
　見込みはそう悪くないはずだ。」