思い出の栞 ≫No. 1
永久駆動
樫村さんが友達と話す声に
僕はつい立ち止まった。
「美琴は大切な宝物ってある?」
「え・・・うん・・・・・栞かな。」
「しおり?」
やっぱり樫村さんは知弘が好きなのか。
僕は修学旅行3日目の事を思い出した。
「美琴ちゃん。どうしたの?」
知弘が泣きそうな顔の樫村さんに声をかける。
「ゆっこたちとはぐれちゃった・・・・・どうしよう。」
自由行動のグループからはぐれたらしい。
「じゃあ俺たちと回らない?健治もそれでいいだろ。」
「だめ・・・・ゆっこたち心配してると思う。」
「石井裕子の携帯ならわかるよ・・・・・おっと圏外か。」
「うーぅぅぅ・・・・・どうしよう。」
樫村さんは本当に泣き出してしまった。
僕はおずおずと声をかけた。
「グ、グループで予定は立てたんでしょ。
次の場所で待ってるかもしれないよ。」
「あっ・・・・・そうだね。健治君のいうとおりかも。」
樫村さんに名前を呼ばれたのは初めてだ。
思わず顔が赤くなる。
「これに予定が書いてあるの。」
「か、会麓苑までは一緒だったんだね。
次は子代灯台か。えーと、書いちゃっていいかな。」
吹宮市の略図が載ってるページを開き
場所と道順を書き込んでいく。
「バ、バス一日券を買ったんだね。
なら路線バスを乗り継ぎしているはずだ。
こ、国道からこの道かな。
じゃあこっちは電車を使おう。
葉木駅からはタクシーだ。
た、多分僕たちのほうが早くつくよ。」
電車の中でもタクシーの中でも
樫村さんは知弘と楽しそうに話していた。
「これさっき買ったお土産。美琴ちゃんにあげるよ。」
「うわぁ押し花の栞ね。すてき。」
こんな事が自然にできる知弘は本当にかっこいい。
知弘がモテるのは外見の良さだけじゃないと思う。
タクシーの助手席で僕が運転手さんに付近の地理を
教えてもらっていると、後ろの席では樫村さんが
知弘の冗談にクスクス笑っていた。
無事にグループに合流できた樫村さんは
知弘と僕に何度も礼を言った。
それ以来樫村さんは僕たちとよく話す。
試験前には僕が樫村さんに勉強を教えたりもした。
そして僕は気がついた。樫村さんが教科書に
いつも挟んでいるのは知弘があげた栞だ。
僕の話を聞いた姉貴はケケケと笑った。
「案外望みはあるかもだな。」
「えっ?」
問題 姉貴は何を言いたいのでしょう?
推理は囁きで
単に結論だけ書くのではなく
問題文のどこがポイントなのか書いてほしいですね
永久駆動
僕はつい立ち止まった。
「美琴は大切な宝物ってある?」
「え・・・うん・・・・・栞かな。」
「しおり?」
やっぱり樫村さんは知弘が好きなのか。
僕は修学旅行3日目の事を思い出した。
「美琴ちゃん。どうしたの?」
知弘が泣きそうな顔の樫村さんに声をかける。
「ゆっこたちとはぐれちゃった・・・・・どうしよう。」
自由行動のグループからはぐれたらしい。
「じゃあ俺たちと回らない?健治もそれでいいだろ。」
「だめ・・・・ゆっこたち心配してると思う。」
「石井裕子の携帯ならわかるよ・・・・・おっと圏外か。」
「うーぅぅぅ・・・・・どうしよう。」
樫村さんは本当に泣き出してしまった。
僕はおずおずと声をかけた。
「グ、グループで予定は立てたんでしょ。
次の場所で待ってるかもしれないよ。」
「あっ・・・・・そうだね。健治君のいうとおりかも。」
樫村さんに名前を呼ばれたのは初めてだ。
思わず顔が赤くなる。
「これに予定が書いてあるの。」
「か、会麓苑までは一緒だったんだね。
次は子代灯台か。えーと、書いちゃっていいかな。」
吹宮市の略図が載ってるページを開き
場所と道順を書き込んでいく。
「バ、バス一日券を買ったんだね。
なら路線バスを乗り継ぎしているはずだ。
こ、国道からこの道かな。
じゃあこっちは電車を使おう。
葉木駅からはタクシーだ。
た、多分僕たちのほうが早くつくよ。」
電車の中でもタクシーの中でも
樫村さんは知弘と楽しそうに話していた。
「これさっき買ったお土産。美琴ちゃんにあげるよ。」
「うわぁ押し花の栞ね。すてき。」
こんな事が自然にできる知弘は本当にかっこいい。
知弘がモテるのは外見の良さだけじゃないと思う。
タクシーの助手席で僕が運転手さんに付近の地理を
教えてもらっていると、後ろの席では樫村さんが
知弘の冗談にクスクス笑っていた。
無事にグループに合流できた樫村さんは
知弘と僕に何度も礼を言った。
それ以来樫村さんは僕たちとよく話す。
試験前には僕が樫村さんに勉強を教えたりもした。
そして僕は気がついた。樫村さんが教科書に
いつも挟んでいるのは知弘があげた栞だ。
僕の話を聞いた姉貴はケケケと笑った。
「案外望みはあるかもだな。」
「えっ?」
問題 姉貴は何を言いたいのでしょう?
推理は囁きで
単に結論だけ書くのではなく
問題文のどこがポイントなのか書いてほしいですね