先にいもてんさんから物語推理的な突っ込みがありましたので、些かの言い訳と共に、出題者本人が感じている問題点を白状しておきます。長くなりますので、ご興味のある方のみお読みくださいませ。
ご指摘を受けたのは、『富井刑事は残された謎のマークについて、「今までのボヤでも紙があった」「マスコミには伏せてある」としか説明していないのに、天上にとって最近の山峰市東部であった火災のうち、どれがマークの残された放火で、どれが只の火事だったのか知る手段はない。また、彼は「自分の家が五件目だ」と何故知っているのか?』ということでした。
この点に関しては、『「今月の初め二週間ほど」に「山峰市東部で四件の不審火が起きており、連続放火の可能性がある」といった報道がなされている』、という記述を入れておくべきでした。
言い訳になりますが、出題者が考えていた設定は以下の通りです。
「山峰市」は架空の地方都市ですが、実は私が嘗て住んだことのある某市がモデルになっております。ただ人口はわずか20数万人であり(東京で言うと目黒区・豊島区と同じくらいです)、あくまでもこれは私の感覚によるものなので、根拠としては薄弱ですが、この規模の地方都市で、しかも東部と限定すれば、模倣犯でも出ない限り不審火が一度にそう何件も起きることはないという漠然とした感覚・記憶がありました。
また「今月に入ってから」というのは、三月の最初の2週間ほどを想定し、その間に他の火事が市東部で起きても、規模が異なれば不審火とは区別されるという設定は不自然ではないと考えておりました。
*ちなみに、出題の後に消防庁のサイトで見てみたら、某市がある某県全体で昨年度に起きた総出火件数が、一年間で500件に満たないのです。某市だけのデータは見つけられませんでしたが、人口が県全体の6分の1強なので、単純に見積もって年に90件ほど、つまり市全体で火事は四日に一件起きるかどうか(冬季はもう少し多いでしょう)、ぐらいの割合だといえましょう。尤もこれはあくまでも単純計算ですが……
そしてボヤ程度の不審火が実際に報道されるかどうかも一応検討し、上述のように火事自体がそう多くないので、同一地域で不審火が立て続けに起きれば、地方紙では(或いは全国紙の地方版や、TVのローカルニュースでも)報道される可能性は高く、連続していることやその件数について言及されることも不自然ではないと判断したのでしたが、文章のどこにそれを入れるか考えた挙句、結局書かずじまいになったのは迂闊というしかありません。
いくら出題者が設定していたとしても、書かれなければ意味がないわけですから……
なお私自身が感じた問題点としては、ボヤの現場は一件目を除いて、倉庫や寺院・保育園など夜間人気がなくて放火がしやすい場所に設定したのですが、後から考えるに、夜間人気がないということは、放火がボヤ程度で済むというのは不自然ではないかと気になっております。
仕方ありません、「律儀な放火犯」が、火の勢いが大きくなりすぎないうちにこっそり消したか、あるいは消防に匿名で通報したとお考え下さい。(苦しい…

)
上記以外にも突っ込みどころが恐らくあるでしょう。物語推理では、情報を過不足なく問題文に入れておかなければならないと了解しているのですが、今回は(も?)その点が充分になされていませんでした。本解に直接は結びつかないにしても、ご参加の皆様に、クイズの中で描かれた世界に整合性があると感じていただけますよう、もう少し辻褄を合わせておけばよかったと反省しています。
私のほうからは以上ですが、皆様からのご意見・ご感想など、どうか宜しくお願いいたします。
ご指摘を受けたのは、『富井刑事は残された謎のマークについて、「今までのボヤでも紙があった」「マスコミには伏せてある」としか説明していないのに、天上にとって最近の山峰市東部であった火災のうち、どれがマークの残された放火で、どれが只の火事だったのか知る手段はない。また、彼は「自分の家が五件目だ」と何故知っているのか?』ということでした。
この点に関しては、『「今月の初め二週間ほど」に「山峰市東部で四件の不審火が起きており、連続放火の可能性がある」といった報道がなされている』、という記述を入れておくべきでした。
言い訳になりますが、出題者が考えていた設定は以下の通りです。
「山峰市」は架空の地方都市ですが、実は私が嘗て住んだことのある某市がモデルになっております。ただ人口はわずか20数万人であり(東京で言うと目黒区・豊島区と同じくらいです)、あくまでもこれは私の感覚によるものなので、根拠としては薄弱ですが、この規模の地方都市で、しかも東部と限定すれば、模倣犯でも出ない限り不審火が一度にそう何件も起きることはないという漠然とした感覚・記憶がありました。
また「今月に入ってから」というのは、三月の最初の2週間ほどを想定し、その間に他の火事が市東部で起きても、規模が異なれば不審火とは区別されるという設定は不自然ではないと考えておりました。
*ちなみに、出題の後に消防庁のサイトで見てみたら、某市がある某県全体で昨年度に起きた総出火件数が、一年間で500件に満たないのです。某市だけのデータは見つけられませんでしたが、人口が県全体の6分の1強なので、単純に見積もって年に90件ほど、つまり市全体で火事は四日に一件起きるかどうか(冬季はもう少し多いでしょう)、ぐらいの割合だといえましょう。尤もこれはあくまでも単純計算ですが……
そしてボヤ程度の不審火が実際に報道されるかどうかも一応検討し、上述のように火事自体がそう多くないので、同一地域で不審火が立て続けに起きれば、地方紙では(或いは全国紙の地方版や、TVのローカルニュースでも)報道される可能性は高く、連続していることやその件数について言及されることも不自然ではないと判断したのでしたが、文章のどこにそれを入れるか考えた挙句、結局書かずじまいになったのは迂闊というしかありません。
いくら出題者が設定していたとしても、書かれなければ意味がないわけですから……
なお私自身が感じた問題点としては、ボヤの現場は一件目を除いて、倉庫や寺院・保育園など夜間人気がなくて放火がしやすい場所に設定したのですが、後から考えるに、夜間人気がないということは、放火がボヤ程度で済むというのは不自然ではないかと気になっております。
仕方ありません、「律儀な放火犯」が、火の勢いが大きくなりすぎないうちにこっそり消したか、あるいは消防に匿名で通報したとお考え下さい。(苦しい…
上記以外にも突っ込みどころが恐らくあるでしょう。物語推理では、情報を過不足なく問題文に入れておかなければならないと了解しているのですが、今回は(も?)その点が充分になされていませんでした。本解に直接は結びつかないにしても、ご参加の皆様に、クイズの中で描かれた世界に整合性があると感じていただけますよう、もう少し辻褄を合わせておけばよかったと反省しています。
私のほうからは以上ですが、皆様からのご意見・ご感想など、どうか宜しくお願いいたします。