クイズ大陸



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?シーラ
それでは、物語の続きと、正解を発表いたします (^_^)

***

その後五日ばかりは何も起こらず、(天上も考えすぎだな……)と思い始めたある日のこと。
署に掛かってきた電話に富井が出ると、
「もしもし、天上です。」思いがけない声だった。
「ああ、君か……今のところ次の放火は起きてないけど、また何か?」
「私のところではないのですが……実はうちの学科主任の芳賀教授が、平町×丁目に住んでいるのですが、教授の家の郵便受けに、例のマークを印刷した紙が入っていたんです。」
「何だって!?」富井は絶句した。
「幸いに、放火はされていないのですけど……これは、例の事件と関連しているとは思いませんか?」
「まさか……いや、しかし……その紙を見せてもらえないかな?教授にも会って話を聞きたい。
とにかく、それから判断するよ。」

***

芳賀教授の家は平町×丁目△番地●号で、地図上では確かに北極星の位置にある。
例のマークが印刷された紙を、過去の現場に残されていたものと比較してみたところ、錨と五つ星の部分はこれまでのものと同じであったが、それに加えて上のところに星がもう一つ描かれていた。
早速教授宅周辺の巡回を強化するとともに、富井はもう一度天上と、それから教授本人とも面会して心当たりを訊ねたが、両者から芳しい答えは返ってこなかった。

結局その後放火が起きることはなく、また犯人も捕まらないまま、この事件は捜査体制が縮小されてしまった。
ただ富井には、釈然としない思いが残った。
(芳賀教授は何事かを隠している……そして天上も知っているんじゃないだろうか? 数学科の教員二人の家がターゲットになっているのは偶然とは思えない。指導した学生にでも恨まれているのだろうか?或いは、理学部内で何かトラブルがある可能性も…?)

そう言えば、二度目に会った折に暗号のことを尋ねると、天上は淡々と「解けましたよ。」と語った。
「この事件にはカシオペア座の五つ星、それにちなんだ五件の放火事件、また五文字の暗号と、<五>という数が頻繁に見られますが、これが鍵となる数になるんじゃないかと思ったのです……『てとのきね』をそれぞれ平仮名五文字分だけ後ろにずらすと、『ねのほしへ』になりますが、『ねのほし』は『子の星』、つまり北極星のことです。ちなみに、カシオペア座から北極星をみつけるには、一・二番目、五・四番目の星を結んでそれぞれ下側に延長した線の交点と、三番目の星とを結んだ距離を、上のほうに五倍することぐらいはご存知でしょう?偶然ですけど、ここにも<五>が見られますね……」
(成程、天上の説明を聞くと、この連続放火事件とカシオペア座を示す暗号は、手数が掛かっている一方でどこか幼稚な気がするな……やはり学生の犯行だろうか?
とにかく、これ以上何もなければただの嫌がらせで済むのだが……)

***

と言うわけで、暗号は「てとのきね」を五文字後ろにずらした「ねのほしへ」→「子の星へ」となり、次のターゲットが北極星の位置にあることを意味していて、該当するのはJの芳賀教授宅になります。
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