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pekoe
*** 二葉家 玄関にて ***
電車を降りたあと、何度か真珠美とメールをやりとりしているうちに家に着いた。
鍵を開けて中に入る。
「つーちゃん、おかえりー。おなかへったー」
声の主は、皆様ご存知、椿の姪の桜である。
「あ、そっか。今日お姉ちゃん遅くなるんだっけ? すっかり忘れてた」
「パパも出張なの。ねー、おじいちゃんとおばあちゃんは〜?」
「昨日から二人で旅行に行ってるの。だから今日は私と桜ちゃん、二人だけだよ」
言ってから時計を見る。もうすぐ5時になるところだった。
「ふぅん…。ねえ、つーちゃん」
「なに?」
「おなかへったー。おやつは〜?」
「……わかった。今、ホットケーキ作ってあげるから」
桜のことをすっかり忘れていて、真珠美とおしゃべりしていたが為に少し遅くなったのは事実だ。ホットケーキで許してもらうことにしよう。
******************
*** 二葉家 元・楓の部屋にて@ ***
椿がホットケーキを焼いている間、桜は2人分の紅茶をセットしてくれていた。
二人でおやつのホットケーキを食べていると、桜が口を開いた。
「それで? きょうは、どうしておそくなったの? ますみちゃんとおしゃべり?」
ホットケーキをフォークでつつきながら言う。
相変わらず、訊き方が妙に尊大だ。こんな風に訊かれると、なんとなく正座してしまう椿だった。
「おっしゃるとおりでございます」
ふかぶかと頭を下げて椿が応えると、桜は少し宙を見つめて考えてから言う。
「そういえば、まえに、ますみちゃんから、あんごうがきてたんでしょ? あれ、おしえて?」
「うっ…。ちょっと、あれはまだ、桜ちゃんには難しいかなー…?」
焦りながら話す椿に対して、桜は子供扱いされたことについてご立腹のようだ。
「さくら、できるもん! おーしーえーてーよーう!」
「あ、でも今日また真珠美から暗号もらったから! 桜ちゃん、コレにしよ? ね?」
「あたらしいのなの? やる!」
(ふぅ…。桜が新しいもの好きで、良かった…)
*****************
pekoe
電車を降りたあと、何度か真珠美とメールをやりとりしているうちに家に着いた。
鍵を開けて中に入る。
「つーちゃん、おかえりー。おなかへったー」
声の主は、皆様ご存知、椿の姪の桜である。
「あ、そっか。今日お姉ちゃん遅くなるんだっけ? すっかり忘れてた」
「パパも出張なの。ねー、おじいちゃんとおばあちゃんは〜?」
「昨日から二人で旅行に行ってるの。だから今日は私と桜ちゃん、二人だけだよ」
言ってから時計を見る。もうすぐ5時になるところだった。
「ふぅん…。ねえ、つーちゃん」
「なに?」
「おなかへったー。おやつは〜?」
「……わかった。今、ホットケーキ作ってあげるから」
桜のことをすっかり忘れていて、真珠美とおしゃべりしていたが為に少し遅くなったのは事実だ。ホットケーキで許してもらうことにしよう。
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*** 二葉家 元・楓の部屋にて@ ***
椿がホットケーキを焼いている間、桜は2人分の紅茶をセットしてくれていた。
二人でおやつのホットケーキを食べていると、桜が口を開いた。
「それで? きょうは、どうしておそくなったの? ますみちゃんとおしゃべり?」
ホットケーキをフォークでつつきながら言う。
相変わらず、訊き方が妙に尊大だ。こんな風に訊かれると、なんとなく正座してしまう椿だった。
「おっしゃるとおりでございます」
ふかぶかと頭を下げて椿が応えると、桜は少し宙を見つめて考えてから言う。
「そういえば、まえに、ますみちゃんから、あんごうがきてたんでしょ? あれ、おしえて?」
「うっ…。ちょっと、あれはまだ、桜ちゃんには難しいかなー…?」
焦りながら話す椿に対して、桜は子供扱いされたことについてご立腹のようだ。
「さくら、できるもん! おーしーえーてーよーう!」
「あ、でも今日また真珠美から暗号もらったから! 桜ちゃん、コレにしよ? ね?」
「あたらしいのなの? やる!」
(ふぅ…。桜が新しいもの好きで、良かった…)
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