彼女は掃除中 ≫No. 1
永久駆動
今日の最後の講義は休講か。
バイトまで中途半端に時間が空いてしまったな。
とりあえずバスで鼓板駅前に戻るか。
駅前の本屋の洋書売場でマッコイの新刊でも探そう。
バスの外をふと見ると先ごろ開店したレストランがある。
おいしいと評判らしいが高そうなのでまだ入った事はない。
窓際の席で食事するカップルがいる。
女性のほうがこっちに顔を向けた。
えっ?今のは奈々子?いやまさか。
1時間ほど前に奈々子とメール交換をした。
奈々子は『これから部屋の掃除しま〜す』と書いていた。
駅前についた俺は奈々子の携帯にかける。
5コール目で奈々子がでた。
「久司?なぁに?」
できるだけさりげなく俺はきく。
「あぁ奈々子。ちょっと声聞きたかっただけ。今どこ?」
「自分の部屋だよ。掃除中。
いまちょっと手はなせない感じ。
急用じゃないなら切っていいかな。
ゴメンね。またメールちょうだい。」
「あーそうなんだ。じゃあ掃除機とか使ってたり?」
「んー・・・そうそう。いまブイーンとかけてました。」
「実は俺、掃除機の音が好きなんだ。」
「はぁ?なによそれ。久司変。」
「ちょっと掃除機動かしてみてよ。お願い。」
「んー。よく分んないけど。いくよ。」
「・・・・・・止めて。うん、いい音だね。じゃあもう一度お願い。」
「ほい、アンコール。」
そのあとは適当に通話を終える。
いくらなんでも掃除機の音の録音を持ち歩いてるとは思えない。
さっき見かけた奈々子は見間違えだったのか?
問題 はたして他人の空似だったのか?
真相がわかりますか?
推理は囁きで
永久駆動
バイトまで中途半端に時間が空いてしまったな。
とりあえずバスで鼓板駅前に戻るか。
駅前の本屋の洋書売場でマッコイの新刊でも探そう。
バスの外をふと見ると先ごろ開店したレストランがある。
おいしいと評判らしいが高そうなのでまだ入った事はない。
窓際の席で食事するカップルがいる。
女性のほうがこっちに顔を向けた。
えっ?今のは奈々子?いやまさか。
1時間ほど前に奈々子とメール交換をした。
奈々子は『これから部屋の掃除しま〜す』と書いていた。
駅前についた俺は奈々子の携帯にかける。
5コール目で奈々子がでた。
「久司?なぁに?」
できるだけさりげなく俺はきく。
「あぁ奈々子。ちょっと声聞きたかっただけ。今どこ?」
「自分の部屋だよ。掃除中。
いまちょっと手はなせない感じ。
急用じゃないなら切っていいかな。
ゴメンね。またメールちょうだい。」
「あーそうなんだ。じゃあ掃除機とか使ってたり?」
「んー・・・そうそう。いまブイーンとかけてました。」
「実は俺、掃除機の音が好きなんだ。」
「はぁ?なによそれ。久司変。」
「ちょっと掃除機動かしてみてよ。お願い。」
「んー。よく分んないけど。いくよ。」
「・・・・・・止めて。うん、いい音だね。じゃあもう一度お願い。」
「ほい、アンコール。」
そのあとは適当に通話を終える。
いくらなんでも掃除機の音の録音を持ち歩いてるとは思えない。
さっき見かけた奈々子は見間違えだったのか?
問題 はたして他人の空似だったのか?
真相がわかりますか?
推理は囁きで