>>40の続き
その男はゆっくりと正誤君とチャックル君に向かって歩を進めてきた。
「はじめまして。私は快盗ノレパン…ではなく、太傅と申します。君達と同じくノレパンの挑戦を受けて
立った者で、探偵業で生計を立てています。あと二人小さな助手もいるのですが、辺りを調べて
いるようです。戻ったら紹介しますよ」
にこやかに自己紹介をされ唖然とする二人…ほどなくしてアキラ、ヒロシ君が戻り、互いに改めて
名乗りあう。
紹介が済むと正誤君が切り出した。
「あの…さっき言いかけた『それに』について聞きたいんですけど…」
少し考えるような仕草を見せた太傅でしたが、
「ああ…ノレパンが最初から【ラミスが為の馬の習作】に絞らせようとした理由ですね。予告状の最後
の一文に『諸君らと顔を合わせるのを楽しみにしているよ』とあったのを覚えていますか?」
と答える。アキラとヒロシ君は既にその答えを知っているようで、正誤君とチャックル君を試すような
視線を送っている。その視線をひしひしと感じながら、太傅氏の言葉の意図を読み取る。
「…そもそも、ノレパンは
何も盗むつもりが無かった!!…暗号を解いてこの場所に現れる人間
がいるかどうかを試す…ライバルとなり得る探偵の選定こそがノレパンの目的だったんですね」
「後半の部分については何とも…予告状を真に受けて現れる馬鹿な探偵を嘲笑うことが目的だった
のかも知れませんが、少なくとも最初から何も盗むつもりが無かったというのは私も同意見ですよ」
予告の時刻を過ぎても快盗は現れず、2人の探偵が得た結論が正しかったことが証明された
のですが、意外な結論に拍子抜けしたチャックル君は、オーバーな身振りで
「クタビレ損の骨折り儲けデスネ」
とボヤくのでした。
「それを言うなら骨折り損のくたびれ儲けだよ…どう転んでも僕たちが儲けることはなかったけどね」
その横でアキラがポツリと突っ込む…
雑談を交えながらの岐路で、すれ違った通行人の一人がニヤリと微笑んだことに、5人の誰も気付
くことはなかった。
その男はゆっくりと正誤君とチャックル君に向かって歩を進めてきた。
「はじめまして。私は快盗ノレパン…ではなく、太傅と申します。君達と同じくノレパンの挑戦を受けて
立った者で、探偵業で生計を立てています。あと二人小さな助手もいるのですが、辺りを調べて
いるようです。戻ったら紹介しますよ」
にこやかに自己紹介をされ唖然とする二人…ほどなくしてアキラ、ヒロシ君が戻り、互いに改めて
名乗りあう。
紹介が済むと正誤君が切り出した。
「あの…さっき言いかけた『それに』について聞きたいんですけど…」
少し考えるような仕草を見せた太傅でしたが、
「ああ…ノレパンが最初から【ラミスが為の馬の習作】に絞らせようとした理由ですね。予告状の最後
の一文に『諸君らと顔を合わせるのを楽しみにしているよ』とあったのを覚えていますか?」
と答える。アキラとヒロシ君は既にその答えを知っているようで、正誤君とチャックル君を試すような
視線を送っている。その視線をひしひしと感じながら、太傅氏の言葉の意図を読み取る。
「…そもそも、ノレパンは何も盗むつもりが無かった!!…暗号を解いてこの場所に現れる人間
がいるかどうかを試す…ライバルとなり得る探偵の選定こそがノレパンの目的だったんですね」
「後半の部分については何とも…予告状を真に受けて現れる馬鹿な探偵を嘲笑うことが目的だった
のかも知れませんが、少なくとも最初から何も盗むつもりが無かったというのは私も同意見ですよ」
予告の時刻を過ぎても快盗は現れず、2人の探偵が得た結論が正しかったことが証明された
のですが、意外な結論に拍子抜けしたチャックル君は、オーバーな身振りで
「クタビレ損の骨折り儲けデスネ」
とボヤくのでした。
「それを言うなら骨折り損のくたびれ儲けだよ…どう転んでも僕たちが儲けることはなかったけどね」
その横でアキラがポツリと突っ込む…
雑談を交えながらの岐路で、すれ違った通行人の一人がニヤリと微笑んだことに、5人の誰も気付
くことはなかった。