クイズ大陸



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数の予言 ≫No. 1
?永久駆動 囁き
ぼくはたなかまさお。
家にあった大きなダンボール箱をもって公園へいく。
こうたがぼくとともきに超能力をみせるというのだ。

こうた「まさお、ともきの肩を4回にぎって。
    ともきは声をださずにその数を数えて。
    肩をにぎられても体は動かさないで。
    唇とか体の違うところも動かさないで。
    指を折ったりせず頭の中だけで数えるんだ。
    呼吸や視線、表情も変えないで。
    まさおもともきの肩をにぎるときに声をだすな。」
まさお「わかった。」
ともき「うん。」
ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ。
こうた「つぎにぼくが2回にぎるからそのまま足して。」
ぎゅ、ぎゅ。
こうた「ともき。何回にぎられた?」
ともき「6。」
こうた「よーし。よくできた。じゃあ最初からやるよ。
    今度は数を予言してあるんだ。
    このカードに書いてある。」

こうたはぼくの胸ポケットに1枚のカードを差し込んだ。
次にともきをダンボール箱に入れしっかりふたをする。
箱には腕一本がぎりぎりとおる穴が1つだけあいている。

こうた「まさお、箱の穴に手を入れてともきの肩をにぎって。
    1から7までの好きな回数でいいよ。
    ぼくははなれてうしろをむいて立ってる。」

ぼくはダンボールの穴に手を入れる。
穴はふさがり箱の中は外から絶対に見えない。
こうたは背中をむけていて
鏡や反射でこっちを見ている気配はない。
ぼくは念には念をいれ表情をよまれないように
ポーカーフェイスを保つ。
きんにくの動きをよまれないように
音も聞かれないように
ゆっくりゆっくり手を動かす。
ともきの肩をゆっくりにぎる。ぎゅ。ゆっくり離す。
ともきの肩をゆっくりにぎる。ぎゅ。ゆっくり離す。
ともきの肩をゆっくりにぎる。ぎゅ。ゆっくり離す。
これで3回。
4回目をにぎる寸前で思いなおした。
手の位置をほんのすこしだけずらし
何もないところで手をゆっくりにぎる。ゆっくり開く。
何もないところで手をゆっくりにぎる。ゆっくり開く。

まさお「終わったよ。」
こうた「じゃあつぎはぼくだ。
    ともき。そのまま足して。」

こうたが箱に手をいれる。
ぼくは箱のまわりを回って
いろんな角度からみてみるが
箱の中は絶対に見えない。
こうたとぼくの腕の太さは変わらない。
腕を入れると穴にはまったく隙間がない。
そして箱の中は真っ暗のはずだ。
外から中の様子はわからない。
箱の外にある肩や二の腕をじっと観察してみるが
箱の中の手の動きはやっぱりわからない。

こうた「終わった。
    ともき、箱からでてきていいよ。
    じゃあともき。
    まさおとぼくが肩をにぎった数を
    足して数えたね。
    何回だった?」
ともき「8。」
こうた「まさお。胸のカードを見て。」

ぼくは自分の胸からカードを抜く。
カードに書かれてたのは『8』。これだけだ。

まさお「ともき、あらかじめ言う数は決まっていたのか?」
ともき「ちがう。いま数えた。」
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