No. 72≫ No.73 ≫No. 74
pekoe
*** 椿の部屋にて 〜幕が降りたその後で〜
(pekoeの言い訳) ***
「ちょっと真珠美! アンタまさか、誰かさんの手先!?」
日が暮れたころ、楓と桜は自宅に帰っていった。その後、自室に一人になった椿は、早速とばかりに真珠美に電話をかけたのだ。
「そんなこと言って〜♪ 結構ノリノリで暗号解いてたみたいじゃない?」
「うぐっ…」
…鼻歌まで歌ってたしねぇ〜。
「いや、鼻歌は、アレは、皆さんへのヒントで…!」
本気で否定しているのがまた怪しい…。
「それはさておき、誰かさんは今回もまた微妙な問題にしてくれちゃったみたいなんだけど…」
椿はこの話題を早く打ち切ろうと、話題をいささか強引に変えた。窓辺に飾ってあった花瓶を手にとり、水を変えるために電話を持ったまま洗面所に向かう。
「音楽の問題ねー。前回は色の問題で反省してたっていうのにねぇ…」
携帯電話を耳に挟んだまま、器用に花瓶の中のピンポンマムを抜き取り、花瓶を洗う。ピンポンマムは持ちが良く長いこと綺麗に咲くことで、椿のお気に入りの花のひとつだ。
「きっとこういう抽象的な問題が好きなのね、誰かさんは」
「あ、きっとそうだよ。ってことは、次の問題は…」
「視覚、聴覚ときたから…」
「……嗅覚?」
「……」
沈黙。
階下からスパイシーな香りが漂ってきた。二葉家の今夜のメニューはカレーライスのようだ。
*****************
pekoe
(pekoeの言い訳) ***
「ちょっと真珠美! アンタまさか、誰かさんの手先!?」
日が暮れたころ、楓と桜は自宅に帰っていった。その後、自室に一人になった椿は、早速とばかりに真珠美に電話をかけたのだ。
「そんなこと言って〜♪ 結構ノリノリで暗号解いてたみたいじゃない?」
「うぐっ…」
…鼻歌まで歌ってたしねぇ〜。
「いや、鼻歌は、アレは、皆さんへのヒントで…!」
本気で否定しているのがまた怪しい…。
「それはさておき、誰かさんは今回もまた微妙な問題にしてくれちゃったみたいなんだけど…」
椿はこの話題を早く打ち切ろうと、話題をいささか強引に変えた。窓辺に飾ってあった花瓶を手にとり、水を変えるために電話を持ったまま洗面所に向かう。
「音楽の問題ねー。前回は色の問題で反省してたっていうのにねぇ…」
携帯電話を耳に挟んだまま、器用に花瓶の中のピンポンマムを抜き取り、花瓶を洗う。ピンポンマムは持ちが良く長いこと綺麗に咲くことで、椿のお気に入りの花のひとつだ。
「きっとこういう抽象的な問題が好きなのね、誰かさんは」
「あ、きっとそうだよ。ってことは、次の問題は…」
「視覚、聴覚ときたから…」
「……嗅覚?」
「……」
沈黙。
階下からスパイシーな香りが漂ってきた。二葉家の今夜のメニューはカレーライスのようだ。
*****************