*** 椿の部屋にてA ***
どのように解いても結構ですが基本を大切になさって。近くに答えがあるかもですし。
この部分を指差して楓は言った。
「ヒントの一つはそうね。ちょっと回りくどい感じではあるんだけど…」
楓は少しの間、宙を見つめて考えていたが、やがて何事かを思いついたようだ。
「ねえ、そのヒントって椿が書いた方の暗号にも当てはまるのよね?」
「うん。そうだよ」
「そっちはわかったような気がするわ…」
机に向かっていた椿は、椅子をくるりと回転させると楓に向かって言った。
「お伺いしましょ?」
*****************
「『どのように解いても』って、暗号解く時に方法を色々考えるのは当然よね。ってことは、コレが1番目のヒントになるってことでしょ?」
何か態度がナマイキーとか何とか文句を言いながらも、楓は話しはじめる。
「音楽の問題だってことを考えると『どのように』って最初『ドのように』って意味かなって思ったのよ。ドレミの『ド』と考えるなら『基本に忠実に』っていうのも『基準の音』っていうのと意味が合うかなって」
「ふむふむ、それで?」
「それで――」
*****************
さて、楓の考えていることは、当たっているのでしょうか?
ここで、ちょっとした補足情報です。
椿はピアノを習っていましたが、楓は習っていません。ちなみに椿はかなり幼少のころから習っていたようで――
この部分を指差して楓は言った。
「ヒントの一つはそうね。ちょっと回りくどい感じではあるんだけど…」
楓は少しの間、宙を見つめて考えていたが、やがて何事かを思いついたようだ。
「ねえ、そのヒントって椿が書いた方の暗号にも当てはまるのよね?」
「うん。そうだよ」
「そっちはわかったような気がするわ…」
机に向かっていた椿は、椅子をくるりと回転させると楓に向かって言った。
「お伺いしましょ?」
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「『どのように解いても』って、暗号解く時に方法を色々考えるのは当然よね。ってことは、コレが1番目のヒントになるってことでしょ?」
何か態度がナマイキーとか何とか文句を言いながらも、楓は話しはじめる。
「音楽の問題だってことを考えると『どのように』って最初『ドのように』って意味かなって思ったのよ。ドレミの『ド』と考えるなら『基本に忠実に』っていうのも『基準の音』っていうのと意味が合うかなって」
「ふむふむ、それで?」
「それで――」
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さて、楓の考えていることは、当たっているのでしょうか?
ここで、ちょっとした補足情報です。
椿はピアノを習っていましたが、楓は習っていません。ちなみに椿はかなり幼少のころから習っていたようで――