クイズ大陸



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?pekoe
そろそろキーワードはバラしちゃいましょうか (^o^)

*** 二葉家にて(解決編@) ***

 椿のはかない期待とは裏腹に、桜はしっかり覚えていた。

「んで? さくらがおしえてあげた『さつじんじけん』なんだから、ちゃんとせつめいしてね」

 ちょっとギクっとしたのが表情に出てしまったのか、桜はジロリとこちらをにらんでいる、ように見える。
(仕方ない…説明するか…)

「ちょっとそこの本棚の、一番下の段にあるその大きい本…うん、それ、とってくれる?」

 大きな本を重そうにしながら持ってきてくれる。

「ねえ、これ、ママの?」
「そう、桜ちゃんのママの本だよ」

 今は桜の遊び場になっているこの部屋は、もともと桜の母親である楓が結婚前に使っていた部屋で、その持ち物もたくさん残っている。この本もそのひとつだった。

「わぁ…」

 中を開くと四角い色見本生地の写真がたくさん並んでいる。古典的な、みやびな色がずらりと並んでいるさまは何とも美しい。

「きれいでしょ? 昔の着物は染料も絹の質も今の着物とは違うから、独特の色合いをしてるの」

 桜にはちょっと難しい話だったかと思って視線をやると、私の言葉にはお構いなしに、中のページをくいいるように見つめており、やがて自分で勝手にページを繰りはじめた。夢中になっているようなので、そのまま好きなように見させてやっていたが、少し経ってからページを繰る手を止めて訊いてきた。

「つーちゃん、なんかこれ、2枚かさなってるよ。これは?」
「これは、重ねの色目って言ってね…」
「かさねのいろめ?」
「そう、桜ちゃんもお洋服を重ね着したとき、袖のところとかから下に重ねた服がちょっと見えたりするでしょ? あとは、こんな風に布を2枚重ねると下の方の布がすこし透けて見えたりするじゃない。それを利用した昔の人のおしゃれの方法だよ」
「ふぅん…」
「で、実はこれが今日の事件と関係あるんだけど…」
「うんうん」

 すうっと息を吸ってから、椿は宣言した。

「桜ちゃん、今日見た着物と似た色の組み合わせをこの中から探してください」
「えー…」

*****************

 そういうわけで、キーワードは『重ねの色目』です。
 「ミルクレープ→クレープを重ねてる→かさね」と導いて欲しかったというのが出題者の意図だったんですが。ヒントの出し方というのは難しいものです…。

(pekoeが「クレープ」という布地があると知ったのは、第1のヒントを提示した後だったっていうのはナイショですが、結果的にうまいことできたような気がしました)

 桜ちゃんも大変ですが、皆さんもソレらしき『重ねの色目』を探しましょう。

 さらにヒントを出すならば、……問題の2色はいつの季節っぽい、でしょうか?
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