No. 37≫ No.38 最新レスです
シーラ
大体皆様の解答は出揃ったようですので、それでは正解を発表いたします。
@は「パスポート」です。大正七年当時は、現在のような手帳型ではなく、紙一枚の形体でした。そして片面の半分が日本語の旅券部分(縦書き)ですが、そこには祖父の名前の後ろに「右ハ……赴クニ付通路故障ナク旅行セシメ且必要ノ保護扶助ヲ與ヘラレン事ヲ其筋ノ諸官ニ希望ス」と印刷されております。(……部分に、具体的な行き先などが後から書き込まれています。)
もう片面は、所謂ビザの部分で、目的地や経由地のものがサインやスタンプと共に書き込まれています。
この当時祖父は18歳で、私立学校(多分働きながら、夜学に通ったのだと思います)の工業科を卒業した後、とある公的機関に勤めておりました。(敢えて書きませんが、察しがつく方もいらっしゃるでしょう。)そして「官命」により、専門技術を学ぶためフランスに一年留学することになったのです。といっても実際には、米国及び英国経由で、母が言うには往復で2ヶ月かかったから、実質の留学期間は10ヶ月とのことでした。
そのためか右端には「公用」の印が押されており、そして祖父の名前の上には、身分・職業として「職工」と明記されていました。
Aは「平民」です。明治2年に、新政府はそれまでの身分制度であった「士農工商」を廃止し、新たに「皇族」「華族」「士族」「平民」と定め、建前上は「四民平等」を謳ったのでした。しかしそもそもそのような四分類をすること自体が「平等」の理念からかけ離れたものだと考えます。大体資格証明書の名前の前にわざわざ「東京府平民」と書く必要がどこにあるのか?
……というのが現代人の感覚ということは分かってはいるのですが、やはり心に引っかかるものがあり、今回の出題に踏み切りました。戦前の日本が舞台となっている小説や映画に触れれば、こういった身分制度が翳を落としている部分が感じ取れる作品もあるでしょう。
*あと数日間は開けておきますので、ご意見・ご感想等ありましたらお聞かせ下さいませ。ただ、話の方向性によっては問題が起きる可能性もありますので、Aに関しては、公開でなく囁きに書いてくださいますようお願い致します。
@は「パスポート」です。大正七年当時は、現在のような手帳型ではなく、紙一枚の形体でした。そして片面の半分が日本語の旅券部分(縦書き)ですが、そこには祖父の名前の後ろに「右ハ……赴クニ付通路故障ナク旅行セシメ且必要ノ保護扶助ヲ與ヘラレン事ヲ其筋ノ諸官ニ希望ス」と印刷されております。(……部分に、具体的な行き先などが後から書き込まれています。)
もう片面は、所謂ビザの部分で、目的地や経由地のものがサインやスタンプと共に書き込まれています。
この当時祖父は18歳で、私立学校(多分働きながら、夜学に通ったのだと思います)の工業科を卒業した後、とある公的機関に勤めておりました。(敢えて書きませんが、察しがつく方もいらっしゃるでしょう。)そして「官命」により、専門技術を学ぶためフランスに一年留学することになったのです。といっても実際には、米国及び英国経由で、母が言うには往復で2ヶ月かかったから、実質の留学期間は10ヶ月とのことでした。
そのためか右端には「公用」の印が押されており、そして祖父の名前の上には、身分・職業として「職工」と明記されていました。
Aは「平民」です。明治2年に、新政府はそれまでの身分制度であった「士農工商」を廃止し、新たに「皇族」「華族」「士族」「平民」と定め、建前上は「四民平等」を謳ったのでした。しかしそもそもそのような四分類をすること自体が「平等」の理念からかけ離れたものだと考えます。大体資格証明書の名前の前にわざわざ「東京府平民」と書く必要がどこにあるのか?
……というのが現代人の感覚ということは分かってはいるのですが、やはり心に引っかかるものがあり、今回の出題に踏み切りました。戦前の日本が舞台となっている小説や映画に触れれば、こういった身分制度が翳を落としている部分が感じ取れる作品もあるでしょう。
*あと数日間は開けておきますので、ご意見・ご感想等ありましたらお聞かせ下さいませ。ただ、話の方向性によっては問題が起きる可能性もありますので、Aに関しては、公開でなく囁きに書いてくださいますようお願い致します。