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シーラ
2007/12/10 15:37
*物語の続きです*
「……被害者は国語国文学科だけど、専攻はもしかして国語学のほうじゃない?」
「あっ、そう言えばそうだけど、それが…?」
「漢字に詳しいってことはないかしら?」
「良くわかったね?ってことは、犯人は似鳥…『鳥』の字が『烏』の字に似ているってことで?…でもそんなに単純じゃないか…」
「そうね、多分違うと思うわ。ポーの詩の一件からすると、被害者は彼女に結構ハッキリ思うところをしゃべっているじゃない?でも兄の証言からすると、根に持たないタイプの被害者なのに、相手に対して怒りの感情を秘めていたようだから……被害者と漢字について、もっと何かわかっていることはないかしら?例えば日本や中国の古辞書に詳しいとか…」
「そこまでは分からないけど……被害者は漢字マニアで、塾でも漢字の指導には特に力を入れていたみたいだよ。……この間も中一のクラスで、手作りのプリントも配りながら、漢字の『六書』っていうの?漢字の成り立ちについて、ほら象形とか形声とか会意とか、そんなことを張り切って教えていたって聞いているけど。」
「やっぱりね……じゃあ今ちょっと調べてみるわね。」私はトートバッグから電子辞書を取り出した。仕事柄いつも持ち歩いており、漢和辞典も勿論収録されている代物だ。
「えーと、……ほらね?この漢字の成り立ちは……でしょ?……だから、元来の意味はカラスになるのよ。」
「うわっ、そうだったのか!知らなかったよ……ってことは○○が怪しいわけだ。」
シーラ 2007/12/10 15:37
「……被害者は国語国文学科だけど、専攻はもしかして国語学のほうじゃない?」
「あっ、そう言えばそうだけど、それが…?」
「漢字に詳しいってことはないかしら?」
「良くわかったね?ってことは、犯人は似鳥…『鳥』の字が『烏』の字に似ているってことで?…でもそんなに単純じゃないか…」
「そうね、多分違うと思うわ。ポーの詩の一件からすると、被害者は彼女に結構ハッキリ思うところをしゃべっているじゃない?でも兄の証言からすると、根に持たないタイプの被害者なのに、相手に対して怒りの感情を秘めていたようだから……被害者と漢字について、もっと何かわかっていることはないかしら?例えば日本や中国の古辞書に詳しいとか…」
「そこまでは分からないけど……被害者は漢字マニアで、塾でも漢字の指導には特に力を入れていたみたいだよ。……この間も中一のクラスで、手作りのプリントも配りながら、漢字の『六書』っていうの?漢字の成り立ちについて、ほら象形とか形声とか会意とか、そんなことを張り切って教えていたって聞いているけど。」
「やっぱりね……じゃあ今ちょっと調べてみるわね。」私はトートバッグから電子辞書を取り出した。仕事柄いつも持ち歩いており、漢和辞典も勿論収録されている代物だ。
「えーと、……ほらね?この漢字の成り立ちは……でしょ?……だから、元来の意味はカラスになるのよ。」
「うわっ、そうだったのか!知らなかったよ……ってことは○○が怪しいわけだ。」