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2007/10/15 18:35
解答編 前半
部下「警部はどういう風に考えているんですか?」
警部「そうだな。まず事件の状況を整理してみようか。被害者は
ナイフのような物で刺されている。現場に凶器は残されていない。
第一発見者の三宅以外は現場の状況はしらされていない。そして
三宅、篠原、山下にはアリバイがある。アリバイがないのは田中と
中島だ。」
部下「それで篠原は知らないはずの現場の状況を口にしてしまって
いるんですよね。」
警部「そう。この証言が深みにはまってしまった発端と言えるな。」
部下「というと?」
警部「もし篠原にこの証言がなかったとしてみろ。3人にはアリバイが
あるわけだし怪しいのは田中か中島のどちらか、後は凶器を探したり
証拠を見つける作業をしていたことだろう。だが篠原がこんな
証言をしたがために篠原が犯人なんじゃないか?と考えたりしたわけだ。
アリバイトリックを追い求めたり、仮に田中や中島が犯人だとしても
どうしてもその証言と犯人を結びつけようと考えてしまう。共犯とかな。」
部下「そうですね。アリバイトリックが使われていなかったとは限りませんし。」
警部「そう。何の痕跡もなく、不審な点もない。だが目に見える矛盾した証言の
ために不審な点があったわけでもないのに不審な点を探そうと考えてしまう。
それが今回の事件を難しくしている原因だ。」
部下「難しくないんですか?」
警部「少なくても俺はそう考えているな。篠原には鉄壁のアリバイがある。
それは他の二人にも言える事だ。この3人を白と考える必要がある、と俺は
言ったがその真意は犯人じゃないと考えるだけではない。今回の事件に3人は
関わっていないという意味がある。」
部下「事件に関わりがない?」
警部「そう。ようは犯人との繋がりは一切ない、という意味だ。
考えてもみろ。アリバイのない田中と中島があらかじめ犯行を計画していて
それを事前に誰かに伝えておいた、なんて明らかにおかしいだろ?
誰かに手伝ってもらうわけでもないしリスクをあげるだけの行為だ。
篠原にアリバイがあるという事は殺害現場を目撃することも出来ない。」
部下「それは言えてますけど・・・」
警部「そう考えれば篠原の証言の意味が見えてくる。
篠原は犯人でもないのになんで現場の証言が出来たか?簡単だ。
現場を見たからだよ。」
部下「でも三宅の発見以降誰も現場を見る事は出来ませんでしたよ?」
警部「・・・三宅が死体を発見したのは6時くらいだろ?犯行時間は
2時〜2時半。3時間も空白の時間がある。その間に篠原が被害者の
現場に訪れていれば現場を知っていた理由がわかるだろ?」
部下「なるほど。確かに犯行から3時間もあれば篠原がその間に被害者を
見ている可能性はありますね。」
警部「そう。実は第一発見者は三宅ではなく、篠原だったと考えれば
篠原の証言にも納得がいくだろう。篠原の証言を聞く限り自分にも
動機があったと考えられる。ならばその現場を目撃して誰かに伝えて
しまっては自分が犯人だと思われるかもしれない。だから見なかったふりを
していた、とね。三宅の場合は被害者の所に行く話を中島にしてしまって
いるから見なかったふりも出来ないしな。」
部下「事件の流れ的には犯人は2時〜2時半に田中か中島が犯行におよんだ。
そして雑談の終わった篠原は被害者の部屋に訪れた。そして死体を発見した。
だが自分が疑われる事を恐れた篠原は発見した事を黙っていた・・・」
警部「そういうことだ。」
部下「でもそれだとおかしい事がありますよ・・・」
後編へ続く・・・
とりあえず解答の前編、という形でここまでを発表する事にします。
後編はまだ出さないでおきますので考えてらっしゃる方がいれば
本解を推理してみてください。とはいえもうほとんど推理する部分が
残されていませんが・・出来れば皆さんにすっきりしてもらいたい所です。
部下「警部はどういう風に考えているんですか?」
警部「そうだな。まず事件の状況を整理してみようか。被害者は
ナイフのような物で刺されている。現場に凶器は残されていない。
第一発見者の三宅以外は現場の状況はしらされていない。そして
三宅、篠原、山下にはアリバイがある。アリバイがないのは田中と
中島だ。」
部下「それで篠原は知らないはずの現場の状況を口にしてしまって
いるんですよね。」
警部「そう。この証言が深みにはまってしまった発端と言えるな。」
部下「というと?」
警部「もし篠原にこの証言がなかったとしてみろ。3人にはアリバイが
あるわけだし怪しいのは田中か中島のどちらか、後は凶器を探したり
証拠を見つける作業をしていたことだろう。だが篠原がこんな
証言をしたがために篠原が犯人なんじゃないか?と考えたりしたわけだ。
アリバイトリックを追い求めたり、仮に田中や中島が犯人だとしても
どうしてもその証言と犯人を結びつけようと考えてしまう。共犯とかな。」
部下「そうですね。アリバイトリックが使われていなかったとは限りませんし。」
警部「そう。何の痕跡もなく、不審な点もない。だが目に見える矛盾した証言の
ために不審な点があったわけでもないのに不審な点を探そうと考えてしまう。
それが今回の事件を難しくしている原因だ。」
部下「難しくないんですか?」
警部「少なくても俺はそう考えているな。篠原には鉄壁のアリバイがある。
それは他の二人にも言える事だ。この3人を白と考える必要がある、と俺は
言ったがその真意は犯人じゃないと考えるだけではない。今回の事件に3人は
関わっていないという意味がある。」
部下「事件に関わりがない?」
警部「そう。ようは犯人との繋がりは一切ない、という意味だ。
考えてもみろ。アリバイのない田中と中島があらかじめ犯行を計画していて
それを事前に誰かに伝えておいた、なんて明らかにおかしいだろ?
誰かに手伝ってもらうわけでもないしリスクをあげるだけの行為だ。
篠原にアリバイがあるという事は殺害現場を目撃することも出来ない。」
部下「それは言えてますけど・・・」
警部「そう考えれば篠原の証言の意味が見えてくる。
篠原は犯人でもないのになんで現場の証言が出来たか?簡単だ。
現場を見たからだよ。」
部下「でも三宅の発見以降誰も現場を見る事は出来ませんでしたよ?」
警部「・・・三宅が死体を発見したのは6時くらいだろ?犯行時間は
2時〜2時半。3時間も空白の時間がある。その間に篠原が被害者の
現場に訪れていれば現場を知っていた理由がわかるだろ?」
部下「なるほど。確かに犯行から3時間もあれば篠原がその間に被害者を
見ている可能性はありますね。」
警部「そう。実は第一発見者は三宅ではなく、篠原だったと考えれば
篠原の証言にも納得がいくだろう。篠原の証言を聞く限り自分にも
動機があったと考えられる。ならばその現場を目撃して誰かに伝えて
しまっては自分が犯人だと思われるかもしれない。だから見なかったふりを
していた、とね。三宅の場合は被害者の所に行く話を中島にしてしまって
いるから見なかったふりも出来ないしな。」
部下「事件の流れ的には犯人は2時〜2時半に田中か中島が犯行におよんだ。
そして雑談の終わった篠原は被害者の部屋に訪れた。そして死体を発見した。
だが自分が疑われる事を恐れた篠原は発見した事を黙っていた・・・」
警部「そういうことだ。」
部下「でもそれだとおかしい事がありますよ・・・」
後編へ続く・・・
とりあえず解答の前編、という形でここまでを発表する事にします。
後編はまだ出さないでおきますので考えてらっしゃる方がいれば
本解を推理してみてください。とはいえもうほとんど推理する部分が
残されていませんが・・出来れば皆さんにすっきりしてもらいたい所です。