クイズ大陸



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暴かれた偽装 ≫No. 1
?J・Jack 2007/04/26 22:29囁き
今日もいつも通り会社に行った。いつも通り電車に揺られ、いつも通り仕事をし、いつも通りに帰ってきた。
いつも通りに玄関のドアを開けてリビングに入ると、妻が首を吊っていた。
・・・私の計画通りに。

まずは妻の身に何が起こったか説明せねばなるまい。
今朝の朝食時に、私は隙を見て妻の朝食に睡眠薬を盛った。これで10時間弱は目が覚めることが無いはずだ。
次に床に大きなドライアイスを置き、その上にリビングにある4つ脚の椅子を乗せ軽く固定し、それに妻を座らせた。
その後リビングの天井の梁に結んだロープの先に輪を作り、その輪を妻の首にかけた。ロープの長さは自殺に見えるよう不自然でない長さに調整しておいた。
・・・おわかりだろうか。この状態で時間が経過すればドライアイスが気化し、妻の体が下がって行くにつれて首にかけたロープが締まり、いずれ妻は死に至るというわけだ。全ての準備を終えた後、私は朝食を片付けて換気扇をつけ ドアに鍵をかけて仕事に出かけた。
一度ドライアイスの気化する速さを実験してみた結果、妻が死亡するのにおよそ5時間ほどかかることがわかった。つまりその時私が仕事場にいれば、妻が密室の中で自殺したように見え、私は完璧なアリバイを手に入れることが出来る・・・

「なるほど、仕事から帰ったら奥さんが首を吊っていた、と……」
部屋に異常が無く、妻もただの首吊りに見える ことを確かめた私は、すぐに警察を呼び、程なくやってきた刑事にいかにも「突然妻に先立たれた哀れな男」であるかのようにふるまった。刑事はまだ完全に私を信じているわけではないようだったが、妻の部屋に残しておいた遺書(もちろん私が偽造した)が見つかれば、私への疑いも晴れて妻の自殺ということになるだろう。
私と会話している間も、刑事は遺体が気になっているようだった。特に遺体が吊るされている 天井の梁、梁と妻を結んだロープ、妻の足元のカーペット、側に転がっている椅子などの遺体の周辺の様子を遠巻きに眺めていたようだったが、まあ大丈夫だろう。どこから見てもこれは自殺だ。

「……っと、失礼」
どうやら刑事に電話がかかってきたらしい。懐から携帯電話を取り出すと、こちらに背を向け会話を始めた。

「……どうした? 今忙しいんだけど。……うん、多分殺人。……そう、また後で連絡するから、じゃ」

・・・ちょっと待て。今、この刑事は、殺人、と言ったのか? バカな、いくらなんでもこんなに早く気付くはずが無い・・・。
「えーと、すいません。署で詳しい話を伺いたいのですがよろしいですか? なるべく隠さずにお話していただけると助かるんですけどね……」

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・・・この男の犯罪は割とあっさり露見してしまいました。
ここからが問題です。 刑事は何故、これが自殺でなく殺人だと思った のでしょう?

※疑問点やおかしな点があったり、またヒントが欲しいなどの要望があれば遠慮なくおっしゃってください。なるべくお答えします。文章が読みづらかったら勘弁してください。

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