クイズ大陸



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?たいふ 2007/03/03 20:35
私たちは翌日、尤もらしい理由を付けて阪神家を訪れることにしました。
幸運なことに、家政婦の波代さんは私のことを覚えてくれていたのですんなりとお邪魔することが出来た。

波代「あらあら、まあまあ…貴方があの太傅さん?随分と丸くなられて…昔はもっと厭世的な雰囲
   気だったのにねぇ。そちらの坊やはお子さんかしら?お名前は…それにしても残念ねぇ…」
太傅「いやまぁ…この数年色々と環境や心境の変化がありましてね。この子はヒロシ君と言って親
   類の子です。私は未だ一人身です…残念とは?」
波代「あらそうなの?それじゃあチャンスはあるってことかしら?ふふふっ…」

……ゾクッ……嗚呼…それは流石に全力を以って固辞させて頂きますよ…

(ガチャ)富男「お〜い、一体何時まで玄関先で喋っているつもりかね、波代さん…早く上がって
   もらいなさい…すまんね、え〜…大傳君だったかな?」
太傅「いいえ構いません。それと私は太傅(たいふ)です」
富男「はっはっはっ、そうだったそうだった。ま、2人とも早く上がりたまえ」
波代「太傅さん、覚悟しておいた方ですよ…相変らずですから…旦那様にも困ったものです」

応接間に通されるなり…所狭しと飾られているトロフィーや盾、写真…我が子の自慢話が始まる。
それが終わると、リトルと軟式のルールの違いや、プロ投手の2段投法について、高校野球の道具
に関する決まりや最大延長が15回になった理由、近く2級審判の資格を取得しようとしているだと
か野球について延々と聞かされた。(流石にヒロシ君はウンザリ顔ですね)
話の合間にアメリカでの生活や事故についてもそれとなく聞いてみたが、おかしな点は無いように
思えました。(勿論表面上は…)

「ただいま〜」という声が玄関の方から聞こえてきた。
富男「お〜い明、ちょっと来なさい」
アキラ「何?…あっ…こ、こんにちは…お久しぶりです…お兄さん」
太傅「やあ…随分背が伸びて格好よくなったね、アキラ。聞いたよ、エースで4番だってね。これは
   甲子園もプロも確実だね」
富男「わっはっはっ…いや全くその通りだよ。みんな君が明に指導してくれたお陰だよ…私も将来
   が楽しみだ」
アキラ「…もう…お兄さんもお父さんも何言っているんだよ。甲子園のマウンドに立つなんて絶対
   無理だよ…プロも夢…かな…」
ヒロシ「…ケンソンすんなよ〜。先生の指導を受けた奴は成功すんの!これ常識!…俺なんか名探
   偵確実だもんね〜。俺と同じ服装してんのに全然だなぁ」
アキラ「別に謙遜してるわけじゃあないけど…(言う事と態度の大きな子だな…小さいのに)」
太傅「…ヒロシ君…性格と服装は関係ないですよ…それにしても本当に同じ格好ですね…トリック
   ミラーを見ているようです」(小さなヒロシ君の手足が伸びて映し出されたのがアキラ君…
   これは口に出せませんがね…ニヤリッ…)

和やかな雰囲気で談笑していますが…皆さん、如何でしょう。富男氏は本物でしょうか、それとも
偽者でしょうか?そして、太傅探偵は真面目に調査する気があるのでしょうか…
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