ある朝、表通りを一本入った路地の寂れた雀荘で、その店の主人の死体が発見された。
死体のすぐ横には自動麻雀卓が倒れ、辺りの床には麻雀牌がバラバラと散乱していた。
注意して見てみると、被害者の右手は拳に握られており、その周りには何故か字牌ばかりが集まっている。私がその手をゆっくりと解いてみると・・・果たしてその手には麻雀牌──「發」の牌が握られていた。
被害者は数々の字牌の中から「發」の牌を選んで握った。・・・おそらくこれはダイイングメッセージであろうと私は思った。
その後の捜査で、その店で前夜──と言ってももう明け方だが──最後まで麻雀に興じていた一団が判明した。
高田幸一(32歳・サラリーマン)
広沢健司(32歳・高田の大学時代の同窓生)
金山英夫(33歳・同じく高田の同窓生)
森本貴士(31歳・同じく高田の同窓生)
四人とも店主とは長い付き合いで、各人がそれぞれに店主に多額の借金があることも突き止められた。
動機もある。
四人のうちの誰かが、店を出た後に引き返してきて殺害に及んだのだ。
犯人は誰か?
------------------------------
麻雀を知らない方、ごめんなさい。
ちょっと補足すると、麻雀牌には数を表す牌の他に字牌(字を書いてある牌)があります。
東、南、西、北、發、中、そして何も書いていない牌の7種類。
被害者はこれらの牌を一旦手許に集め、その中から「發」の牌を選んで握ったのです。
kaito 2005/01/05 23:13
死体のすぐ横には自動麻雀卓が倒れ、辺りの床には麻雀牌がバラバラと散乱していた。
注意して見てみると、被害者の右手は拳に握られており、その周りには何故か字牌ばかりが集まっている。私がその手をゆっくりと解いてみると・・・果たしてその手には麻雀牌──「發」の牌が握られていた。
被害者は数々の字牌の中から「發」の牌を選んで握った。・・・おそらくこれはダイイングメッセージであろうと私は思った。
その後の捜査で、その店で前夜──と言ってももう明け方だが──最後まで麻雀に興じていた一団が判明した。
高田幸一(32歳・サラリーマン)
広沢健司(32歳・高田の大学時代の同窓生)
金山英夫(33歳・同じく高田の同窓生)
森本貴士(31歳・同じく高田の同窓生)
四人とも店主とは長い付き合いで、各人がそれぞれに店主に多額の借金があることも突き止められた。
動機もある。
四人のうちの誰かが、店を出た後に引き返してきて殺害に及んだのだ。
犯人は誰か?
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麻雀を知らない方、ごめんなさい。
ちょっと補足すると、麻雀牌には数を表す牌の他に字牌(字を書いてある牌)があります。
東、南、西、北、發、中、そして何も書いていない牌の7種類。
被害者はこれらの牌を一旦手許に集め、その中から「發」の牌を選んで握ったのです。