DMは『江人』と読めるような字 容疑者リストは
>>1です
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とあるアパートの一室、部屋は薄暗くペランダの方から僅かに夕日が差し込んでいた
「ギィー」と音を立て部屋の扉が開き、その音に気づいたのか部屋の住人がゆっくりと起き上がった
どうやら住人はコタツで眠り込んでいたらしく、少し寝ぼけた声で扉の方の人物に話しかけた
「お、おう、何か用かい?」と言う住人の問いに対して玄関先の人物は無言のまま、かと思うとおもむろに靴を脱ぎ
手に持った”布地を丸めた”ようなものを玄関脇の流し台の上に置き、玄関先で立ち尽くしたままでいた
「あっそうだ、ちょっと探し物してたらこんな物が出てきたんだよ」と言ってテーブルの上の写真を取ろうとするが思うようにいかない
その間に玄関先の人物は住人の背後に近づく・・・手にはきらりと光るものが見える、と次の瞬間それが住人の背中に
「うっ」と言う”うめき”声と共に住人がコタツの上に倒れこみ、握り締められた刃物が住人の体から抜け、血が飛び散る
「はぁ、はぁ」と肩で息をし興奮した様子の訪問者は慌てて懐に刃物をしまい込み立ち去ろうと玄関へ走った
殺人犯に成ろうかと言うその人物が靴を履こうとしたその時、背中にかすかにうめく声が聞こえ思わず振り返る
すると薄暗いながらも何か書いているようにも見え、思わず走り寄ると写真に何か書いているようであった
すかさず写真を奪い取ろとするが軍手をしていてなかなか掴めず、苦戦しながら何とか拾い上げるがそこには何も書かれいない
”夕暮れ時の訪問者”は「ふっ」と安堵し、写真を既に息絶えた住人の背中に放り投げゆっくりと背を向け、
流し台の上に置いておいた布を広げるとコートのようなものが姿を現した。訪問者はそれを身にまとい住人宅を後にした
こうしてまた、新たな事件が幕を開けるのであった・・・
来栖「お疲れさんです」 寒郡「おう、で状況は」 来栖「はい・・・・」
被害者の名前は大河原 康三郎(おおがわら こうざぶろう) 被害者は地元の競馬場で予想屋を営み、結構な名物おやじとして人気だったようだ
死因は背中を刺されたことによる失血死で、凶器は未だ見つかっていない
来栖「ガイシャは背中を一突きで、恐らく包丁の様なもので刺されたとの事です
台所の包丁からは血液反応は出なかったので予め凶器を用意していたようですね
現場(げんじょう)は特に荒らされた形跡もありませんし、怨恨による他殺ですかね」
寒郡「う〜む、取りあえずは目撃者探しと関係者の聴取、それと関係者の中にここ最近包丁を購入した者が居ないかの洗い出し
それから・・・腹減ったから飯食ってくる」
来栖「は、はぁ、いってらっしゃ・・っあ寒さんちょとこれを」と、部屋を出ようとする私を不意に来栖が呼び止めるのであった
寒郡「ん?」 来栖「すいません、写真とシャーペンのこと忘れてました」 寒郡「・・・(まったく)」と少ししかめっ面をしてみせると
来栖「これなんですがね、多分仲間内かなにかで撮られたものだと思うんですが、被害者の背中の上に乗ってました
あと、こっちは手に握られていたシャーペンです」
寒郡「写真が死体の上にか?ったく何でこういう重要な事をお前は毎度」等と愚痴りつつ写真を受けとった
写真には大河原と大河原を囲むように5人の男達が写っており、和やかな雰囲気が伝わってきた
来栖「明日にでもその写真を持って競馬場に行って、そこに写っている関係者の名前を聞いてきます」
寒郡「ん、ここは競馬場なのか?よく分かったな」
来栖「ええ、小さい頃に何度か”動物園”と称して連れて行ってもらいましたからね(笑
その時はまだ小さくて大河原さんの事は覚えてませんでしたが、これも縁ですかねぇ」
寒郡「ふっ”動物園”は良かったな、じゃあこっちはお前に任せるとして」と言って写真を渡そうとした時、指に違和感を覚えた
来栖「どうしました?」と聞いてくる来栖をよそに、私は写真を裏返しその違和感の正体を確かめる
寒郡「・・・何か書いた跡だなこりゃ」と言いながら大河原宅から紙を拝借しシャーペンで跡をなぞってみる
寒郡「江・・・人・・・『江人』?」そこには『江人』と読めるような字が浮かび上がってきた
寒郡「ふむ跡だけって事は芯を出し忘れたか、何かの下に敷いて書かれたものか」
来栖「それってDMですか?」と聞かれ「だろうな」と返したが、心の中では間違いないと思っていた
寒郡「犯人がわざと置いていったとしても、こんな仕掛けをするのは妙だからな。
まぁ何にせよ関係者を洗い出せば何か見えてくるだろ。あ〜腹減ってきて考えどころじゃねぇわ」
来栖「は、はぁ」と呆れる来栖と事件を置き去りに近くのラーメン屋に走りこんだ
寒郡「はぁ〜やっぱり冬はこれだよなぁ」とのん気な私は、また眠れぬ夜が来る事など思いもしなかったのだ
寒來 2007/02/13 12:24
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とあるアパートの一室、部屋は薄暗くペランダの方から僅かに夕日が差し込んでいた
「ギィー」と音を立て部屋の扉が開き、その音に気づいたのか部屋の住人がゆっくりと起き上がった
どうやら住人はコタツで眠り込んでいたらしく、少し寝ぼけた声で扉の方の人物に話しかけた
「お、おう、何か用かい?」と言う住人の問いに対して玄関先の人物は無言のまま、かと思うとおもむろに靴を脱ぎ
手に持った”布地を丸めた”ようなものを玄関脇の流し台の上に置き、玄関先で立ち尽くしたままでいた
「あっそうだ、ちょっと探し物してたらこんな物が出てきたんだよ」と言ってテーブルの上の写真を取ろうとするが思うようにいかない
その間に玄関先の人物は住人の背後に近づく・・・手にはきらりと光るものが見える、と次の瞬間それが住人の背中に
「うっ」と言う”うめき”声と共に住人がコタツの上に倒れこみ、握り締められた刃物が住人の体から抜け、血が飛び散る
「はぁ、はぁ」と肩で息をし興奮した様子の訪問者は慌てて懐に刃物をしまい込み立ち去ろうと玄関へ走った
殺人犯に成ろうかと言うその人物が靴を履こうとしたその時、背中にかすかにうめく声が聞こえ思わず振り返る
すると薄暗いながらも何か書いているようにも見え、思わず走り寄ると写真に何か書いているようであった
すかさず写真を奪い取ろとするが軍手をしていてなかなか掴めず、苦戦しながら何とか拾い上げるがそこには何も書かれいない
”夕暮れ時の訪問者”は「ふっ」と安堵し、写真を既に息絶えた住人の背中に放り投げゆっくりと背を向け、
流し台の上に置いておいた布を広げるとコートのようなものが姿を現した。訪問者はそれを身にまとい住人宅を後にした
こうしてまた、新たな事件が幕を開けるのであった・・・
来栖「お疲れさんです」 寒郡「おう、で状況は」 来栖「はい・・・・」
被害者の名前は大河原 康三郎(おおがわら こうざぶろう) 被害者は地元の競馬場で予想屋を営み、結構な名物おやじとして人気だったようだ
死因は背中を刺されたことによる失血死で、凶器は未だ見つかっていない
来栖「ガイシャは背中を一突きで、恐らく包丁の様なもので刺されたとの事です
台所の包丁からは血液反応は出なかったので予め凶器を用意していたようですね
現場(げんじょう)は特に荒らされた形跡もありませんし、怨恨による他殺ですかね」
寒郡「う〜む、取りあえずは目撃者探しと関係者の聴取、それと関係者の中にここ最近包丁を購入した者が居ないかの洗い出し
それから・・・腹減ったから飯食ってくる」
来栖「は、はぁ、いってらっしゃ・・っあ寒さんちょとこれを」と、部屋を出ようとする私を不意に来栖が呼び止めるのであった
寒郡「ん?」 来栖「すいません、写真とシャーペンのこと忘れてました」 寒郡「・・・(まったく)」と少ししかめっ面をしてみせると
来栖「これなんですがね、多分仲間内かなにかで撮られたものだと思うんですが、被害者の背中の上に乗ってました
あと、こっちは手に握られていたシャーペンです」
寒郡「写真が死体の上にか?ったく何でこういう重要な事をお前は毎度」等と愚痴りつつ写真を受けとった
写真には大河原と大河原を囲むように5人の男達が写っており、和やかな雰囲気が伝わってきた
来栖「明日にでもその写真を持って競馬場に行って、そこに写っている関係者の名前を聞いてきます」
寒郡「ん、ここは競馬場なのか?よく分かったな」
来栖「ええ、小さい頃に何度か”動物園”と称して連れて行ってもらいましたからね(笑
その時はまだ小さくて大河原さんの事は覚えてませんでしたが、これも縁ですかねぇ」
寒郡「ふっ”動物園”は良かったな、じゃあこっちはお前に任せるとして」と言って写真を渡そうとした時、指に違和感を覚えた
来栖「どうしました?」と聞いてくる来栖をよそに、私は写真を裏返しその違和感の正体を確かめる
寒郡「・・・何か書いた跡だなこりゃ」と言いながら大河原宅から紙を拝借しシャーペンで跡をなぞってみる
寒郡「江・・・人・・・『江人』?」そこには『江人』と読めるような字が浮かび上がってきた
寒郡「ふむ跡だけって事は芯を出し忘れたか、何かの下に敷いて書かれたものか」
来栖「それってDMですか?」と聞かれ「だろうな」と返したが、心の中では間違いないと思っていた
寒郡「犯人がわざと置いていったとしても、こんな仕掛けをするのは妙だからな。
まぁ何にせよ関係者を洗い出せば何か見えてくるだろ。あ〜腹減ってきて考えどころじゃねぇわ」
来栖「は、はぁ」と呆れる来栖と事件を置き去りに近くのラーメン屋に走りこんだ
寒郡「はぁ〜やっぱり冬はこれだよなぁ」とのん気な私は、また眠れぬ夜が来る事など思いもしなかったのだ