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寒來
2007/01/21 18:06
友人「一体どういうことなんだ?俺に分かるように説明してくれよ」
寺島「ああ勿論だとも・・・」と、静かに言うと、私は題名と第5節の冒頭部を順に指差しこう続けました。
寺島「いいか、この部分が暗号の鍵になっているんだ」と、話すと友人は
友人「あ、暗号?」と、少しすっとんきょうな声を上げました。
寺島「先ず『頭蓋島(ずがいじま)連続殺人 〜見えざる真実と悲しき鳥〜』のタイトルとサブタイトルの頭文字を見てくれ」
友人「え・・ええっと、『頭』と『見』のことか?」
寺島「そう、そして次に、第五節の一行目の『横に二列』だ」
友人「これが一体どういう?」
寺島「『頭』と『見』に『横に二列』で、各節の冒頭部の頭文字をから二つ目までを拾って読む事を指してるんだ」
寺島「まぁ口で説明するより実際に読んでみた方が分かりやすいだろう」
友人「あ、あぁ・・・えーっと、とび(ら)、とび、で、(てん)、もう・・とびとびでてんもう?」
寺島「違う違う、読点は飛ばして」
友人「あぁそうか、え〜っと、とび、とび、でよ、もう・・・飛び飛びで読もうか?」
寺島「そう、詰まり飛び飛びで読んでいけば良いって訳さ」
友人「飛び飛びって、また冒頭部分の行を、今度は飛ばしながら読むってことか?」
寺島「そう、それが第5節の『中身はざっと読み、飛び飛びの内容しか把握していないが』につながるんだよ」
友人「はっ、はぁ〜なるほどねぇ」と口では言うものの、今ひとつ飲み込めていない様子の友人を横目に、
話を勝手に進める事にしました。
寺島「いいか、それともう一つ、1行目に戻って『頭四つ分ほど』と合わせて、飛び飛びで4行目までを読むんだ」
寺島「そして、初めと同じ要領で頭文字を拾っていくんだ。それから飛び飛びってのは1行目から飛ばすんだぞ」
と、いつもとは立場が逆転し、こちらがまくし立てる感じでそう話すと
友人「あ、え、もうちょっとゆっくり」と、動揺を引きずった友人にまた同じ説明を、今度は丁寧に繰り返しました。
寺島「よし、じゃあ言った通りに読んでみろ」
友人「あ、あぁ・・・えっと初めが戸塚の『と』で次が皮肉の『ひ』で・・・最後が『て』か」
友人「と・ひ・か・た・ま・し・ら・て、とひかたましらてって何だよ!」
と少し感情が戻ってきた感の友人をなだめつつ、こう続けました。
寺島「それをさ、逆から読んでみろよ」
友人「・・・、て・ら・し・・・ま・・た・・か・・ひ・と・・・これって偶然じゃない・・よな?」
と、半信半疑ながらも、安心の色が戻りつつある友人に一言、
寺島「ああ、こんな偶然はまず無い。俺が作ったという証拠さ」と、うなずき答えました。
友人「あー何だよもぉ、俺がどれだけ心配したと思ってんだよ、大体おまえはさぁ・・・」
と、すっかりいつもの調子に戻り、結局は私の方がまくし立てられるのでした。
しかし、それはいつに無く心地のよいものでした。
友人「初めっから教えておいてくれたらこんなに慌てずにすんだのによぉおまえも人が悪いよなぁ」
寺島「あはは、悪い悪い、今度埋め合わせするからさ」と、手を合わせ謝りました。
友人「しっかし、こうなる事を予測して仕組んでたわけ?全く頭が下がるぜ」
寺島「いやいや、そこまで自信家じゃないさ(笑 ただちょっとした遊び心ってやつだよ」
こうして友人の誤解も解け、ここで話した仕掛けを自サイトの掲示板に書き込むと、
数日後には、あのとあるサイトはさっぱりと姿を消していました。
色々な話が飛び交う中、盗作した作品を掲載する際にサイト内の日付を細工して、
自分の方が先に作ったように見せかけていたのだろうという話に落ち着きました。
よくよく聞けば、私の立ち上げたサイトより先に在ったかどうかは誰もわからないとのことで、
恐らく日付だけを信用してしまったことが発端だったようです。
今回はこちらを盗作犯に見せかけるためなのか理由は定かではありませんが、冒頭部分や登場人物の名前を
そのままにしていてくれたおかげで助かりました。しかし、これに懲りて執筆は封印することに決めました。
その事を友人やサイトに来てくれた人たちに話すと、残念がられもしましたが、事が事だけにやむを得ずと
皆、快く理解してくれた事に感謝しています。
こうして、私の話は終わりを迎えるのでした。
余談・・・
アレからだいぶ経ち、友人は私の家に遊びに来る度に「次回作は?」と聞いてくるようになりました。
毎度私は「アレで懲りただろう〜」と諭すと、その日だけは大人しく帰っていくのでした(笑 完
寒來 2007/01/21 18:06
寺島「ああ勿論だとも・・・」と、静かに言うと、私は題名と第5節の冒頭部を順に指差しこう続けました。
寺島「いいか、この部分が暗号の鍵になっているんだ」と、話すと友人は
友人「あ、暗号?」と、少しすっとんきょうな声を上げました。
寺島「先ず『頭蓋島(ずがいじま)連続殺人 〜見えざる真実と悲しき鳥〜』のタイトルとサブタイトルの頭文字を見てくれ」
友人「え・・ええっと、『頭』と『見』のことか?」
寺島「そう、そして次に、第五節の一行目の『横に二列』だ」
友人「これが一体どういう?」
寺島「『頭』と『見』に『横に二列』で、各節の冒頭部の頭文字をから二つ目までを拾って読む事を指してるんだ」
寺島「まぁ口で説明するより実際に読んでみた方が分かりやすいだろう」
友人「あ、あぁ・・・えーっと、とび(ら)、とび、で、(てん)、もう・・とびとびでてんもう?」
寺島「違う違う、読点は飛ばして」
友人「あぁそうか、え〜っと、とび、とび、でよ、もう・・・飛び飛びで読もうか?」
寺島「そう、詰まり飛び飛びで読んでいけば良いって訳さ」
友人「飛び飛びって、また冒頭部分の行を、今度は飛ばしながら読むってことか?」
寺島「そう、それが第5節の『中身はざっと読み、飛び飛びの内容しか把握していないが』につながるんだよ」
友人「はっ、はぁ〜なるほどねぇ」と口では言うものの、今ひとつ飲み込めていない様子の友人を横目に、
話を勝手に進める事にしました。
寺島「いいか、それともう一つ、1行目に戻って『頭四つ分ほど』と合わせて、飛び飛びで4行目までを読むんだ」
寺島「そして、初めと同じ要領で頭文字を拾っていくんだ。それから飛び飛びってのは1行目から飛ばすんだぞ」
と、いつもとは立場が逆転し、こちらがまくし立てる感じでそう話すと
友人「あ、え、もうちょっとゆっくり」と、動揺を引きずった友人にまた同じ説明を、今度は丁寧に繰り返しました。
寺島「よし、じゃあ言った通りに読んでみろ」
友人「あ、あぁ・・・えっと初めが戸塚の『と』で次が皮肉の『ひ』で・・・最後が『て』か」
友人「と・ひ・か・た・ま・し・ら・て、とひかたましらてって何だよ!」
と少し感情が戻ってきた感の友人をなだめつつ、こう続けました。
寺島「それをさ、逆から読んでみろよ」
友人「・・・、て・ら・し・・・ま・・た・・か・・ひ・と・・・これって偶然じゃない・・よな?」
と、半信半疑ながらも、安心の色が戻りつつある友人に一言、
寺島「ああ、こんな偶然はまず無い。俺が作ったという証拠さ」と、うなずき答えました。
友人「あー何だよもぉ、俺がどれだけ心配したと思ってんだよ、大体おまえはさぁ・・・」
と、すっかりいつもの調子に戻り、結局は私の方がまくし立てられるのでした。
しかし、それはいつに無く心地のよいものでした。
友人「初めっから教えておいてくれたらこんなに慌てずにすんだのによぉおまえも人が悪いよなぁ」
寺島「あはは、悪い悪い、今度埋め合わせするからさ」と、手を合わせ謝りました。
友人「しっかし、こうなる事を予測して仕組んでたわけ?全く頭が下がるぜ」
寺島「いやいや、そこまで自信家じゃないさ(笑 ただちょっとした遊び心ってやつだよ」
こうして友人の誤解も解け、ここで話した仕掛けを自サイトの掲示板に書き込むと、
数日後には、あのとあるサイトはさっぱりと姿を消していました。
色々な話が飛び交う中、盗作した作品を掲載する際にサイト内の日付を細工して、
自分の方が先に作ったように見せかけていたのだろうという話に落ち着きました。
よくよく聞けば、私の立ち上げたサイトより先に在ったかどうかは誰もわからないとのことで、
恐らく日付だけを信用してしまったことが発端だったようです。
今回はこちらを盗作犯に見せかけるためなのか理由は定かではありませんが、冒頭部分や登場人物の名前を
そのままにしていてくれたおかげで助かりました。しかし、これに懲りて執筆は封印することに決めました。
その事を友人やサイトに来てくれた人たちに話すと、残念がられもしましたが、事が事だけにやむを得ずと
皆、快く理解してくれた事に感謝しています。
こうして、私の話は終わりを迎えるのでした。
余談・・・
アレからだいぶ経ち、友人は私の家に遊びに来る度に「次回作は?」と聞いてくるようになりました。
毎度私は「アレで懲りただろう〜」と諭すと、その日だけは大人しく帰っていくのでした(笑 完