ｸｲｽﾞ大陸

その日、太傅探偵はヒロシ君と事務所でババ抜きをしていました･･･

太傅「そろそろ止めませんか？二人でしても不毛なだけですよ」
ヒロシ「イヤだねっ、俺が勝つまで止めないぞ･･･嗚呼･･･また負けた･･･何でだろう？友だちとやっても勝て
　　　　ないんだよな〜」

彼の手に残るジョーカーはまるで彼を嘲笑っているかの様だ。

太傅「･･･」（顔に出ているんですよ）

太傅探偵も負けてあげれば良いのに大人げないことだ。そして、５０戦目を行おうとカードを切り始めたとき･･･

若刑事「たいふさ〜ん、知恵を貸して下さ〜い」

最近我が街で暗躍している窃盗団「THE　KING」･･･別に彼らがそう名乗っている訳ではなく、犯行現場に必ずトランプ
の「K」を残していくことから何時しかそう呼ばれるようになっただけだが、被害額が億を超える大事件にカード以外の
証拠を残さない彼らに警察も手を拱くばかりであった。しかし先日、ひょんな事からメンバー２名を知るに至った。
（ネットへの書込みか、酔った拍子に口を滑らせたかは不明だが、大金を手にして油断したのだろう）
２人の名前だが1人は、金石　将剛32歳。もう1人は、三門　琴葉28歳。思わぬ朗報に即刻逮捕に向った･･･が2人
とも既に話す口を持っていなかった。
２人とも自室で殺害されており、室内は荒らされていたが金目の物が手付かずのままであったことから･･･

ヒロシ「このタイミングの良さ･･･口封じに殺されたのは間違いないな」
太傅「そうですね･･･しかし、部屋が荒らされていたというのが気になります･･･他のメンバーに繋がる物を持ち
　　　　去ったのは間違いないでしょうが･･･」
若刑事「それに関して不自然な点があります。書棚の本が全て破り撒き散らされていたんです。２人ともですよ･･･
　　　　書棚には３百近い本が納められていたのに･･･訳が分かりません」
太傅「殺人という慣れない犯罪を犯して浮き足立ってしまったのでしょう･･･らしからぬミスを犯してしまった
　　　　ようですね･･･被害者は何か残していませんでしたか？」
若刑事「そう言えば、金石も三門も両面に文字が印刷された本の頁の一部らしき物を握っていました。DMでしょう
　　　　か･･･これがコピーです･･･」

（金石の握っていた紙片に印刷された文字）
たしかにあの男･･･見えております。･･･怕さ･･･後をつけてくる･･･その男も同じ･･･
（三門の握っていた紙片に印刷された文字）
ルギーの生まれでして」ポア･･･婦人に関しては、フラン･･･冗談めいた口調･･･

ヒロシ「あれ？これだけ･･･？」
太傅「ふふふっ･･･それで、２人の交友関係で共通する人物は浮かび上がりましたか？」
若刑事「いえ･･･共通の友人というのは分かりませんが、２人とも手品教室に通っていたようで、そこの生徒さん
　　　　は皆顔馴染みだったのではないかと･･･」
ヒロシ「今、ブームだからなぁ･･･マジック･･･俺もやりたいなぁ」

以下が手品教室の講師と生徒である
講師　Mr．ジョーク（本名）内場　勝馬【ウチバ　ショウマ】（５８）
生徒　黒石　葵【クロイシ　アオイ】 （３４）自営業
　　　甲斐　主水【カイ　モンド】　 （４５）住職
　　　　王　将【オウ　マサシ】　　 （３２）自営業
　　　仁志　行法【ニシ　ユキノリ】 （２７）コンビニ店員
　　　須藤　千重【スドウ　チエ】　 （１７）高校生

太傅「ふむ･･･どうしたものでしょうね･･･」

さて、金石を殺したのは、三門を殺したのは誰か･･･考えて頂きたい。